主演二人のほか、鈴木伸之、横浜流星、門脇麦、吉沢亮、池田エライザ、玉城ティナ、武田玲奈ら豪華共演。ドSな姉役で菜々緒も登場。
あらすじ
見栄っ張りな女子高生・篠原エリカ(二階堂ふみ)は、付き合ったことがないのに彼氏との恋愛話を語っていた。友人に疑われた彼女は街で見つけたかっこいい男子を自分の彼氏だと偽るが、彼は同じ高校の佐田恭也(山崎賢人)だった。事情を打ち明け彼氏役を引き受けてもらうが、学校で王子と騒がれる恭也の本性は、Sっ気が強く性格は悪かった。さらに彼氏役の代償として、エリカは彼の“犬”になることを命じられ……。(シネマ・トゥデイより)
当時は山崎くんまた少女漫画の実写化主演か〜って印象だったのですが、公開から3年経った今見てみると共演者が地味に豪華でびっくり。半分くらいはその時点でも結構な人気者だったと思うのですが、横浜流星くんとかまだここまでブレイクしてない頃だと思うんですよね。いろんなタイプのイケメン、美女が出てきます。
冒頭のキャスト陣紹介で書きましたが恭也の姉役として菜々緒さんが出演してましてね。弟に似て、というか彼が姉に似てるのかこれまたドSキャラで、ほんとピッタリの配役でした。それでいて主人公エリカにはかなり優しいという。僕もそこまで少女漫画原作映画ドラマをたくさん見たわけではありませんが、大抵このポジションっておんなじようなタイプが多いですよね。ヒロインにはきつく当たる相手役が、唯一頭が上がらない存在って要素も含んでましたし、王道のサポートキャラでした。ただ面白いというかシュールだったのがストレス解消にスイーツやけ食いという習慣があり、ヒロインも付き合わされた関係で、「菜々緒と二階堂ふみが延々食べるだけの時間」があったのが独特でしたね。
他にも一人家路につくときに「今夜はブギーバック」を歌うところとか、傷ついて街中を走り続けるとか、普通の映画よりも長めに時間をとってる他の映画ではあまり見かけないシーンがあって、そこも印象に残っています。
「彼氏と偽っても問題ない」と写真を撮ってる時点で、外見部分はクリアしてますし、かなり早い段階でヒロインは恋に落ちてるので、フリに付き合ってくれてるだけだし、犬扱いで手玉に取られてる彼が、自分を彼女として本気で好きなってくれるかどうかっていう物語ですし、ヒロインに感情移入しつつ、その恋を見守るって意味ではかなりの王道ストーリーでした。そこに「フリなら僕と付き合おうよ」っていう別のイケメンが現れたり(鈴木伸之)、「僕なら好きな人を悲しませることはしないよ」っていう真面目メガネくん(吉沢亮)が出てきて、こっちを見てくれないなら……と揺れてしまう展開を見せるのでほんと引き込まれます。個人的には吉沢くん演じる日下部ってキャラクター(上記の後者)が一番お気に入り。「僕じゃダメかな」ってセリフとか神がかっていましたね。特典映像で主要キャストのインタビューを見ましたが、吉沢くん本人は暗いキャラなので演じるのが難しかったって言ってましたけど、冒頭からずっとヒロインに一途って意味でもかなり存在ある人物にちゃんとなってたと思います。実際恭也がヤキモチ焼いたりしますしね。そうなんだよ、この手の作品で王子とくっつかないわけないのだから、登場と同時に報われない恋だって分かっちゃうのが余計にグッと来るんだよね。ヒロインがとても優しいので、この二人がカップルになってもそれはそれで幸せになったよな、とまで思っちゃいます。自虐的な性格の彼に、褒めた人に失礼だからちゃんと受け止めなって言うシーンとか好きです。
一方で「素直になれない男」を絵に描いたような主役恭也もこれはこれで共感できて。本気で心配して看病してくれるとか(超ベタなイベントなんで笑ってしまいました)、嫌いな相手だったら彼氏のフリなんかするわけないじゃんって思うし、守ろうと必死になってるところとかすごいかっこいいんですよね。でもヒロインには伝わってないと言う不器用さ。ここはっきりしてたらそっこうハッピーエンドで映画終わっちゃうのでしょうがないのですけど、すれ違いで一度距離ができちゃうのはすっごい切ないです。どうしてはっきり言わないんだよって。秘密っていう爆弾抱えてて、それを交換条件出されたら僕も何が正解かわかんなくなっちゃうと思いますけどね……。そうやって男目線で見ても面白かったです。
ちょい悪い役で出てる鈴木伸之くんですが、前述のインタビューで「原作だと改心するものの、映画だとそこまでいかないので」なんてことを言ってて、ああ、ちゃんと原作読み込んで挑んでる人なんだなと好感度上がりました。「あなたのことはそれほど」では浮気相手、「ラジエーションハウス」ではすごくいい奴と役柄の振れ幅ありますけどちゃんと演じて分けてて好きです。
他のキャストとしては、ヒロインが嘘をつくきっかけとなる、スクールカースト上位っぽい友達連中がとても豪華なんですが、二人の恋路を阻む障害という感じでそこまでたくさん出番があるというわけではありません。一番存在が大きかったのは門脇麦さん演じる親友で、いいところも悪いところも知った上で応援し助言してくれる「お母さん」みたいなキャラが、ほんわかした声と妙にマッチしててこれまたピッタリの配役だと思いました。彼女が別の高校に進学していて、恭也をのぞくとヒロインは「孤軍奮闘」状態っていう設定なのも、恋路を見守る上でより感情移入しやくてうまいなーと思います。
大まかなストーリーとしては王道の流れ、予想した通りのハッピーエンドな訳ですが、ヒロイン、相手役、そして日下部くんなどなど色々とのめり込めてとても楽しく見れました。少女漫画原作とか王子って言葉を含むので躊躇する方ももしかしたらいるかも知れませんが、ツボを心得てとても面白いのでオススメです。
Amazonプライムビデオで会員無料対象だったので視聴。すでに触れた通り本編の後に数分ですが特典映像があります。
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