ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界 / エネルギー源となっている植物の不調を探ろうと奇妙な世界に迷い込んだサーチャーとその息子。常識が通じないその場所で、生き別れた父と再会し。三世代の大冒険。ディズニーのCGアニメ。

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ディズニーによるオリジナルCGアニメ。まちのエネルギー源となった植物を救うため、迷い込んだのは不思議な世界。そこで生き別れた父と再会し、親子三世代による大冒険が描かれるファミリー向けアドベンチャー。監督は「ベイマックス」のドン・ホール。
有名な冒険家の息子サーチャーは偶然発見した植物に可能性を見出し、父と別れて街に戻ることに。数十年後、彼が育てた「パンド」はあらゆるもののエネルギー源となって街の発展に貢献していた。息子のイーサンも同じく農家として継がせようと考えている矢先、次々にパンドが枯れてしまう。原因を調べようと地下深くへと向かうが、そこには奇妙な世界が広がっていた。そこで生き別れの父と再会し、勝手に紛れ込んでいたイーサンと3世代の大冒険が始まる。
声の出演にジェイク・ギレンホール、デニス・クエイド、ジャブーキー・ヤング=ホワイト、ガブリエル・ユニオン、ルーシー・リュー。日本語吹き替えに原田泰造、鈴木福ほか。

あらすじ
有名な冒険家の息子だが冒険嫌いのサーチャー・クレイドは、農家として妻や息子と穏やかに暮らしていた。ある日、彼は家族と共に冒険の旅に出ることになり、もう一つの幻想的な見知らぬ世界「ストレンジ・ワールド」にたどり着く。そこにはまるで生きているかのように動く地面や、キラキラと光を放ち動く未知の生命体など、見たことのないものばかりが存在していた。(シネマ・トゥデイより)


最近ドラマ化もされた「センターオブジアース」をはじめ、未知の世界が広がっているという設定の作品もいくつかあるのですが、CGアニメという制作法を生かしても文字通りの「奇妙な世界」が描写されていくので、若干の気味悪さはあるもののワクワクしながら見れました。
途中で「なんか医療ドキュメンタリーっぽいな」って感じてたんですが、結構重要な要素にニアピンしてました。

この映画を語る上でどうしても「ポリコレ」という言葉がチラついてしまうのも確か。肌の色の違う夫婦(これは今や普通ですが)、女性大統領、男が好きな息子、一本前足のない保護犬。あとは熱中しているカードゲームが特定の悪者が出るのではなく「手札の要素を活かす」「武器などはない」っていう今風の内容になっててたりとか別に物語そのものは邪魔しないからいいんですが『取ってつけたような感じ』がしちゃうかなぁと。

主軸になるのは二組の父と息子の物語で、冒険大好き、再会してもものすごい活躍のイエーガー。彼と対象的な一番の主人公サーチャー。現代っ子でありつつも、どこか冒険にロマン感じているイーサンと、それぞれ自分とはタイプが違うからこそ微妙な溝ができちゃうし、ぎこちない。「俺いつの間にか大嫌いな父さんと同じことしちゃってる……」みたいなのは泣けます。わざとやってるわけじゃないし、心配だし愛情の裏返しなのに。

それが大冒険を経てちょっとずつ絆が深まっていくのはベタだけど良かった。結構グッとくるものがあって、大量の生物ととの戦いの上で「父と息子のキャッチボール」っぽい構図になっちゃうのがエモかった。元々距離があったのに、さらに生き別れ状態だからギクシャクは仕方ないし、家族の危険を顧みず冒険冒険!っていう父親に辟易するサーチャーに共感できる。一方でイエーガーも「結果を出さなければ」っていうプレッシャーがあっただろうしね。悪人がいない。

視聴まえに見かけたどこかのレビューで明確なヴィランがいないって表現されてましたが、ストレンジワールドの生物たちは主人公たちを攻撃しようとするもののそれは部外者だからだし(さらにもっと的確な理由がのちに判明する)、たしかに倒すべき凶暴なモンスターてわけじゃないんですよね。青いゼリー生物「スプラット」はある意味で斥候みたいな役割だったはずが、ケガの手当てしたことでイーサンに懐くし、要所要所でかなりの活躍してくれましたし、なんかプルプルしてて可愛かった。ワンちゃんとのおとぼけ合戦も好き。

だからこそ最終的に「エネルギー源には頼らない」って話かな?という予想はできたのですが、枯れてしまった原因とストレンジワールドの秘密が一気に判明していく後半もすごくワクワク。その一方で「そしたら街はどうなっちゃうんだ?」っていう疑問も生まれるし、大統領が許すかなって。だからすべてが終わったあとの展開はちょっとびっくりで。そういう解決なんだ!って笑っちゃった。

間違いなく映像は幻想的だし、いろんな舞台を大冒険するアドベンチャーだから子供も十分楽しめる作品。前述の設定がちょっと気になったり、あるいはテンポが早すぎてご都合主義感がするのも否めませんが(特に終盤のイエーガー)、ディズニーの映画という感じで良かったです。

ディズニー+にて吹き替え版で視聴。
どことなくサーチャーの顔が泰造さん本人に見える時がありました。


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