ブレイン・ゲーム / アンソニー・ホプキンス主演&製作総指揮。連続殺人事件が起き、予知能力を持つ博士が捜査に参加するも、犯人もまたそれ以上の能力を持っていることが判明して……。頭脳がぶつかり合う、サイコスリラー。

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人の考えや過去を感じとる特殊なスキルを持つクランシー博士は、娘を失ったことでしばらく捜査などからは離れていたのだが巷で連続殺人事件が起き、かつての同僚、FBI捜査官とその相棒とともに協力することに。その中で犯人も自分と同じ、いやそれ以上の予知能力を持っていることがわかり、一筋縄でいかないことを悟るのだが……。
能力者が見る「未来の断片」を挿入したり、先の展開を予測させながらも緊迫感が継続するサイコスリラー。そして犯人の真の目的とは。
アンソニー・ホプキンスが主演、そして製作総指揮に名を連ねるほか、ジェフリー・ディーン・モーガン、アビー・コーニッシュ、そして犯人役でコリンファレルら共演。
あらすじ
連続殺人事件を追うFBI捜査官(ジェフリー・ディーン・モーガン)と彼の相棒(アビー・コーニッシュ)は、捜査に行き詰まっていた。そこで、同僚だったアナリストで予知能力を持つクランシー博士(アンソニー・ホプキンス)に協力を仰ぐ。まな娘が死んでからひっそりと暮らしていたクランシーは、事件に強く引き付けられ、捜査に加わる。クランシーは、容疑者(コリン・ファレル)に自分よりも優れた予知能力があることに気が付く。(シネマ・トゥデイより)


予知能力、と言う言い方が適切かどうかわからないのですが、とにかく主人公であるクランシーは特殊能力を持っていて、現場の痕跡から色々と探っていてきます。いわゆるサイコメトリー、殺害されるまでにどのようなやりとりがあったか、そしてどう殺されたか。この辺は超能力X犯罪捜査モノの王道で面白かったですし、仲間の女性が精神科医なので見方が違うのも面白く、またかつての相棒と違ってその「超能力」自体に会議的なのも差が出てて良かったと思います。

それでとんとん拍子に進むだけでも作品として成立したと思うんですが、この映画は犯人も能力を持っており、さらに主人公を上回っているのがミソ。現場に残された意味深なメッセージや数字も、どのタイミングで現場に来るか、捜査資料を読むか、お見通しなんですよね。こりゃもう勝ち目ないだろってくらい強い。犯人自体が残り1/3にならないと姿を見せないところも謎めいていて余計に怖いです。

その犯行動機自体も暴走した正義っぽくて背筋が凍ります。映画冒頭に原題である"SOLACE" の解説が出ますが、【慰め】だったり、苦痛や悲しみを【やわらげる】という意味だそうで、まあなんとなく予感はしていたんですが、彼にとっての殺しはそういった「救い」を意味してるのです。なかなか分からなかった被害者たちの共通点、それは不死の病だということ。それをクランシーが知ったときの反応がまた捻っていて、「そんなのはお前の押しつけだ」で一蹴できないところが深いんですよね。映画ラストの回想シーンにも関連してくるんですが、彼の中で完全に否定することができない。これはまあ「安楽死」をテーマにした作品とも共通してて、見てる僕らも一緒になって悩むべきポイントなんですけども。個人的には自分で選択するのと、他人から「あんたこれから苦しむから先に俺が楽にしてやるよ」っていうんじゃ話が全然違うと思うんで、許せない派ですね。
実はこの脚本は元々「セブン」の続編として考えられたものを変更して単発映画にしているみたいで、まあ犯人のぶっ飛び具合、神あるいは人知を超えて人のあり方を決めるような奢ったものの見方としては似たタイプですよね。クランシーに「お前ならわかるだろ」そして後継者に慣れよ、っていうスタンスが不気味です。

中盤から終盤にかけては直接対決、実際にドンパチになってのバトルになっていくんですが、「未来が読める」ことを利用した演出をしてくるので「え、ヤバイ」実は先読みしてたので防げます、みたいな騙され方もしちゃう。ハラハラ度が倍増してて、楽しい反面疲れます(笑) 序盤から思わせぶりな映像がちょいちょい入って、ある程度「悲劇が起きてしまうのか」と覚悟させて来てるし、そこにどう繋がるのか考えながらストーリーを追うことになってきたので終わりに近づけば近づくほどボルテージが上がっていってものすごい見応えでしたけどね。

セブンの名前を出しましたが、あっちみたいな救いのないラストではなく、事件自体は解決し、ハッピーには終わります。ただ前述の通り最後に挟まれる回想によってクランシーの悲しみ、苦悩、後悔がより鮮明に実感できる作りになってるんで、ここで再び「犯人は100%悪なのか」という問をされてる気分になるため、手放しで「爽やかな終わり」じゃないのは間違いないです。いやー、すごい作品でした。

悲しみのあまり人を遠ざけ、人の悩みが見えることの苦悩を抱えて生きてきた主人公。だけど同僚に対するお茶目なジョークなど犯人と違って人間性もある魅力的な人物をアンソニーホプキンスが見事に演じてて、より深みがましてたよいうに感じます。

WOWOWにて吹き替え版を録画しましたが、アマプラ にあったのでそちらで視聴。
2020年4月現在Amazonプライム会員無料対象ですので、ぜひ。



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