元CIAエージェントの作家、ジェイソン・マシューズによる小説をジェニファーローレンス主演で実写化。バレリーナとしての夢を立たれ、叔父の勧めでロシアのスパイとして訓練を受けることになったドミニカ。相手の「欲望」をいかに利用するか、などあらゆる手段で情報を得る「スパロー」として生まれ変わった彼女は、次々に任務を遂行。そして新たなミッションとしてCIAに近くことになるが……。
ジョエル・エガートン、シャーロット・ランブリング、ジェレミー・アイアンズら共演。
あらすじ
事故によってバレリーナの道を諦めたドミニカ(ジェニファー・ローレンス)。母親をめぐるやむを得ない事情から、彼女はロシア政府直属の諜報(ちょうほう)機関の一員になる。美貌を生かした誘惑や心理操作で情報を入手する「スパロー」と呼ばれるスパイとして育成された彼女は、瞬く間に才能を発揮する。そして新たなミッションとして、ロシアの機密事項を探るCIA捜査官ナッシュ(ジョエル・エドガートン)への接近を命じられるが……。(シネマ・トゥデイより)
R15指定ですし、上記あらすじの美貌を生かしたっていう点から「女性としての武器も使う」というようなイメージがあったのですが、あくまで任務遂行のために相手を籠絡するための一手段で、それ以上にわれわれ観客自身も何が真実か予想がしづらい「心理戦」がとても見応えがあってかなり面白かったです。
一応ジェニファーの体当たり演技というか、ヌードシーンもあるにはあるんですけどね、どちらかというと拷問シーンの方がR指定というかかなりいたそうで見てられなかった。想像するだけでもキツイです。「カカトの角質落としローラー」的な商品だけでも連想してビビるレベルでした。
レッド、というタイトルが示す通り(?)ロシアのスパイなので、もう徹底的で、スパイだろうと何だろうと切り捨てる時は一瞬だし、そもそも国のためになんでもやる駒の育成っていう感じで訓練シーンの時点でビビります。少し触れた「色仕掛け」なんていう言葉ですますようなものじゃなくて、劇中の言葉を借りると「欲望」にとり入るってことを仕込まれる。どんな要求だろうと叶えて抜け出せなくする。それが例えば女性関係なのかとか、支配欲なのか、とか。そのために「個」を殺すというか、「心」を殺すというか。スパローとして活躍するようになる代わりに、人間性を失ってしまうのでは、というのがとても心配になりました。
だからメインとなるCIA捜査官との関係性も、どこまでが彼女の本心なのか全然見えなくて、ほんとハラハラしてましたね。いわゆるダブルスパイ的な緊張感がありますし、どこに彼女の最終的な目標があるにせよ、それをロシア、あるいはアメリカが許してくれるのかとか、彼女の心の拠り所の一つ、母親との暮らしだとか。
物語が終盤に近くにつれて、別の潜入スパイの問題が出てきて。その正体だとか、彼女がそれをどう処理するかとか、そこも見応えありましたし、最後まで目が離せないというのはこのこと。ただ一つ言えるのは、主人公は間違いなく凄腕のスパローでしたね。素質ありすぎ。それが幸せなのか不幸せなのか……。ジェニーファーローレンスの「どこか冷めた」演技が本当に光っていました。
Blu-rayレンタルしたのですが、映像特典で解説や撮影秘話、衣装や美術関連のものがありました。スパロー養成施設は実際にあったらしく。またアメリカでも一度は作られたがうまく育成できなかったという話など、面白かったです。「現代の冷戦」っていう言葉が印象的でした。
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