ピーターパーカーは自身に目覚めた能力を使ってスパイダーマンとしてアベンジャーズに仲間入りしたり隣人のために悪と戦ってきたのだが、敵の策略によってあらぬ罪を着せられ、また正体もバレてしまう。友人のヒーロー、ドクター・ストレンジに頼み込んで「世界中の人間から記憶を消す」魔術を使ってもらったのだが、失敗した結果、異世界からスパイダーマンの宿敵たちが集まってしまう。彼らを捕まえ、送り返そうとするのだが……。
前作からゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン、ジョンファバロー、マリサ・トメイら続投の他、ベネディクト・カンバーバッチ、さらにはヴィラン役でアルフレッド・トミナ、ジェイミー・フォックス、ウィレム・デフォーが再演。
【本文は重大なネタバレを含みます】ご注意ください。
あらすじ
スパイダーマンの正体がピーター・パーカー(トム・ホランド)だという記憶を世界から消すため、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)はある呪文を唱えるが、それがドック・オク(アルフレッド・モリナ)らヴィランたちを呼び寄せてしまう。ヴィランの攻撃によって、ピーターのみならず恋人のMJ(ゼンデイヤ)らピーターの大切な人たちにも危険が及ぶ。(シネマ・トゥデイより)
もうソフト発売と同時に公式も出演シーンの映像を公開してるので、「ネタバレはしない」というこのブログの方針をまげてあえて書かせてください。今回、過去にスパイダーマンを演じた2人、トビー・マグガイアとアンドリュー・ガーフィールドが出演しており、3人での共闘が描かれます。これがいかにすごいことか。サムライミ版の公開から何年経ってるって話だよ。
※あらすじを調べたYahoo!映画のキャスト欄でもガッツリ書かれています。
マルチバース(=パラレルワールド)からスパイダーマンの宿敵が集まってきちゃったというストーリー展開。過去の映画に出てきたヴィラン(敵)が色々と出てくるんですが、なんといずれも当時の俳優陣が再び集結して再演してくれてるんですよね。このこと自体がめちゃくちゃ奇跡に近くて、当然公開当時に見てる僕としてもそのニュースだけで声出して驚きました。作品数が膨大になってきたMCU作品ではよく「この映画を楽しむためには、あれとこれとこれを見てから〜」的なまとめが話題になってますが、今回は「スパイダーマン1,2,3」「アメイジングスパイダーマン1,2」を見てると、この人だ〜っていう驚きがある。もちろんそのMCU作品でもあるので、関連作品をできるだけ見ておいて損はないです。ちなみにちょっとだけ出てくる盲目の弁護士は「デアデビル」という(最初)Netflixで配信されていたマーベルヒーローでして、これまた同じ俳優さんが演じてくれてます。大好きなドラマなのでこれも嬉しかった。視力の代わりにレーダーのような聴力があるので、今回の映画でも「後ろから飛んできたレンガをキャッチする」なんて超人技を披露してました。
未熟ながらも成長し、「真のヒーローになる」という流れってのはこの手のジャンルで王道のひとつでしたが、トムホランド版スパイダーマン3部作は他のアベンジャーズと比べてもかなり年下だし、今回の映画でも大学出願の段階なのでまだまだ子供。だからそういう要素を特に強く感じましたね。どうしよ、恋人や友達と普通の生活をしたいのに、って年相応のパニクリかたするし、まだ割り切れてない。だから対照的に先輩二人が大人に見えたし、長年ヒーローやってる哀愁まで感じさせて3人の違いがとても好きでした。劇中で「兄弟が欲しかったんだ」ってセリフがありますが、3人兄弟って感じ。
でも正義感とかヒーローとしての素質は負けていなくて、「元の世界に送り返す」ことが悲しい結末になると知った彼はなんとかして別の解決策を模索しようとする。その流れでドクター・ストレンジとの対決もあるんですが、やっぱり魔術や「ミラー次元」は映像的に見応えがあってこれまた最高ですね。非現実感がすごい。もうすぐ公開の彼の単独映画「マルチバースオブマッドネス」への期待も高まります。圧倒的に不利な状況でも数学の知識とかで対抗してくのが面白い。MITに出願するほどだから、基本頭いいんですよね。もちろんそれは他のピーターも同じで、全員で研究するシーンも良かった。最終的には、そういう甘さに漬け込まれてしまうんですが……。
