前回でピーターとバトルを繰り広げたマグレガーはビアと結婚。一応仲直りしたかに見えてたが、彼はまだうさぎたちに心を許していると言えなかった。ビアの絵本が評価され、都会への旅に同行したピーターだったが、そこでバーナバスという大人のうさぎに出会う。彼は盗みなど都会の中で生き抜く知恵を持っており、亡き父を知っているということもあって共に悪の道に。いたずらで鍛えたピーターも才能を発揮。他の動物たちも巻きこんで、食糧を奪う大作戦を決行するのだが……。
ドーナル・グリーソンとローズ・バーン、声の出演にジェームズ・コーデンやマーゴットロビー、エリザベス・デビッキらが続投のほか、バーナバスの日本語吹き替えとして哀川翔が参加。
あらすじ
うさぎのピーターは、心優しいビア(ローズ・バーン)と結婚したマグレガー(ドーナル・グリーソン)にしかられてばかりいる毎日にウンザリしていた。彼はついに故郷の湖水地方を飛び出し、誰一人知り合いがいない都会に流れ着く。ある日ピーターは、他界した父の親友だと名乗るバーナバスと出会い、都会で生き抜くための盗みのテクニックを教えてもらう。(シネマ・トゥデイより)
可愛い顔してめちゃくちゃやりたい放題、イタズラが過ぎるというところ、そしてなんと言ってもマグレガーとのバトルという、見た目の可愛さとのギャップでやられてめちゃくちゃ楽しかったのですが、今回もそれらがパワーアップ。新キャラの登場によってさらにピーターが暴走していきます。
上記あらすじの通り人間二人が結婚したことで、これまで以上にマグレガーと一緒にいることが多くなったピーターですが、あの時の経験もあって全幅の信頼をもらってはいない様子。野菜は自由に食べていい、だけどトマトだけは別というルールをもうけて【停戦協定】状態。いがみあってないとストーリーが展開しないから仕方ないとはいえ、いつも怒られてる姿は見てて辛いんですよね。ピーターも悪者じゃないので決めた以上はじっと守ってるのに、他の動物のせいで悪い印象を持たれてしまう。この勘違いされて、ってのフィクションとはいえほんと嫌です。
そこまでガッツリ擬人化してるわけじゃないんですが、ある意味でうさぎたちは「ビアの連れ子」というイメージを持たせることもできて。だからマグレガーも、ピーターもどう接していいか掴みかねている部分がある。特にピーターは父親を亡くしてて(原作通りとはいえ「パイ」にされたってなかなかエグい) 余計に認められないってのがあるです。そこに加えて、絵本のマーケティングで「悪うさぎ」なんて書かれてしまったらヤケを起こしたくなる気持ちもわかる。
そういう状況があっての、バーナバスという存在。リアルに父の知り合いだと言われ、都会で生き抜く技を見せつけられたらどうしたって慕ってしまうもの。ビアは特別だけど元々人間なんかちょろいぜ、って気ままに生きてたわけですから、こういう方がピーターとしてはイキイキしちゃう。前作での畑での攻防以上に「マジかよ」って悪戯のオンパレードなのでやってることはダメなのに見ててとても可愛かった。最初捕まった時はどうなるかと思ったけど、まさか作戦だったとは。
猫やネズミといった新キャラたちも可愛くて、後半あたりの猫二人が尻尾でハイタッチするシーンが特にお気に入り。湖畔地方とはまた別の、都会の悪者ドリームチーム感がありますよね。語尾に「ニャ」をつけるのは吹き替えオリジナルなのか、あとで調べてみたい。ただ、生き抜くために仕方なかったとはいえ、こっちの方が明らかにやりすぎというか、危険なこともバンバンやるんですよね。人間がどうなろうと知ったことかって。そこが湖畔チームとの違い。痛そうなシーンが結構ありました。
仲間になれて嬉しくなったピーターは深く考えずに他のうさぎ、動物たちも巻き込んでしまいますが、それが良くなかった。ちょっとあっただけのバーナバスを信頼しすぎた結果……。面白いのがこの構図が人間のビアにも当てはまっていて、売れるからっていう言葉に乗せられて本来の絵本の良さがどんどん消えいきそうになるんですよね。それをマクレガーが必死に止めようとしている。その頑張りは素直に応援したくなったし、1作目ラストのピーターとの協力を見ているから今回は応援しちゃう。
観客のそういう気持ちもわかっているのか、悲劇が起きた後はまたしてもピーター&マグレガーのタッグによって事態解決の奔走が見られます。しかも今回はスケールがとんでもなくパワーアップしてて、劇中でさえ「絵本のとんでもアイディアを超えてる」ってツッコミ入れられる始末。アクション要素がスパイ映画レベルになってますよ。ほんとご期待ください。
最初に例えた例をつかうと、本当の親子のような関係になる。人間に換算して何歳なのかはわかりませんが、ピーターもまだ子供なんですよね。自分がどういうウサギかって自分でさえ分かってない。反発もするし、父親の面影を追ってしまう。彼もまた成長するし、マクレガーもまたウサギたちの父親としての自覚が芽生えた。大冒険をしながら最後には家族の絆に持ってくる流れが実に感動的でした。もちろん妹や従兄弟たちとの関係も良くて、耳栓が伏線になってたのも好き。最後の最後に、「だからナレーター!」ってなるのもうまかったです。
湖畔の動物たちの描写も相変わらず良くて、見かけに反して美容に気を遣うブタはまだしも、筋トレに目覚めたキツネ(バーピーやチートデイの概念まで)、世の中を勘違いしている鶏+子供たち、さらにはゆっくりしてるシカが完全にギャグ要員と化してて笑いポイントです。今回もハリモグラ(?)のおばさんが体張ってた。
可愛いけど、はちゃめちゃやるんだろうな、っていう期待を裏切らない笑あり感動ありモフモフありの映画でとても良かった。映画の中で「続編があるかも知れないし、なくてもここまでよく来たよ」ってなんてセリフが出てきたのでこの作品自体も3作目を待ってても良さそう。最後のあの子が成長したら、などいくらでも続き出きそうだし。1作目がまだの人はぜひそちらもあわせて見てほしい。
ジャンル的には下品じゃない「TED」って感じ(笑) うさぎさん出てるから子供向け、なんて思わないで欲しいです(笑)
U-NEXTにて、399円で48時間レンタル。吹き替え版で視聴。
PETER RABBIT 2: THE RUNAWAYという原題なので、サブタイトルは家出なんですね。
[字][吹]ピーターラビット2/バーナバスの誘惑 - 映画動画 - DMM.com
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