セレニティ : 平穏の海 / 【Netflix】マシュー・マコノヒー&アン・ハサウェイ。漁師の主人公の元へ現れた元妻。暴力的な夫を殺害してくれと頼まれ悩むが、息子のことを思い……。平和だった港町。衝撃的な結末。

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マシュー・マコノヒー、アンハサウェイという映画「インターステラー」を彷彿とさせるコンビでおくるサスペンス作品。今回も父子の関係が重要なポイントになっています。アンはDVに耐える富豪の妻として金髪を披露。監督・脚本は「マダムマロリー」や「蜘蛛の巣を払う女」のスティーヴン・ナイト。
カリブ海。小さな島で漁師をしたり観光客向けに釣りツアーをしてるベイカー。かつての妻が突然現れ、暴力的な元夫をバレないように海に落として亡き者にしてくれと依頼する。最初は断るつもりだったが、彼女が引き取って育てている息子のことを思い、決意が固まっていく。主人公を執拗に追いかけるセールスマンの存在。果たして無事に任務を遂行できるのか。
あらすじ
カリブ海の島で釣り船の船長をして穏やかに暮らすベイカー(マシュー・マコノヒー)の前に、突然美しい元妻カレン(アン・ハサウェイ)が現れます。彼女からの依頼は暴力的な現夫のフランク(ジェイソン・クラーク)を釣りに行くと見せかけ、沖に連れ出して殺して欲しいというもの。驚愕の依頼に動揺するベイカー、企みの末に巻き起こる衝撃の結末とは?(Filmarksより)


作品自体に関係ないことですが、今回のネトフリ利用がちょうど3/9(本日)まで、そしてこの映画の配信開始日が3/8ってことでギリギリ見れるか不安だったのですが、なんとか間に合って無事に見れました。一般的な劇場公開作同様、予告としてYoutubeなどに映像が先出しされるのでそれを見ながら期待に胸踊らせてたわけですが、その気持ちを裏切ることなく、すっごい引き込まれました。

一番最初に言いたいのが、映画中盤あたりにすごくインパクトのある展開を見せ、これははっきりって僕も全然予想してませんでした。できれば一切その情報を調べずに視聴して頂きたいです。最序盤からセールスマンの行動がかなり怪しくて、物語にどう絡んでいくのかな、ってワクワクしてたんですが、めっちゃ斜め上のキャラ。それわかった上で見返すと色々腑に落ちる点も結構あります。スケジュールの話題とか。

あんまり言及すると察しが良いひとは気づきそうなので話題を変えますと、この映画のメイン「殺害の決行」の他に、ずっと主人公が追ってきた獲物「ジャスティス」の存在があります。今日はこれが釣れたから市場でこれだけの稼ぎ、というように基本的に成果・釣果によって収入が決まるようですが、そういうの度外視して、ずっと釣り上げたいと願う魚がいるんです。これを釣れるかどうかというのもストーリーを通しての見所になってます。
主人公はかなり自由気ままな生活をしてて、食べていけるだけ稼いで、それから上であげた宿敵とのバトルして、恋人っぽい存在がいて、と、のどかな港町での彼の日常を見てるとちょっとああいうところで住んでみたくなります。毎日似たような日々で、平穏で。平穏=セレニティは彼の船の名前でもあるのですが、「平穏」とか「正義」とか、見終わった今振り返るとすごくこの物語を象徴してたなと思います。

もう一つ重要なのは冒頭でも触れた「父と息子の絆」のこと。テレパシー、というとちょっとファンタジーっぽくなりますが、例えばある日の白昼夢だったり、遠く離れてるはずの二人が繋がっていて、思ってることが分かったり、何と答えたかを知っていたりします。ストーリーが進むにつれ「そんなことありえるのかな?」の気持ちは完全に薄らぎますし、最終的に決断を下したのは息子のためっていうのも、グッとくるポイントです。特にDVに耐えてる彼が、「ずっとパソコンに向かってなかったらあなた(義父)を殺しちゃう」っていうセリフは、彼のSOSを痛感してめっちゃ辛かったです。

そんな義父/ヒロインの元夫はクズを体現したような男で、一切の躊躇なく「死んで当然」と思えるくらいの清々しい悪役にしてたのは良かったですね、児童買○を示唆するようなこと言ってましたし、ベイカーがカレンの元夫だと分かってないのでいろんなことペラペラ。このおかげでどんどんハードルが下がって行ったというのもまた滑稽です。そこまで克明に虐待するシーンは出ませんが、やられたであろうカレンの傷が生々しくて胸が痛くなります。アンハサウェイ背中フルヌードを披露するシーンがあるのですが、そこでの元夫フランクの気持ち悪さったらないです。完全に所有物としか見てない感覚。

覚悟を決めたベイリーの前に様々なイレギュラーが立ちはだかり、無事に決行できるかと相当ハラハラさせられますが、問題はそのあと。ハッピーエンドをどう定義するかによりますが、僕個人的な感覚としては、とても切なくて、だけどどこか救いのある終わり方だったんじゃないかと思います。それは、ベイリーの息子にとってどのような結末であるかってのが一番大事なことだと思うから。すでに触れたように思いも寄らない方向へ展開したのですが、後味悪い終わり方ではなかったので、すごいお話だったなぁと、ただただ満足しています。

吹き替えで視聴したのですが、今回のアンハサウェイも小松由佳さん。ここでも紹介したネトフリ配信ドラマ「ダイナスティ」でも主役のファロン役だったのを思い出し、聞き覚えがあったのはそのせいか!と納得しました。

Netflixにて字幕・吹き替え共に配信中。

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