中盤にはちょっとショッキングが展開があり、ここで例の「スパイダーマンを象徴するセリフ」が出るのか、となんとも言えない悲しみがありました。過去のスパイダーマンも悲しい別れを経験してるからこそ、痛みを共感できた。簡単に立ち直ることはできないけど、今やらなきゃいけないことに目を向けられたのは、ほんと彼らがいてくれたおかげですよね。「ホームカミング」「ファーフロムホーム」とトムホ版でもそれなりに歴史あるからこそ、見てるこっちも思い入れあるし。
そこからは一気にヴィランたちとの対決シーンに流れ込み、ドラマ「ホークアイ」でも言及されていた自由の女神での大バトル。夜なんで画面が若干暗いのですが、「スパイダーマン3人と、複数の敵」だったらこうなるだろうな、っていう見たかった映像のオンパレードでめちゃくちゃテンション上がります。ほんと入り乱れるって言葉がぴったりですし、糸を使った移動、攻撃があるからスピード感がすごいんですよね。そしてこの戦闘シーンの中で、個人的には劇中でも1,2を争う感動ポイントがありました。公開当時の予告映像でも「MJが高所から落ちてしまう」ってのが流れていて、もし噂通り他のスパイダーマンが出るならああなるよな。って予想はしてたんですが。わかっていてもあの演出はもう泣かずにはいられなかった。めちゃくちゃ涙出た。んで、当然こっちがあるならもう一人の方も……。過去スパイダーマンに対しても、救いになるような流れにするのは全部を肯定してる気がしてより泣けるんですよ。単に話題になるから出しました、じゃない。彼らの戦いを、人生をも称賛してる。
もちろんシリアスなシーンばかりではなくて、随所に笑える要素も色々入ってます。特に親友ネッドが他の世界の自分のこと興味津々だったのに、「親友はいたけど敵対した(ハリーのこと)」って話を聞いて「俺は裏切らないからな」って妙に真剣になるの大好き。あとは蜘蛛の糸の違いがね、一番最初のは体から直接糸が出るので、驚くとともに気持ち悪がってて最高でした。ほんものの蜘蛛を意識しちゃうよね……。アイアンマンの頃からそうですが、ハッピーもいい感じでお笑い担当。メイおばさんとの関係も。あとはエレクトロが「最初はスパイダーマンは黒人だと思ってた」「どこかにはいるかも」って話もマイルズモラレスを予感させましたね。
全ての決着がついた後の展開もとてもグッとくる流れになっていて、繰り返しになりますがトムホ版スパイダーマンの3部作の完結にふさわしい素晴らしいラストでした。父親みたいなアイアンマン。兄弟みたいな別のスパイダーマンというお手本を経て、彼が「親愛なる隣人」となる成長物語だったんだな、としみじみ。泣けるけど、綺麗に終わってた。見てる僕自身が彼よりも年上っていうのがなおさらくるんですよね、大人になったなぁって。今回のスパイダーマンはアベンジャーズの後で歴代に比べるとより多くの人が興味を持ってシリーズ追ってるはずなので、プレッシャーもあったと思うんですけどね。切ない中にも希望がある終わり方でした。
例によってエンディング前後にはおまけ映像が。新たに「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」と名前が変わった作品群の中からあのキャラがチラッと出てきます。具体的に名前出しちゃうけど、ヴェノムとかモービウスとか、今後数本「スパイダーマンのヴィラン」を主役にした映画が制作されていくので、MCUとは違う形でまた実写スパイダーマンの活躍が見られる可能性がありますので、楽しみにしておきます。
MCU(アベンジャーズとかの方)としても、次はGWに公開予定の「ドクター・ストレンジ マルチバースオブマッドネス」がこの映画の直接的な続編になってるので、予告映像的なものも流れました。いよいよ本格的にマルチバースの悪影響が出てきちゃう中で、ストレンジはどう対抗していくのか。絶賛配信中の「ムーンナイト」ともども、まだまだ広がっていくこの世界を追うワクワクは止まりません。
前述の通り、今回は今まで以上に「過去作を知っていればいるほど感動できる」という作品ですので、もしも見てない人はこの「ノーウェイホーム」の後でもいいのでぜひ他のスパイダーマンを見てほしいと思います。キャラに対する思い入れがね、全然変わってくると思います。「君はアメイジングだよ」とかで笑えたりしますし。
ということでMCU最新作にして、ソニーのスパイダーマン映画の集大成、ほんとおすすめです。
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