共演者は、テレンス・ハワード、ポール・ダノ他。
あらすじ
家族と過ごす感謝祭の日、平穏な田舎町で幼い少女が失踪(しっそう)する。手掛かりは微々たるもので、警察(ジェイク・ギレンホール)らの捜査は難航。父親(ヒュー・ジャックマン)は、証拠不十分で釈放された容疑者(ポール・ダノ)の証言に犯人であると確信し、自らがわが子を救出するためにある策を考えつくが……。(シネマトゥデイより)
予告を見ると主人公はヒュー・ジャックマンという印象を受けますが、ジェイクギレンホール扮する刑事が少しずつ事件の真相に近づいていく様もかなり見応えがあり、ダブル主人公という感じ。「考えさせられる」っていう意味でのインパクトはやはり父親目線なんですけどね。
冒頭で触れた通り容疑者を監禁し、居場所を吐くまであの手この手で精神的肉体的に追い詰めていくのは、もちろん悪いことだってわかっていてもめちゃくちゃ理解できますし、失踪したもう一人の子供の両親の反応を描くことで、彼らにシンクロして「自分だったらどうする?」って考えるんですよね。強硬手段に出るのか、それを黙認するか、それとも止めるか。子供を取り戻すためなら、倫理観とかどうでも良くなっていく。
容疑者が父親だけに言った言葉のせいで、本当に無実なのか、隠し続けてるだけなのかわからないのも余計にハラハラするんです。この手の作品ではだいたい警察は役に立たないのですが、前述の通り刑事はかなり一生懸命やってくれてるので娘可愛さで人間性を失った結果起きる悲劇みたいなパターンもありえそうで怖いっていう。
上司が非協力的なのが厄介で、彼は色々と踏み込んでるのになかなか核心に到達できない苛立ちがこっちまで伝わってきます。特にこれ2時間半という長丁場なので(そういう見方は良くないのですが)「ラストまであと〇〇分だからそろそろ進展あるかな」みたいな逆算ができない。実際かなりラストにならないと「そういうことだったのか」ってわかりません。そのそしてラストシーンまで緊迫感がずっと続きます。
父親が暴走するおかげで、警察にも後ろめたい状態となり、それを怪しむ刑事という構図になるのもベタながら「バレないか」というドキドキにつながり、その一方で協力すればより早く解決できるのでは?という勿体無さも感じます。実際「俺なんか見張ってないで捜査をしろ」ってキレますしね。当初から危なかしっさは感じるので、刑事さんの行動も正解だと思う。自制心があるから良かったもものの、怒りに任せて容疑者を殺害→唯一の手がかりを失うっていうパターンもありえますし。
知能が低いという設定の容疑者ポールダノの演技もすごかった(見てるこっちまでどんどんイライラしてくる)ですが、中盤あたりで出てくるキーパーソン・ボブ役のデヴィッド・ダストマルチャンも見た目ぴったりの配役でとても不気味でした。ちなみに「バードボックス」でも似たような雰囲気でしたね。
不気味といえば迷路だったり蛇だったりとにかく出てくる要素が不穏なオーラで、焦燥感を余計に煽ってました。どういう状態かわからないものの、発見が遅れれば遅れるほど子供達の生存率が下がっていくでしょうし。明らかに「セブン」とかと同じジャンルの作品なので、子供が犠牲になるわけないという能天気な予測はできなかったですしね。
そうそう、ラストシーンの解釈について他の人の意見を見たくてざっと感想サイトを見たのですが、これもまたキリスト教や宗教観とかなり繋がりが強い作品なんですね。解説を読むとなるほどって思います。最初に干支云々とか出てくるのも、刑事さんが他の宗教だからとか言われると色々腑に落ちます。名前も北欧神話で出てくるロキだし。
僕のようにのめり込みすぎ長さも合間ってどっと疲れちゃうと思うので、そういったテーマを意識しながら視聴というのもおすすめです。
Netflixにて吹き替え版を視聴。(かなり前にスカパー!でも録画済みですが)
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