揚げパン屋を営むミヨンと夫でパソコン修理のソクファン、そして娘ナリの家族は幸せに暮らしていたが、けして裕福とは言えず、キャンプすらも経験がないことを馬鹿にされていた。そんな折、栄養ドリンクの懸賞でハワイ旅行が当選。しかもうち2名はビジネスクラスにアップグレードできるなどウキウキで初めての飛行機を満期する3人。しかし北朝鮮のエージェントが複数潜んでおり、ハイジャックされてしまう。トイレに入ってて孤立したミヨンだが、素人とは思えない身のこなしで敵をやっつけ始め……。ユーモアをふんだんに入れつつも怒涛の展開をテンポ良く描いたアクション作品。
あらすじ
ハワイ旅行に当選した、パソコン修理工のソクファン(パク・ソンウン)と揚げパン屋の主人のミヨン(オム・ジョンファ)夫婦。ビジネスクラスにミヨンと娘のナリ、エコノミーにソクファンと分かれて旅客機に乗り込み、人生初の海外旅行に胸を踊らせていたが、北朝鮮のテロリストが機内を占領してしまう。しかし、テロリストに襲われたミヨンは、瞬く間に相手を打ちのめし、機内のさまざまな備品を武器にして戦いを続ける。(シネマ・トゥデイより)
アマプラにも吹き替えありの韓国作品がどんどん増えてきてありがたい。こういうアクション作品だと特に、その動きとかに完全に集中できるからいいんですよね。ちなみに主人公の声はアンジェリーナジョリーやジュリアロバーツなどの深見梨加さんが担当してました。
ここ最近紹介した映画でいうと『Mr.ノーバディ』【冴えない一般人だと思ってたら実は強い】は例によって僕の大好きなジャンルの一つですが、あらすじ&予告の通り今回はそれが主人公の主婦ミヨン。トイレに入っていたためにハイジャックして乗客全員が人質に〜みたいな大騒ぎの難を逃れたはいいものの、巡回の仲間にそれがバレてしまう。でも一瞬でそいつを打ちのめし「久しぶりだから加減ができなくて」みたいなこと言うんですよ。これで一気に持ってかれます。
そもそも冒頭のシーンでモクレンという北のエージェントが任務中に失踪するシーンを描き、今回久しぶりに姿を現すってことでハイジャックたちが同じ飛行機に乗るという理由を明かした上で、さらに全身黒づくめの別の女性を登場させる。この人がモクレンでしょ。どう考えてもミヨンはたまたま乗り合わせた主婦でしょ、ってイメージを植え付けといて、実は……というパターン。タクシー代ケチって遅刻するわ、ビジネスクラスではタダで飲食できるからって暴走するわで完全にコメディとして「おばちゃん」やらせといてね。ギャップがすごい。
基本的に頼れるメンバーが少なくいんですが、妄想癖でスパイごっこが大好きな客室乗務員の男性もバカやりながらもいいアシストするし、過去に秘密があった旦那さんも職業柄を生かしてメカニックとしてのサポート。さらには犯人側の一人と共闘する流れにもなり……でアクションとしては主人公がほぼメインであるものの、複数いる犯人グループ相手の戦いはかなり燃えました。乗客たちも個性の強い人ばかりで良かったですしね。特に見栄のため？に嫁にハワイで出産させようとしてる意地悪マダムがヒールで叩きまくっててマジで痛そうだったし、缶ジュース投げつけも笑った。
役に立たないのは「俺は国会議員だぞ」って威張ってるだけの人や、酔い止めの飲み過ぎ(?)で全てが終わるまで眠りこくってた人(キム・ナムギル特別出演)くらい。あとは機長さんも最後の粋な決断くらいで基本ヘタレだったな。まあ愛する人を危険にできないって理由があったけど。あと敵の中ではギャグ要員として「韓国語しか喋れない男」もいたな。夫婦の会話聞いてもらい泣きしてたり。
序盤の方はバレちゃいけないってことでCAの制服着て、顔はサンバイザーで隠しての戦闘がメイン。動きにくい服装なのにテキパキ動いててマジでかっこ良かったですし、後半のジャージ姿も「おばちゃんが無双してる」感があってコミカル要素とのバランスがすごい。なめんなよ！って聞こえてきそうです。上記あらすじにもありますが、武器という武器がないのでありあわせで戦うのもいいんですよね。縄とか、前述の飲み物とか。戦い慣れてるエージェントという印象をすごく受ける。ジェイソンステイサムっぽい。
テンポの良さもこの映画の魅力の一つで、行けると思ったら夫婦共々捕まる。敵側の仲間割れ。それを解決しかけたと思ったら別の問題発生。最後のやつも全然予想してなかったのでびっくりしたなー。ほんと裏をかく構成になってて、気持ちよく騙されます。そもそもこの旅行自体が、ってのも衝撃。
アクションとコメディだけじゃなくて、夫婦や家族の絆って部分もしっかり描いてるのも好印象。いろんなことが明らかになると最序盤の細い部分とかがまた違って見えてきてグッとくるんですよ。洗濯機、本当は直せたんじゃないの？とかね。貧乏でも、あの生活こそが全員にとって幸せだったんだろうな、って。無事に解決して日常が戻ってくるからすごく幸せに終わりますし、いい映画見れたーって気分にさせてもらえた。
ちなみに仲間割れしたエージェントの「統一したら会おう」ってセリフも好きだな。こういうフィクションの中でもそういうお話にするの大事。やきもち焼いた旦那さんが「そんなのあり得ない」って言うのはどうかと思いますがw(会わせないぞって意味だけど)
日本人としては発端となった栄養ドリンクがオロナミンCだったのも注目ポイント。ググったら韓国でも発音はオロナミンCだそうです。
アマプラにて吹き替え版で視聴。
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