今夜、ロマンス劇場で / 坂口健太郎&綾瀬はるか主演。映画が大好きな助監督。古い作品を繰り返しみていたが、ある日憧れの女優がスクリーンから飛び出してきて……。ファンタジーな純愛ストーリー

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信長協奏曲などの宇山佳佑が脚本を手がけ、のだめシリーズ他の武内英樹がメガホンを取った、ファンタジーラブストーリー。主演は綾瀬はるかと坂口健太郎。
助監督として撮影所で働く青年ケンジの楽しみは、映画館で古い作品を見ること。誰も見ることがないモノクロ作品だが、その面白さと、主演女優の美しさに魅せられいつも楽しんでいた。そんなある日、その映画の中から主演女優が現実世界に飛び出してくる。「シモベ」と呼ばれ振り回されつつ、二人の絆が深まっていくのだが……。
王道テーマに少しのアレンジを加え、最後は涙なしには見れない傑作純愛物語。
あらすじ
映画監督志望の健司(坂口健太郎)は、映画館「ロマンス劇場」に通い詰めていた。彼はそこで一人の女性と出会うが、彼女こそ健司がずっと恋い焦がれてきたスクリーンの中のお姫さま・美雪(綾瀬はるか)だった。美雪はモノクロの世界から抜け出して、色にあふれた現実の世界を満喫するが……。(シネマトゥデイより)


あらすじを聞いた時点では、映画の中から出てくるとまあ過去にもいくつかあった設定なのでなんとなくお話も予想しやすく、ドタバタしつつも最後の別れに切なく涙する感じのストーリーかなーなんて、正直な話少し"たかをくくっていた"部分もあったのですが、先に言ってしまうとこれまためちゃくちゃ泣かされました。それも悲しみじゃない。めっちゃいい話。ハッピーエンドです!!!(ネタバレすみません。)

面白いのがモノクロ映画から出てきたからヒロインも色がないっていう設定。怪しまれないようにお化粧を施すというやりとりの後、映画の中では完全にほぼ普通の人間と変わらない見た目になるのですが、それ以上に「色を知らない」という部分がかなりストーリーにいい影響を与えてて「一緒になって1つ1つ思い出を作っていく」というラブコメの王道要素が、いろんな意味で「ヒロインの世界が色づいていく」ことにもなってて、とっても良かった。あとは色をお題にした連想ゲーム。これも終盤まで泣かせる伏線ですし、何より最後の最後での色の使い方がね。シンプルに感動した一方で、上手い演出だなぁって感心しちゃいました。

もう1つあまりない設定があって、これは劇中で明らかになるのでネタバレはしませんがこれもなるほどっていう使われ方してます。序盤の「薄情な孫」にまで関わってくるのもすごかった。これ、僕の大好きな大岡越前こと加藤剛さんが出演されていて、彼が病床で書いてる脚本=坂口健太郎&綾瀬はるかの物語という事になってます。が、担当看護師も指摘してる通り、おじいちゃん本人の過去がモデル、いやむしろ現実のお話なんですよね。だからそこまで年老いるに当たってどのような出来事があったのか、早く続きを聞かせてくれーって気持ちでいっぱいになります。
ま、変に焦らさずに、節目節目に数回現実世界に戻る程度なのでそこも変なストレスにならなくて良かったですけどね。

恋愛映画にありがちな、ライバルの存在ももちろん登場、本田翼が、売れっ子俳優として北村一輝が出てきますが、基本的に二人の邪魔をするのでもなく、むしろ背中を押してくれるような役割でした。あとは映画スタッフ仲間の中尾明慶。変に対抗意識燃やして意地悪したりとか、出し抜いたりみたいなこともなくいい味だしてくれてましたね。

やはり美雪が現実にやってきてからの、より印象的な部分が回想という形で描かれるために坂口健太郎の姿そのままの時期が一番多いのですが、それ以外でどんな日々だったのか、それが「写真」という形で補完されるところもグッとくるんですよね。想像の余地を残してるというか、きっと、こういうことがあったんだろうな、っていう風に。終盤になって「やっぱりそうか」ってわかった時に、畳み掛けるようにその思いがきて、ジーンときちゃいました。

不思議なことが起こってるけど、それに変な理屈をつけるわけでもなく、その中で思いが通じ合う二人のお話をストレートに描いてくれてるからこそ、より感動しますし、頭使わずにただただ不器用な恋を応援できるのが良かったです。それを「映画の脚本」という設定のもと回想として流して、結末を予想させつつ最後にハッピーエンドに持ってくる。細かい事を気にしようとすれば色々ツッコミを入れられそうではあるのですが、そんなの気に入らないくらいにボロッボロに泣かされて、特に好きな作品の1つになりました。

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