旅をしている赤ずきんはシンデレラと出会い、共に魔法使いの力を借りて舞踏会に参加することに。その途中、カボチャの馬車で1人の男をはねてしまうが、死体を隠してそのまま向かってしまう。やがて発見されて舞踏会はパニックになるが、はねた時には何者かに殴られすでに死んでいた彼に何が起こっていたのか、事件の調査をすること。いろいろな人の話を聞くうち、真相が見えてきて。
ムロツヨシや佐藤二郎といった常連組に加え、岩田剛典、桐谷美玲、山本美月、といった監督作品の出演者たちが共演。コミカル要素を含んだ、ファンタジーなミステリ。
あらすじ
赤いずきんを着た少女・赤ずきん（橋本環奈）は、旅の途中で灰まみれの少女・シンデレラ（新木優子）と出会う。二人は魔法使いの力によって美しいドレス姿に変身し、お城で行われる舞踏会へカボチャの馬車で向かう道中、一人の男をひき殺してしまう。発覚しないよう死体を隠した二人は舞踏会に到着し、やがてシンデレラと王子様（岩田剛典）が恋に落ちる。ところが、死体が発見されたことで舞踏会は中断し、窮地に陥った赤ずきんは事件の解明に挑む。(シネマ・トゥデイより)
福田雄一監督ということでギャグの胸焼けも覚悟していたんですが(失礼)、原作がある関係で結構抑えめ。確かに細かいギャグだとか、ムロツヨシのおふざけもあるんだけども邪魔にならない程度ですね。またアドリブしまくってるんだろうなーって感じ。魔法で御者になったネズミの役なんですが、おじさんがずっと「チュー」をつけて喋ってるだけでも笑っちゃう。鼻呼吸ができない、とかネズミだから免許持ってないけど大丈夫か？ってやりとりとか笑いました。王様役の佐藤次郎さんはかなりまとも(?)な役柄だったのでそこも良かった。やりすぎるとくどくなっちゃうんですよね。
他にも福田作品お馴染みの面々が多数出演してるんですが、今回も岩田くんはイケメン役だし、橋本環奈、桐谷美玲、山本美月あたりは過去何回も出てますよね。あとはマルゴー役の若月佑美とかもそうみたい。僕の中で「福田監督作品」って一個のジャンルになっちゃってるくらい独特の雰囲気ありますよね。いずれも女性陣はいずれも美女という設定でしたが、多分監督的には山本美月さんが一番好みなのかな？って思う。ほとんどの作品で美女扱いされているから(笑)
なぜか靴だけはうまく変化させらない魔法使いのキムラ緑子さんや、お胸を強調するシーン連発の意地悪姉妹、母親役の真矢みき(あきらめないで、ってセリフで爆笑した)などもちろん全員がチヤホヤされるような役柄ではないんですが、舞台となる国が「美しくなければ尊重されない」っていう設定だったのでみんな綺麗だし、衣装も豪華でしたね。そういう部分で注目してもいいかも。ネトフリだからガッツリお金かけてるし、ディズニーやAmazonの童話実写化とか肩張れるクオリティだったと思います。単純に鮮やかってのがいいよね。
映像全般としては魔法のエフェクトとかも頑張っていたし、シンデレラの家やお城、殺害現場などはちゃんとファンタジーの世界という説得力がありました。森でふざけながら色々やるところだけは若干「セットで撮っています」感が出てるけど、小川のみずみずしさとか草木のリアルさはさすが。あの場所に入り込んでしまいましたし、そういう髪型、衣装でいても違和感というかコスプレ感は少なかったです。
そこまで本格的なミステリ！とは言えないものの、ちゃんと赤ずきんが探偵役として動くし、次々に新事実が発覚して全体像が見えていく構成なのも良かった。犯人候補が変わるから飽きなかったしね。何より侍従長の人が「赤ずきん先生」って彼女の推理をちゃんと肯定してくれるからストレスもたまらないし。たまにあるじゃないですか、聞き耳持たれないパターン。被害者がクズっていうのがそうそうに分かるから、誰でも動機がある得るってのもうまかった。
シンデレラを扱ってるのでちゃんと「ガラスの靴」が重要なテーマになってくるのも良かったし、全てが明らかになってちゃんと納得できる内容だったので満足感もあります。色々と伏線はってあるのでそれが最後に繋がる気持ちよさ。やっぱり売れてる小説だけあるなぁと。
先日新聞広告にも載っていましたが、どうやら原作小説では他の童話も題材にしているようで、今回はあくまで「シンデレラ編」といったところ。この映画のヒット具合や役者さんのスケジュールの都合もあるでしょうがじゃんじゃん続編は作れそうなので楽しみ。それを示唆する終わり方してましたしね。
根底には「美しさへの執着」というのか、国に蔓延る固定観念によって引き裂かれた悲愛だとかサイドストーリーも良くて、それぞれのキャラに感情移入して良かった。王子様に見そめられるんだ！ってみんなおめかしして舞踏会に行くってのがもはや美に振り回されちゃってる。
原作ものなのできちんとしたストーリーを見せつつ、適度なおふざけでニヤリとさせられ肩の力を抜いて楽しめるファンタジー。それでいてシンデレラの世界観なので衣装とかもすごく豪華で、美男美女のキャスト陣の魅力がさらに発揮させられていました。役者のファンの方にもおすすめ。
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英語タイトルが「Once upon a crime」ってのもいいですよね。昔々あるところに〜というワンスアポンアタイムをもじってる。
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