素敵なウソの恋まじない / ダスティン・ホフマン、ジュディ・デンチ主演で送るハートウォーミングなラブストーリー。階下に住む女性に恋をしたシャイな男性。彼女の悩みを叶えるため、とんでもないインチキを決心するが……。: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2018年06月28日 20:00

素敵なウソの恋まじない / ダスティン・ホフマン、ジュディ・デンチ主演で送るハートウォーミングなラブストーリー。階下に住む女性に恋をしたシャイな男性。彼女の悩みを叶えるため、とんでもないインチキを決心するが……。

チャーリーとチョコレート工場やビックフレンドリージャイアントなどのロアルドダールの児童向け小説を、ダスティン・ホフマン、ジュディデンチという豪華W主演で実写化。脚本はラブ・アクチュアリーやブリジットジョーンズの日記で知られるリチャード・カーティス。
とあるマンション。ベランダで小さいけど美しい植物園を作る心優しい老人のホッパーさんは、階下に越してきた同年代の女性シルバーに恋をする。しかしシャイなため、エレベーターで鉢合わせしたり、ベランダ越しに会話する程度でそれ以上の親密になれずにいた。彼女がペットの亀を心配する姿を見て、妙案を思いつく。それは、亀をたくさん用意してバレないように少しずつ大きくて重たいものと入れ替えていくという作戦だった。
おじいちゃんの淡い恋心と、小さなウソ。果たして彼女に想いは届くのか。

あらすじ
ロンドン市内を一望できるマンションに住んでいるホッピーさんは、階下に住む未亡人のシルバーさんに恋をしていました。
でも、内気で恥かしがりやなので、なかなか打ち明けられません。ある日、大切に飼っているカメのアルフィーが大きくならないと相談を受けたホッピーさんは、カメが育つおまじないを教えます。口からでた出たデタラメなおまじないを信じて毎日アルフィーに話しかるシルバーさん。ホッピーさんは、彼女の願いを何とか叶えてあげたくて、街中のペットショップから100匹以上のカメを集め、彼女に内緒で毎日少しずつ大きなカメにすり替えていきますが・・・。(Amazon商品ページより)

見終わってから調べてびっくり。脚本リチャードカーティスだったとは。それは気にいるわけだよ。この人の作品はほとんど見てますが、どれも大好き。一番最近だと「アバウト・タイム」ですかね。有名なのは。時間を飛び越える能力を持った男の物語。かなり泣けますし、オススメです。
その情報がなかったとしても、ダスティンホフマンとジュディリンチという二大スターの共演の時点で期待値は相当高かったです。二人ともこの劇中でのようなおじいちゃん、おばあちゃんが似合うお歳になりましたが、改めてその演技の素晴らしさを実感しました。期待を裏切らなかった。

上記あらすじの通り、ホッピーさんの恋路を見守るというのがメインのお話で、舞台といえば二人が住んでいるマンションと、亀を用意するためのペットショップのシーンがメイン。とても面白い演出なのですが、この映画の語り部という形で謎の中年男性が登場して、画面のこちら側に向かって色々と説明してくれます。その彼はいつもどこかに向かってるので、ちょいちょい町の様子も流れます。一緒にバスに乗った人たちが「それでホッピーさんはどうなったの？」と彼に聞いたりするのとか面白かったです。ちなみに彼の正体は映画の終盤あたりで判明。ニヤッとします。

登場人物もメイン二人にその語り部、さらには娘さん。あとは二人の中を進展させたりあるいは引き裂いたりする同じマンションの住人プリングルスさんと、マンションに住む親子。あと色々とやばそうなペットショップ店員くらいでほんとお金かかってなさそうなのですが、それでも一つの映画として世界が完成させらてました。実際「とあるマンションを舞台にした、派手さもないだけど心が温まる小さな恋の物語」でしたし、この世界観がドンピシャだったと思います。

字幕で視聴したのですが、おまじないのシーンはちゃんと「レトフヨンサメカ(太れ　亀さんよ)」のように日本語でも逆さまに言ってる風になってて笑いました。一生懸命に呪文を唱えるシルバーさんと、彼女にバレないように日々亀を入れ替えるホッピーさん。途中アクシデントに見舞われてひやりとしたり、スパイアクション要素もあったりして面白かった。亀を入れ替える装置もかなり本格的でびっくりなのですが、おそらく彼の釣り好きが活かされているんでしょう。釣りと言えば劇中でどん出費に見舞われ、今まで貯めてきたであろうお金、その缶に書かれた名目が「釣り旅行」「新しい釣竿」「餌台」とどんどんスケールダウンしていくのが可哀想でした。

ラブコメとしての起伏も王道の一言で、特に中盤、意を決して食事に誘ったらイヤホンしてて聴こえてないってくだりは「あるある」でニヤッとしますし、そこからプリングルスさんとの親交が始まるのも自然でよかった。少し触れましたが彼はメイン二人の関係性にかなり関わってて、確かに一緒に食事したりはご遠慮ねがいたいタイプなのですが、結果的に見ればナイスアシスト！な部分も多いかもです。

やはり気になるのは最後にどうなるか、でしょうが、これだけのキャスト、そして最初に触れた通りリチャードカーティス監督ですからね。ハッピーエンドじゃ無い方がおかしい。個人的はウソがバレないままってのはモヤモヤしそうで怖かったのですが、そこもちゃんとやります。序盤の方でシルバーさんが騙されやすいことを示すエピソードがあるんですが、それを意識したラスト付近のやり取りはとても幸せな気持ちになりました。

どんな人にもおすすめできる、傑作ヒューマンドラマ。劇中歌の「It's Been A Long, Long Time」も心地い。

Huluにて視聴。