デビュー作である1作目が大ヒットし、シリーズ化(10巻で完結)、さらには漫画化もされた青春スポーツ小説を実写化。出演は、志尊淳、早見あかり、佐野優斗ら。
バスケットボールの強豪校である白瑞高校に入学した主人公の陽一。友人がいじめられたことで庇うが、今度は彼自身がターゲットになり、退学。地元では「T校」と呼ばれる多田野高校に転入した彼はもうバスケから距離を置くつもりでいた。しかし弱小ながら奮闘するキャプテンらの姿に影響され、チーム入り。実力のある陽一のおかげで周りのやる気も増え、お互い影響しあってどんどん成長していく。ついに因縁の白瑞と対戦するまでになるが……。
仲間を<信じ>て、何よりも<楽しむ>というスポーツの良さを再確認させてくれる傑作青春ドラマ。
あらすじ
中学時代、バスケットボール部のキャプテンとして活躍した田所陽一(志尊淳)は強豪の白瑞高校に入学するが、部内でいじめに遭い退学する。通称T校と呼ばれる多田野高校に編入した彼は、成り行きで入部した弱小バスケ部で、次第にバスケへの熱意を取り戻す。やがて陽一らは、ウィンターカップで白瑞高校と対戦することになり......。(シネマ・トゥデイより)
一度はバスケ自体が嫌になってしまった主人公が仲間と過ごすうちにその情熱を取り戻し、彼のすごさだけでなく一人ひとりが成長して、弱小チームがどんどん強くなっていく、という王道オブ王道の物語なのでこれも万人が共感できる映画じゃないかなーと思います。ただお話の都合上元々入っていた強豪校をかなりステレオタイプな悪として描いてますので、「勝つためなら何をしてもいい」教師と「人を蹴落とすことも厭わない」生徒が登場、しかも反省するシーンとかもないので(多分)その要素だけはちょっとフィクションすぎたなぁと。そのおかげで終盤の直接対決が燃えるというのも事実ですし、試合直前に起きる一悶着とその解決の流れがザマアミロって気分になるのでしょうがないっちゃしょがうないで末kどね(笑)
映画自体はちょいちょい陽一のモノローグが挿入されるので、彼の物語なのは間違いないんですが、前述の通りそれぞれのメンバーにも適度にスポットが当たって「たった一人のスター選手の活躍もの」ではなかったのが好印象でしたね。なんと言ってもキャプテン(佐野優斗)がカッコ良くて、普通なら自分より上手いし後から来たやつに対して色々と思うところあると思うんですけどね、ちゃんと自分の役目も彼の役目も理解して動いてた。さすがリーダーって感じしました。「ビビリ克服」と称してボールで脅かそうとしてたやりとりを見かけた陽一がいじめを思い出して塊かけた時にもすぐ注意してた部分も良かった。中盤から終盤あたりで負傷しちゃうんですが、陽一や仲間がより奮起するきっかけになりますし、彼自身もまた復帰して活躍できてほんと嬉しかったです。この手の作品にありがちな、女子マネージャーに密かに惚れてるけど、彼女はだんだん主人公を好きになって……、というベタな恋愛要素が出てくるんですが、男前な行動のおかげで本筋を全く邪魔してないのも天晴。
他にもモテ男くんがバスケに集中しだしたり、陸上部との掛け持ちだった奴が……とか個性的な仲間で見てて飽きなかったですし、合宿のシーンとか、いかにも男子高校生って感じで懐かしくなりました。
脇役で言うとモーガンさんのキャラもすごく良くて、英会話塾で彼に誘われてボールに触れなかったら果たして再開してたかどうか。やっぱり陽一の根底にはバスケの思いが残ってるといたという証拠なんでしょうけど、ほんと楽しそうにプレイするんですよね。それで心を決められた。白瑞との直接対決にも現れてくれて、「トラスト」って言葉をかけてくれる。団体競技はまずは仲間を信じることが大事ですよね。いじめというトラウマを抱えた彼が、全力で信じられる仲間に出会って、さらに一歩踏み出せた。バスケだけじゃなくて彼の人生そのものにおいても象徴的な言葉で、ほんとグッと来ました。普通のおじさんに見えて実は……というキャラは別の登場人物が担当したので(笑)、モーガンさんは別のパターンでしたね。
モノローグって書きましたが、亡くなった母親に対して「だからもう大丈夫だよ」って報告してるという側面も持っていて、したがって今なお生きて彼を応援してる父親(椎名桔平)目線で見ても、ジーンとくる話だったなぁと。中学でも凄かったみたいだし、多分バスケが全てだったと思うんですよ、それがとてつもなく下らなくて最低なことでダメになって、辛いだろうなって。発覚してからすぐに学校へ行って守ろうとしてくれたり、埒が明かないとわかると転校勧めてくれるとかほんと理解ある人でよかった。あまり子への思いを出さない人だったのか、陽一は母親と比べて「応援してくれてない」と勘違いしちゃってたみたいですけどね。だからバスケやり始めたことを言えずにいたわけですが、それがばれたときの父の反応もグッと来て。最高の親じゃないか、ってしみじみ思いましたし、きっと嬉しかったと思う。試合のシーンで応援席で思わず立ち上がっちゃたところとか、こっちに感情移入しちゃいましたよ。
ものすごくストレートで感動するスポーツ青春なので、すでに書きましたが、先日の「チア男子」同様に万人にすすめられる作品です。元日本代表の半田圭史さんの特訓によって出演陣も精一杯バスケ頑張ってますので、そこも見所。
ちょいやくとは言え竹内涼真、千葉雄大が出てたのも驚きました。
Netflixにて視聴。
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