いつしか生徒会選挙の時期が近づきつつあったが、神野は中学1年にもかかわらず生徒会長に立候補する。その公約は給食革命。しかし時同じくして、近隣の学校全てで給食が廃止されるという通告がきてしまう……。
ドラマ版同様、佐藤大志、武田玲奈、酒向芳、いとうまい子らが再集結したほか、ドロンズ石本、水野勝など新キャストも。
あらすじ
1984年、心から給食を愛している中学教師の甘利田幸男(市原隼人)は、学校から給食が消えると知りがくぜんとする。一方、彼の最大のライバルで、給食をおいしく食べるのはどちらかを競い合っている生徒の神野ゴウ(佐藤大志)は、給食革命を掲げ生徒会選挙に出馬する。そして新人教師の御園ひとみ(武田玲奈)は、彼らを見守っていた。(シネマ・トゥデイより)
ドラマ放送の頃から劇場版撮影中、という映像が出てたのでとても楽しみにしてたんですが、ドラマの面白さを入れつつ、劇場版という長時間にふさわしいシリアスな要素も追加されて展開し甘利田先生と神野くんの物語として文字通りの最後の戦いだったなぁと。
そのドラマ版を見ていないと人間関係とかこれまでの二人の距離の変化が知れないので少しもったいない気がしますが、一応この作品単体でもお話自体は独立してますのでご安心を。基本的には「孤独のグルメ」をはじめとしたグルメ系ドラマの一種で、毎回色々な給食が登場してはそれを市原隼人さんが満面の笑みで平げ、心の声という形で豆知識まで披露。この時に「あーこういうのあったよなぁ」と懐かしむことができます。(僕個人としては舞台となる時代から10年くらい差がありますが、今や珍しい献立(クジラ)があるかと思えば、当時とそこまで変わってない内容のも出てくるので「あるある」としてとても楽しめます。で、教師が満足しきっているとクラスメイトの神野くんが時には禁じ手とも思う方法まで使って給食を大胆にアレンジ。「そんな方法があったとは!」って膝から崩れ落ちる(比喩です)というパターンが繰り広げられます。そこに学校生活とかの悩みや事件がちょっと絡んで〜という作品。特に最終回で給食が足りなくなってしまったエピソードは泣けました。
映画の話にもどすと、ミルメーク(牛乳に混ぜて味を変える粉末)やソフト麺など、ドラマをおさらいするかのようなメニューをやりつつも、今回も神野くんのアレンジは炸裂。ずっと気になっていた「コレステロールさ〜ん!」の意味がわかって爆笑。なるほど、飼育係ってのが伏線だったのか。衛生的にどうなのとか、色々ツッコミしたくなる部分もあるんですが「80年代だから(ゆるい)」で許せてしまう(?)かな、と。
新キャラとして教育実習生も登場するんですが、最初こそ価値観の違いで馬が合わなそうなものの、恋のライバルになるわけでもなく、甘利田に柔軟な発想をさせるアシストキャラとして結構良い人でした。ちょっと年齢がいってるというのは伏線かなと思ってたけど全然関係なかったので、ボイメンの水野さんを出したいけど新卒としては違和感あるな、という中での設定だったのかもしれませんね。同じボイメンの辻本達規さんがすでに教師役で出てますから。
まあ給食がテーマであって教師が主役なわけでもないので、ラブロマンス要素もあくまで「真っ直ぐだけど不器用」っていう甘利田の個性をさらに補うものだったなぁと。
後半にかけては一気にシリアス要素が増えて、給食がなくなる日が近づく中、それでも神野くんは必死に考える。果たして何か解決策はあるのか!っていう流れなんですが、そこで改めて主役二人にとっていかに給食という存在が大切なものだったが実感させられます。ただ相手が大きすぎますからね。甘利田にとってもめちゃくちゃ悔しくて。予告動画でも食ってかかっていました。他の同僚より一足早く校長からその事実を知らされていたんですが、「だって給食大好きでしょ、バレバレ」って言われるところジーンときました。とぼけたフリしてよく見てるなぁ。
あまりネタバレしたくないのですが、食べ方のアレンジ同様に画期的なアイディアとか、あるいは子供たちの熱意に負けて、みたいなハッピーエンドを期待してたのでそういう意味では予想外の方向でしたね。ただ二人でカップラーメンを食べるシーンはグッときて、いつもは競い合ってた二人が、最後には「給食存続」という問題に向かって「共に」戦ったということかな、とそういう風に解釈しました。戦友。
そんな感じでちょっと映画だけはスケールがおっきくなった分「グルメコメディ」の枠を超えてる部分もありますが、ドラマの風景をまた見れたり、血管切れるんじゃないかってほど熱意のこもった市原隼人さんの演技を味わえるのでドラマ版と合わせての視聴をおすすめします。
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連続ドラマはこちら
劇場版 おいしい給食 Final Battle
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