「時効警察」などの三木聡が監督・脚本を担当したコメディ作品。カリスマロックスター・シンの隠された秘密、それは声帯ドーピング。喉に限界を迎えつつある彼だが、声が小さすぎるストリートミュージシャンのふうかと出会い……。
阿部サダヲ、吉岡里帆がw主演で熱唱を披露する他、千葉雄大、田中哲司、松尾スズキら共演。麻生久美子、ふせえり、岩松了ら三木作品でお馴染みのメンツも。劇中曲をあいみょんが作詞作曲ことも話題。
あらすじ
絶大な人気を誇るロックスターのシン(阿部サダヲ)は、誰にも言えない秘密を抱えていた。それは、彼の歌声が“声帯ドーピング”という方法で作られているということ。しかし彼の喉は副作用で限界の一歩手前まできており、声が出なくなる恐怖におののいていた。ある日シンは、声が小さいストリートミュージシャンのふうか(吉岡里帆)と出会い......。(シネマ・トゥデイより)
タイトルからして普通の映画じゃないってことはビンビン感じていましたが、独特なノリ、シュールさに開幕から圧倒されてしまったわけですが、途中で作者を調べて納得。冒頭に書いた通り三木聡監督でした。前クール「時効警察はじめました」を見てたので絶妙に王道を外してくる感覚は慣れているつもりでしたが、小ボケみたいなものが頻繁に挟まれるのでまずその好き嫌いは分かれるだろうなあと。焦点があってない松尾スズキさんとか、喜びって感じがしない「よろこびそば」とかかなり好きでした。
予告動画でも分かる通りビジュアル面がかなりインパクトあって、特に喉に限界がきつつあるという設定上血しぶきバシャーみたいな演出があったり、出番少なめだけどキャラが濃すぎる脇役の方々だったり、「クセが強い」。まあ一番びっくりするのはキスシーンで、こんな取り入れかた他に絶対ないだろってツッコミ入れずにはいられなかったです。ロマンス、というほどの恋愛要素ではないんですけど花火をバックに二人乗りとかタインぷの違う二人の絆ができていく過程は良かったですよ。
ストーリーとしてもかなり王道でして、それぞれ悩みを抱えた二人が出会い、共に行動することで影響されあってくって姿はグッとくるものがあります。特に回想として流れる「大きな声を出す理由」がね。ふうかに妹を重ねてたんだろうなーと思います。歌う時にガッツリメイクしてるせいもあって周りがすぐに分からなかったように、普段はかなり熱い男。劇中で何回も出てくる「やらない理由を見つけるな」ってセリフはかなり象徴的でパワーのある言葉でしたし、この映画全体のテーマとして、声が小さいことは「失敗を恐れて挑戦できない」とか、「自分に自信がない」ことのメタファーなんだと思います。これもまた万人に当てはまる、エールを送る作品だと思います。
冒頭やエンディングで流れる、パンクロック?な「人類滅亡の歓び」も爆音全開で一度聞いたら耳に残るんですが、やっぱり終盤でふうかが歌う「体の芯からまだ燃えているんだ」がかなりの名曲で、映画ネタバレにもならないのでぜひ検索して聴いて欲しいと思います。TVの音楽番組とかでも披露されたのでそっちで知ってる人も多いかもしれませんが、あいみょん作詞作曲だけあって心揺さぶられる歌詞とロックなサウンドがいいんですよ。それが映画ラスト直前の一番いいシーンでかかる。どう着地するんだろって思いながら見てましたけど、「受け継がれていく」想いに感動しつつ、爽やかに見終われました。
ジャンル的にもコメディ作品なので細かいネタでニヤニヤしつつ、主人公の生き様に熱くなる。そんな映画でした。
Netflixにて視聴。
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