時計職人のゼペットは無くした息子そっくりの木彫り人形ピノキオを作ったが、夜空の星に願ったことで彼に命が吹き込まれて一人でに動き出し喋るように。生まれたての彼の両親としてコオロギのジミニーがお目付役に抜擢され、しばらくは親子仲良く暮らしていく。しかし彼が学校に通うために外に出るとトラブルの連続。返ってこない息子を探しにゼペットらも奔走するのだが……。
日本語吹き替えで川原瑛都、山本耕史が参加。
あらすじ
孤独に暮らすゼペット(トム・ハンクス)は、自分の作った木彫りの人形ピノキオに命が宿るようにと星に向かって願っていた。ある夜、妖精のブルー・フェアリー(シンシア・エリヴォ)がピノキオに命を吹き込む。ゼペットに愛され、本物の子供になりたいと願うようになったピノキオは、さまざまな仲間と出会い、冒険へと旅立つ。(シネマ・トゥデイより)
例えばワンピースのウソップというオマージュキャラがいるように、「嘘をついたら鼻が伸びる」という要素とともにピノキオはかなり有名な童話の一つですよね。この映画のかなり前に制作されたディズニーのアニメ映画を含めて当然僕も何度も見てきたはずなんですが、正直細かい部分は忘れてしまっていて。新鮮な気持ちで見ることができました。どこが実写オリジナルか完璧には答えられる自信がないです。
配信映画といえどもやっぱりCG技術の高さは期待以上のクオリティで、あくまで「造られた人形」っていうピノキオの挙動、素材感がすごくリアルでした。それと同時に目だけはゲームさながらにすごく滑らかに動くので表情一つ一つがわかりやすいし、本当に生きてるって感じがします。コオロギのジムニーや猫のフィガロなどの動きはCG映画だなぁって印象を持ちますが、実写シーンとの融合に関してはほんと違和感なく見られます。ジムニーは普段帽子かぶってるからいいけど触覚が見えると若干キモい……。
序盤の方で学校にいられないなら……と悪の道に誘い込むキツネと猫のコンビも悪役ながらどこか間抜けで可愛らしくて。特に猫ちゃんはしゃべれないんだけど後ろで相槌打ったりしてるだけでたまらなかったです。他にもカモメ(小さい頃ディズニー映画でよく聴いた土井美加さんが吹き替え担当)やペットの金魚、それからホラーシーンですがロバなど動物はちょいちょい出てきます。
そう、そのロバのシーンはこれ子供大丈夫かなって感じで実写で見ると怖さが倍増しますね。中盤あたりからプレジャーアイランドという闇の深そうな場所への旅に巻き込まれてしまい、ピノキオは試されることに。これジミニーがいなくても色んな誘惑に無意識で打ち勝ってて偉かったです。犯罪行為や飲み食いし放題など、ストレス解消にたまにははめを外したくなる感覚もわからなくもないんですけど、その代償が大きすぎる。ただこのあたりのシーンは船に乗って移動したりと遊園地のアトラクションぽさがあって見てる分には楽しそうでしたね。煌びやかで。「美女と野獣」のルーク・エヴァンスが悪役で出てたのも笑った。
順番が前後しますが、そこに行く前のストロンボリ一座のシーンはミュージカル要素があって楽しかったですね。ピノキオと、操り人形とのコラボ。高速で動いて足に火がつくのすごかったし、後半それが意外な活躍をしたりします。ここで出てくる女の子がどうやら実写オリジナルキャラのようです。とってもいい子だから幸せになる未来が劇中できちんと描かれてて良かった。ピノキオは最後まで人形のサビーナも自分のように独立した意思があると勘違いしてたのかな??
最後は僕も強く記憶に残ってた鯨のシーン。先日紹介した「ジェイコブと海の怪物」ではないですが単純な鯨じゃなくてモンスターに変更されてましたが、ゼペットたちと合流できたものの飲まれてしまって、という流れは同じ。歯にびっしりフジツボが付いててその無駄なリアルさがきつかった。このシーンも結構ハラハラさせられて見応えありましたが最終的に逃げ出す時の快活策が想像を超えてきてマジで必見です。モーターみたいな音してるけど……!?って面白かった。
これが解決したらあともう一つくらいあるのかなと思ってたところで物語がしめに入り出してちょっと困惑しましたが、確かに学校初日の1日の中でかなり中身の濃い冒険を繰り広げたのたのは間違いありません。ロバになってしまった子供たち関連が一切触れられないまま終わるのはすごく不気味だったし、それがある意味教訓となってるといいますか「やっぱり良心は大切」ってことかな、と。
その後どうなるかはわかりませんが、劇中ラストの時点では「別に人間の姿になって欲しいわけじゃない、十分本当の息子だよ」って流れに持って行くのはいい感じのアップデートかな、と。ブルーフェアリーが黒人だとか(Amazonのシンデレラで慣れてる)色々言われそうなポイントはあると思いますが、そこまで違和感なく楽しめました。
僕は結果的にピノキオの中身を明確に覚えてなかったので「こういう感じのストーリーだったよな」と思い出しながら楽しめましたが、アニメ映画が好きだったり記憶が新鮮な人にとっては違いがわかったり違和感を覚えたりするかもしれません。ただ失った息子の代わりを求めた夢が叶い、ピノキオもまたそのいい息子になろうと考えながら成長していく物語の根幹はそのままですので会員の方はぜひ。自分のためじゃなくて「お父さんが喜ぶかな」で動いてるのが泣けるんですよね。
ちなみに嘘で鼻が伸びる設定はほとんど出ませんでした。
字幕を出しながらの吹き替え視聴でしたが、スターになれるぞといそそのかされるシーンの芸名候補、「クリス・パイン」「マッツ・デイモン」という違いがあって笑いました。pine=パイン=松 「パイン材」って言葉日本語でも使いすよね。イタリア語で松がpinoだからピノキオ。
ディズニー+にて試聴。
9/8より配信中。
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