ハングリー・ラビット / ニコラス・ケイジ主演。妻が暴行を受け、怒りに震える彼へ持ちかけられた復讐代行。提案を受け入れ元の生活に戻りつつある中、今度は彼自身が代理殺人をするよう強要され……。

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ニコラス・ケイジ主演。ある組織に代理殺人を依頼してしまったことで今度は自分が犯罪に手を染めなければならなくなってしまった男を描くサスペンススリラー。
妻ローラが何者かに暴行を受け動揺を隠せないウィルの前に現れた謎の男。彼は「犯人を殺してやる」という提案をしてくる。悩んだ結果それを受け入れ、実際に犯人死亡で事件は終了。元の生活に戻りつつある中、今度はウィル自身が組織の指示で動くことを強要される。ただの高校教師だった彼がどんどん深みにハマっていくが、組織を調べていた記者の存在を知り……。
メガホンをとるのは『バンク・ジョブ』などのロジャー・ドナルドソン。ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアースら共演。
あらすじ
妻ローラ(ジャニュアリー・ジョーンズ)が何者かに襲われ負傷し激しく動揺していた高校教師ウィル(ニコラス・ケイジ)は、「奥さんを襲った相手を代わりに殺してやる」と持ちかけてきた見知らぬ男サイモン(ガイ・ピアース)の提案を受け入れてしまう。そして半年後、ウィルはサイモンに代理殺人をやるよう強引に要求される。それを拒否したウィルは、殺人の罪を着せられ追われる身となってしまい……。(シネマ・トゥデイより)


結構前の映画ですが祝・ニコラスケイジ再婚ということもありますし(?) 出演作多すぎてまだまだ全部追いきれてないのですが、かなりクオリティ高い部類ですのでご紹介。

こういう軽い気持ちで受け入れたら危ない目に遭うというパターンもある意味サスペンスの王道の一つでしょうが、特に「運命のボタン」が近いでしょうかね。あれも不気味さがいいスパイスになっていましたが、この映画でも「組織」だったり、「受け入れるなら癌病棟でチョコレートを2つ買え」とか全貌が見えないからこその怖さがあります。そもそも最初の時点では復讐代行のその代償として何をさせられるかってのはウィルは正確には知らされてないわけですからね。本能が危険信号出してても、それ以上に妻の苦しみを少しでも……って気持ちが勝っちゃう。これはほとんどの人がYES(提案受け入れ)と答えちゃうんじゃないかな。事件の直後だし、『犯人が死んでも何にもならない』とか考える余裕ないと思う。

事件のショックで奥さんがものすごく神経質になったり(当たり前ですよね)、銃を撃つようになったりしてどんどんアグレッシブになってくのも夫婦間で何か起きるんじゃないかってビクビクしますし、ウィルの方も自分の置かれた状況の焦りからか言動が乱暴になるのも緊迫感ありましたね。映画.comの特集ページで(公開当時)ニコラスケイジが珍しく[普通の人]って書かれてて笑いましたが、ほんとただの高校教師だったのに、暴走しないでくれよ〜って思いが強くなっていく。

中盤あたりからはまた少し変わって、探偵ものっぽい流れに。映画冒頭で事情聴取のシーンが流れるんですが、後から考えるとここに繋がっていた。組織を調べていた記者について追いかけ、なんとか反撃しようと試みるわけです。代理殺人の追い目があるし、いつまでお使いさせられたら溜まったもんじゃないですよね。現実として服役の危険があるわけだし。組織の本性が少しずつ見えてきて、同時に大きさもわかってくる。どこにメンバーが潜んでいるか分からない=誰が敵か味方か判断できないってのもハラハラさせられます。

バッドエンドも覚悟してたんですが、奥さんがずっと信じてくれてるのだけは救いでしたね。。隠し事してるからあらぬ疑いかけて逆に主人公をピンチにしたりっていうパターンも少なくないのでサクッと和解したのは良かった。まあ二人で協力できる分、敵も厄介でピンチは続くんですけど。最終的にはやっぱり知能というよりもドンパチになってしまうのですが、アクションもなかなか見応えありました。

ネタバレになってしまいますが、最後の最後にちょっと「ヒヤッと」させれられます。これでさらに記憶に強く残った感じがします。


数年前にWOWOWで吹き替え版を録画したのち、最近視聴。huluでも配信中。




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