アメコミヒーロードラマ「フラッシュ」主演でお馴染み、グラント・ガスティン主演の、実話をもとにしたNetflix映画。警察救助犬部隊に入ることを夢見る青年が1匹の保護犬と出会い、ともに訓練を重ねて遂に目標を達成。しかし絆が深まったはずが、相棒を信じ切ることができず……。
州警察に所属するダニエルは多動症と失読症を抱えながらも精一杯職務にあたり、同僚たちともいい関係だった。ただ夢である「K-9」という犬とバディを組む部隊への訓練学校さえなかなか許可してもらえず、いよいよラストチャンスに。犬さえ手配できなかった彼は保護施設で1匹の犬と出会う。そのルビーもまたあまりにもやんちゃすぎて里親から返却されることを繰り返す問題児だったのだが、両者の相性はぴったりで……。
夢に向かってひたむきに頑張る人間の素晴らしさと、支える仲間たちの優しさ、そして人と犬との絆に泣ける傑作映画。
あらすじ
州警察で働くダニエル・オニール(グラント・ガスティン)は、捜索救助警察犬部隊への入隊を希望していた。賢くてやんちゃな保護犬のルビーと出会ったダニエルは、ルビーと共に過酷な試練を乗り越えながら強い絆を育んでいく。(シネマ・トゥディより)
冒頭で触れたとおり、僕の好きなフラッシュを演じている俳優さんが主演、さらには犬をテーマにした作品なので(しかも実話!)これはもう見るしかないぞと配信されて速攻視聴しました。その期待を裏切らない、とっても温かい気持ちになる映画でどんな人にも安心してすすめられます。
劇中では後半にならないと具体的には説明されませんが、遅刻しがち、貧乏ゆすり。さらには靴の脱ぎ方やハンドスピーナーなどで「生きづらささを抱えているのかな?」って匂わせる描写が最初からあります。熱意は誰よりもあるのに、そのせいでなかなか夢を実現できないダニエル。そこが辛いんですよね。人を守り助ける仕事だからなおさら生半可な技術、不安要素があっては合格させられないってのも理解できるんですが、8回も落ちるのはきついよな、と。でも逆にいうとそれでも諦めない姿勢や、努力しつづけることが彼の何よりの魅力なんですよね。同僚も、その教官も十二分に理解していて、できることなら受かられせてやりたいって思ってる。この周りがとても優しいっていうのがとても良かったんですよね。意地悪とか、馬鹿にされるってのが無かった。だって本人のせいじゃないものね。
そんなダンと運命の出会いをする保護犬ルビーもかなりのやんちゃ放題で、見てるとこっちまで気持ち良くなってきます。全然いうことを聞かないし、遊んで遊んでってずっと構ってくる。悪意がないし、人間のことを好きなんだけど、「ペットとして飼う」ってイメージで触れ合おうとするとどうしても問題児になっちゃう。あんまり深掘りされなかったけど、保護施設に勤めるパットは毎回どうしても引き取れない動物を最終的に自分が育てているのかも。だからもう限界でルビーを飼う余裕がなかった。ダンと出会ったことが、ルビーにとっても奇跡だった。
相性がピッタリだからなんでもいうことを聞く、わけではなくて。やっぱりめちゃくちゃ振り回されるんだけどそこはダンの根気と奥さんの理解によって段々とルールを覚え、躾けられていく。どんなことも本気で向き合って努力し続ければ通じるんですよね。実際の映像としてはトントン拍子だけど、かなり長い時間かけて教え込んでいた。特に「訓練校の入学試験がダメだった」からの特訓はどっちも相当努力したと思う。こういうのも受かっちゃうだろうと予想してたんだけどね、そこが普通の映画と違うところ。
日本の自動車の免許と一緒で、教習所なしで自分で努力して同じことをできるようにして、最終試験だけ通ればいい、って最後のチャンスに賭けることにするんです。
その状態になっても同期の訓練生たちがダンの周りに集まって、一緒にサポートしてくれたことも泣ける。「お前には無理だよ」とかも一切ないからね、ほんと優しい世界がずーっと続いてて幸せ。ちょいちょいアドバイスしてくれるおじいさんのキャラも光ってます。只者じゃないと思ってたけど、この人の正体は最終盤で明らかに。
じゃあ映画のお約束(?)、最後のハッピーエンドの前の一旦下がるのはなんなのかと不安になってたら、『ダンがルビーのことを信じられない』ことからの、脱走。せっかく絆が出てきたのに、溝ができてしまいます。でもあれはダンじゃなくても無理だったと思う。ルビーが優秀すぎて、誰も予想してないところから見つけちゃったから。そこから必死になって探すシーンは見てて辛かったけど、近所の人や身重の奥さんまで張り紙持って探してて、ルビーがいかに大切か、そしてダンを支える仲間がいるのか再確認できて感動もしました。
そして、満を辞しての人と犬とのコンビによって、人命救助というミッション。こういう流れになるのはなんとなく予想できてましたが、無事に発見し、救うことができた時は思わず拍手喝采してしまいました。ほんとよくがんったし、戻ってきてくれて良かった。しかも救った子供が、っていう意外なつながりがあったしね。泣ける。
これも予想できますが、例によってエンディングは「実在の」ダンやルビーについての写真や情報の紹介。そこもジーンときちゃいます。本人たちの努力と、周りの人たちのサポート。叶わない夢はないんだって実感させてくれる素晴らしい作品でした。
Netflixにて吹き替え版で視聴。
原題のRescued by Rubyは、ルビーによってダンもまた救われたっていう意味もかかってそうな気がします。出会えて良かった。
19:00
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