バスタームーンのシアターは連日満員で大成功をおさめていたが、聖地クリスタルタワーシアターで新作を披露するという目標に燃えていた。見にきていた調査員にうまくハマらなかったと見るやメンバー全員で長距離バスで大移動。飛び入りでオーディションに参加してしまう。そこで今は15年も表舞台から去っている大御所歌手も出演予定だと嘘をついたことで経営者に気に入られるが、少ない期間でシナリオやステージ、さらにはその歌手の説得が必要になって……。
ヤマアラシ、ブタ、ゴリラ、ゾウなど前作キャラが出たほか、経営者の娘である狼や、キザな雄牛、ダンサーの猫、師匠の猿など新キャラも多数。日本語吹き替えも内村光良、長澤まさみ、MISIAら再集結し、ジェシーやアイナジエンド、akaneも参加。
あらすじ
コアラのバスター・ムーンが運営するニュー・ムーン・シアターは連日満席で、ブタのロジータとグンター、ヤマアラシのアッシュ、ゾウのミーナら出演者は大人気。地元で成功を収めながらも、バスターには聖地クリスタル・タワー・シアターで新しいショーを披露するという夢があった。そのためにはクリスタル・エンターテイメント社のジミーのオーディションに合格しなければならなかった。(シネマ・トゥデイより)
実写かな?
いやCGアニメの進歩はすごいってのは毎回思うことなんですが、今回はちょっとレベルが違いました。多分光の表現なのかな?背景部分とかマジで実写だと勘違いしてしまうシーンがいくつもあります。特に傷心して引きこもってるライオンのクレイ絡み。もう高速飛ばしてる時のアスファルトから、木々や花壇などほんとすごかった。CGアニメってそれぞれの質感の差があんまり出なくて全体的にツルツルしてたり柔らかそうな印象受けるんですけど、硬いものは硬そうに見えるんだよね。これでメインキャラが人間の俳優だと浮いちゃうんだろうけど、それも全てCGだから全く違和感なく溶け込んでて素晴らしかった。製作陣的には水を見せたいのかなっていうのも感じた。ムーンがずぶ濡れになるのは繰り返しのギャグとして出てましたが、そこでの毛がびちゃびちゃなのとかもリアルでした。
そこに加えていうまでもなく表情や身振り手振りのリアルさ。動物の良さを入れつつ、感情移入しやすいように人間ぽさが存分に出てくるからまあ可愛いこと。最後のショーのシーンを盛り上げるためとか、クレイとかを含めて「落ち込んでいる」場面が結構あったりするんですが、そこがめっちゃ分かるんだよね。肩を落として、節目がちで、って。種類によって体格の差とか手足とか例によってデフォルメするところはされてるんだけど(ポーシャとか背が高すぎ)、受け入れてしまう。お話にのめり込んでしまう。メインキャラだけじゃないスタッフや観客がどれも可愛くてそういうのに注目するだけでも楽しかった。
ストーリー自体も子供も安心して見れるイルミネーションだからかなりグッとくるように出来てて、大成功するのわかってってもラストのショーのシーンは想像以上のクオリティであの場にいた観客同様に拍手喝采したくなるレベル。そこに至るまでに各キャラにスポットが当たる構成も上手い。
ブタのロジータは主役という夢のポジションにいながらも高所恐怖症に悩んだり(深読みだけど子供たちという守るべきものがいると自分が死んだらっていう恐怖が倍増する)、ポーシャのわがままでエイリアン役を押し付けられたり。この母親だけど、同時にショーが大好きってキャラいいんですよね。そして今回も子どもとパパさん大活躍してます。
ゴリラのジョニーは初めてのダンスに悪戦苦闘。テングザルの先生が意地悪キャラなのであれは見てるこっちも心が折れそうになるけどその分一緒に稽古してるメンバーが暖かったり、新キャラのストリートダンサー・ヌーシーとの出会いとかに繋がるからよし。本番で反論できないほどのものを見せたのが気持ちよかった。ちょっとドラム映画の『セッション』を彷彿とさせたな。
ゾウのミーナ、ただでさえ引っ込み思案なのにラブロマンス要素のあるショーを担当してこの辺のタジタジしてる感じもまた可愛らしかったし、アイス売りの青年アルフォンゾというリアル恋愛が絡んできて微笑ましかった。恥ずかしくて耳で顔を覆うのとか笑える。相手役も木村昴さんが吹き替えてるキザ男で憎めないキャラしてたし。そのアルフォンゾにもガッツリ歌唱シーンがあります。ジャニーズのジェシーさんが吹き替えてました。
前回もそうでしたが、今回基本的に洋楽を全て日本語に訳し、吹き替えキャスト本人が歌ってるんですよね。そこも楽しみだったポイントですが、本職歌手のメンバーがいいのはもちろんのこと、声優陣俳優陣もめっちゃうまくて聞き惚れちゃいます。見てて楽しい気持ちにさせてくれるんですよね。
なんといっても今回の目玉はB'zの稲葉さん。本人がお年を重ねてもあのボイスだから納得するしかないけど、15年引きこもっててあのシャウトかよ!ってツッコミ入れたくなるほどのクオリティ。さらには長澤まさみさんとのデュエットというのも豪華すぎますよ。ヤマアラシのアッシュは彼を説得する担当なのでこれまたかなりスポットが当たっていました。序盤のライブシーンも、階段に座って静かに歌うシーンも好き。
トレエン斉藤さん演じるブタのグンターはショーの内容を作るなど今回のお話において影の立役者だったし、ショーでも引き立て役としてかなりの仕事をしてます。ロボットダンスで「ピピププ」っていってるだけで笑っちゃう。斉藤さんキャスティングしといて正解だったなぁ。
ユーモア要素もバリバリあって、個人的に義眼ネタだけはちょっと引くんだけどシリアス過ぎないで楽しく見られてよかった。例えば本筋が理解できないような小さいお子さんでも動物たちがポップに動いてくれるのでそれだけで十分に楽しめると思います。ほんとリアルなんだけど可愛いし、面白いし。
僕は吹き替えでの視聴でしたが、オリジナル版も名だたる俳優が声を当ててるので前作同様にそっちの歌唱シーンも改めて見返したいと思います。Youtubeで検索するとそこだけを切り取った動画もヒットするかもしれませんが、きちんとお話の流れで順番で見た方がより感動できるはずなのでぜひ一度映画として見てからを強くお勧めします。
前作も諦めない心と楽しいパフォーマンスでかなり感動させられて、この続編も世界的にハードル高かったと思うのですがそれを超えるくらいの面白さでどんな人にもおすすめできる傑作映画でした。
アマプラにて吹き替えで視聴。
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