主人公たちに起きているピンチや敵の正体は?ハラハラする展開をド派手アクションで魅せる。もちろんノオミラパスの演じ分けにも唸っちゃう傑作エンターテイメント。
共演はウィレム・デフォー、グレン・クローズ他。
あらすじ
近未来。人口の増加と飢饉によって深刻な食糧難となり、世界の国々は厳格な一人っ子政策を行っていた。そんな状況下で、セットマン家の七つ子姉妹(ノオミ・ラパス)は、祖父によって各曜日の名前を付けられ、それぞれ週に1日ずつ外出し、共通の人格を演じることで当局の監視の目を逃れてきた。ある日マンデーが帰宅しなかったことから、姉妹の日常は狂い始める。(シネマ・トゥデイより)
原題は"What Happened to Monday?"で、何が月曜(マンデー)に起こったか。というもの。そう言えば似た映画のタイトルあったなぁと思っていたのですが、実は内容まで「何がジェーンに起こったか?」を意識して作られているようで、ある意味そこに引っ張られることで結末の予測する際に騙されてしまう(=ミスリード)かも。お恥ずかしながら僕自身は見たことがないので、これもいつか視聴します。スターチャンネル契約時に録画した「ベティVSショーン」も早く見ないといけないですね。その映画の舞台裏を描いてるドラマなので。
実際に映画始まるとそのタイトルも画面に表示されるので、ジェーンを知らなくても「ああ、月曜に何かが起こってるってことはピンチってことでもあるし、同時に裏切ってるパターンんもあるのね」などと考えちゃったので、十分タイトルで振り回されております。最序盤、こっそり家を抜け出した挙句に指の先を切断してしまった姉妹のため、他の6人も同じところを包丁で切断するというシーンがあるのですが、「みんなの手本になるんだ、月曜」みたいにかなり意味深なシーンがありますからね。怒りを抱えてる可能性も十分にある。
だからこそ、一人、また一人と帰宅しなくなっていく(安否がわからない)演出はうまいと思いました。本音が全然見えないから、自ずと色々考えちゃう。一日の振り返り、翌日への申し送り的なやりとりで、見た目だけじゃなく7人が全然違うタイプだってのがすぐに把握できるので、姉妹同士でも相性の良し悪しとかありそうだなぁっって思いますし。
そうそう、その包丁シーンこそ直接は描かれませんでしたけど、一人っ子政策を進める児童分配局?の奴らとかの攻防など結構激しいドンパチがありますので、割と目を背けたくなるシーンもあります。姉妹たちしか入れないはずの家に侵入する時に、袋に入った眼球を使ったりとかね。え?やっぱり「火曜」殺されちゃってるの?とかビビります。R15+指定。アダルト方面だと、姉妹のうちの誰かがこっそり付き合っていた男性とのラブシーンがあり、一番女性っぽい風貌の「土曜」が全裸になったりしますのでご注意を。
すでにあげた二人以外だと、武闘派の水曜とか、反抗しがちな木曜、頭脳明晰PCなど担当の金曜、慎重派の日曜とほんと全然違います。公式HPに簡単なプロフィールがあります。映画の中で動いてるのを見ると、仕草とか表情で見た目以上にかなり違うので、ほんと主演のノオミはすごかった。全員が演じやすいように、カレンになってる時は厚化粧でカツラかぶるんですけど、そのおかげで終盤あたりの「これは誰なんだろ?」っていう演出もあったりして見応えありました。ちなみに吹き替えは朴璐美(ろみ)さんが担当。ハガレン主演のように男っぽい声から、おばあちゃんぽい声、普通に女性っていう風にもともと演じ分けうまい印象ありましたけども、声だけも十分差別化されててこれもすごかったですね。キャスティングした人ナイス。
ジャンル的にはディストピアSFに分類されるタイプなので、過激な政策を打ち出してる博士を止めるんだろうな、とは思ってたのですが、中盤あたりに施設の真の姿が発覚。まあこれは流石に失脚させて当然かもね、って印象を受けます。それ発覚する前、主人公たちから離れて、一人っ子政策の中身だけを聞いてると解決方法としては間違ってないのかなとも思っちゃってたのでね。実際「姉妹が生きてきたことで他の人の食料を奪ってきたのよ」って言われるシーンなんかは納得しかけちゃいました。みんな我慢してるのに、主人公たちだけずるいよ、っていう感覚もわかる。
ただ、その特別な環境に置かれたことの功罪がうまくストーリー展開に反映してて面白かったです。別人を演じることで自分の人生というものがない、という辛さだとか、家族が共に生きてくことの大切さ。最後の最後にわかることは正直予想できてなくて、そこで改めてタイトルの本当の意味がわかってナルホドー!となります。だからこそあの選択をしたのか、とかね。
一応後味は悪くない終わり方ではありますが、現実世界でもこういう状況になることもあるのかなとか、自分だったらこの生活耐えられるかな、とか考えたりできて、単純なアクションサスペンスではない面白さがありました。主演の演じ分け、設定の妙だけの作品じゃないので、おすすめです。
Netflixにて吹き替え版で視聴。
セブン・シスターズ [Blu-ray]
posted with amazlet at 19.03.06
Happinet (2018-03-02)
売り上げランキング: 11,668
売り上げランキング: 11,668
人気ブログランキング参加中。
この記事へのコメント