フランス特殊部隊RAID / 熱意だけは人一倍。実力はあまり……どころか空回りしてみんなウンザリの女性警官が、親のコネで念願の特殊部隊員に。そこで巻き起こるドタバタを描く、痛快アクションコメディ。

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女性警察官ジョアンナはずっと国の特殊部隊RAIDへの入隊試験を受けていたが、毎回不合格。それもそのはず、熱意だけはあるのだが、やることなすことが裏目に出て、いつも周囲の人間が振り回されてきたのだった。恋人との結婚も見えてきて、諦めて欲しいと思った彼女の父は、内務大臣という自分の立場を利用して無理やり合格させ、現実に直面した彼女が諦めることを期待。そんなことを知らないジョアンナは大喜びで訓練に参加し……。フランス産ドタバタコメディ。
アリス・ポル、ダニー・ブーン、ミシェル・ブランら共演。
あらすじ
内務大臣ジャックのひとり娘ジョアナは女性警官だが、大企業の跡継ぎである婚約者エドワードがいながら警察の特殊部隊“RAID(レイド)”に入隊するのが夢。入隊試験に落ちたジョアナがあきらめないので心配したジャックとエドワードは、厳しい訓練を受ければ現実を知って彼女が断念すると考え、ジャックは“RAID”に圧力をかけ、試験に合格させる。だが合格者を絞る選抜訓練で、ジョアナは周囲の予想に反して活躍し……。(WOWOW番組詳細より)


WOWOWの番組案内でこそ、ちゃんと「コメディ」と表記されておりますが、ジャケットの感じやAmazonの商品ページを見るに、ちょっと詐欺ってるというかお堅いアクション映画を連想させる作りになってます。上記予告動画は本国向けなのでちゃんとドタバタだってわかるような映像ですけどね。

ストーリー展開的にはジョアンナひとりが現実をよくわかっていないまま、周りがどんどん振り回されるというベタなノリのオンパレード。その流れのまま、フランスだけでなく世界を危機に陥れるテロ組織「レオパード」との戦いが繰り広げられるのですが、彼女の何気ないミスでかなりのピンチが起きたり、正直笑ってすまされないレベルのドジもやらかしてます。
その分物語後半にかけては持ち前の勇敢さ、行動力がいい方に転び、大活躍。まあ失敗はしまくりますが、訓練シーンなど、彼女なりに努力してるのはまぎれもない事実なので、結果に繋がらないだけだなぁって暖かい目で見守れるようになっていきます。
4種類に分類したなかで一番厄介だと言われる「行動力のある無能」って奴を地で行くキャラなのは一貫してますけど。実父と婚約者が顔を見合わせて「やれやれ……」っていうシーンほんとニヤニヤします。他人事だから余計に。

RAIDの中では初めから反対していた疫病神ことフロワサーが直属の上司となってジョアンナを担当。最初から「女なんて」というキャラなので疎ましく思ってるのですが、ガッツだけはある彼女の姿にだんだん心を開き、またプライベートで傷心していたはずの彼がよく笑うようになって行くのもいいです。あれ、そうなるともしかしてこれは?と予感させるんですが、となると婚約者エドワードは……?

もちろんアクション作品ですのでそういったシーンも多々あります。彼女を除いた、隊員たちの統制の取れた戦いっぷり、人質立てこもり事件での攻防もありますし、ジョアンナ本人を初め、肉弾戦の鬼気迫るバトルも見応えあります。やるときはやる。それで上手くいって
調子に乗っちゃうからこれまた笑えるんですけど。

ギャグは基本的にベタなもの多く、絶対こうなるよなぁっていうのを確実にやってくれる面白さです。前述の通り全てが裏目に出てどんどん悪化し、本人だけはケロっとしてる。実際こんなことやってたら秒速でクビだし、散々な目にあった大統領のことを思うと、よく命があるなぁってレベルです。そういうのを笑って見れる人なら特にハマると思います。逆にイライラしちゃう人にはお勧めできません(笑)

硬派なタイトルとは裏腹に、バカバカしくて笑えるフランス産コメディでした。2017年、フランスで自国製作映画ナンバー1に輝いたのも納得のクオリティ。

WOWOWにて字幕版を録画、視聴。

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動画はこちら。有料だけどAmazonには吹き替えもあるんですね。
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