【Netflix映画】アザーライフ~永遠の一瞬~ / 点眼するだけで超リアルな実体験として感じられる薬を開発した主人公だったが、テスト段階のもので事故が起きてしまい、「仮想監禁」の被験者になることを余儀なくされる。「5億年ボタン」を彷彿とさせるSFスリラー。

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現実世界では一瞬でも、本人が実際に体験するのは途方もない時間。以前ネットなどでも話題になった「5億年ボタン」その内容を知ってる人はそれに似てるというだけでこの映画の怖さが伝わると思います。
主人公レンが開発した特殊な薬(生体ソフトウェア)を点眼すると、たちまち超リアルな体験ができ、そこで1日過ごしたとしても実際には全然時間はたっていないのです。彼女はある目的があってさらなる実験を続けていたのですが、恋人がテスト段階のものを誤って利用。その責任を取る形で、「1年間ほぼ何もない部屋で過ごす【体験】」をさせられることに。それは想像以上に過酷なもので……。
現実と非現実の境界に惑わされる、SFスリラー。
あらすじ
長い時間を凝縮させ、短時間で実体験ができるようになる薬を開発したレン。ところがこの可能性をひめた新薬の使い道について共同開発者と揉めてしまい……。(ネトフリ配信ページより)

日本語の予告動画は見つかりませんでした。すみません。

上記あらすじを補足すると、レンはまず昏睡状態の弟をどうにかしたくてこの薬を開発しており、金儲けを目指してる共同開発者サムとは意見が食い違っています。だから誰にも言わずにこっそりこっそりさらなる改良を目指して色々やっていたわけですが、そのテスト段階の薬をレンの恋人ダニーが誤って使ってしまい、帰らぬ人に。
もちろん大事になってしまうわけですが、薬のことでやりとりしていた政府の人間と弁護士によって、条件を出されます。それが「現実は10分、しかし1年間監禁されたような体験」をすること。サムはこの薬を刑務所の代わり、更生プログラムとして運用していきたい考えをずっと持っていてレンで実験してさらなるアピールをしたがってたんですね。結果的に恋人を死なせてしまったこともあり、承諾するレン。ここからがある意味メインのスタートです。

何もないコンクリートの狭い部屋、目の前には数字が映る電光掲示板って様子が予告でも写ってますが、これが彼女が仮装的に過ごす場所。前述の「5億年ボタン」は「ボタンを押して大金を得るけど、実際は5億年過ごさなければいけない」という物語なのですが、そこまでじゃないにせよほんと発狂しそうになるくらいの体験です。僕じゃ絶対にギブアップしちゃう。まあしたくても出れないんですけどね。

一応の食糧があったり、紙とぺんらしき(デジタルノート?)もあったので、そこでひたすら頭を使い続けるレン。劇中「これを伝える相手がいない!」て彼女も言ってますけど、ほんと孤独だけでもとんでもない恐怖ですよね。この映画の場合は一応記憶自体は残るので、そこが5億年ボタンとの違いかな。あっちは記憶が消されるからこそ何度も押しちゃうって要素もありますし。
昏睡状態から目覚めた人のケースだとか、記憶を掘り起こしつつ考えをまとめていきます。きっと開発にあたってかなりの文献を調べただろうし、弟を救おうと必死だったんだと思います。薬はフィクションだとしても、「奇跡が起きた例」をかたっぱしから集めて、わずかでも希望を捨てない、信じたいって気持ちすごくわかりますよね。劇中では彼女たちのお父さんはすでに諦めていて、延命措置をやめようって立場になってしまってますけども。

それだけでも十分怖かったのに、なんとカウンターがバグって、再び1から始まってしまうんです。ここマジで背筋が凍った。映画の設定的に、こういう景色を体験するっていうプログラム(コード)を作ってるみたいなんですが、この仮装監禁は助手が最後に完成させたようで、「大丈夫よね?」って死亡フラグめいたセリフがあったんでその時も若干ヒヤッとしてたんですが、まさか本当に出られないとは。こういう非現実が出てくる作品だとたいてい「境界が分からなくなる」「戻れなくなる」展開になりがちですけど、それにしたってこれは怖い。コンクリートの部屋っていう冷たさが余計に恐怖です。

そこからの展開を詳しく書いてしまうと本筋に触れてしまんですが、これまた気持ちよく「振り回され」ましてね、なるほどそういうことね、という流れになっていきます。一応監禁からは脱出しまして、弟の件と、共同開発者との件をちゃんとやってくれます。
まず明らかに監禁体験させられる前と後とでレンの価値観は変わっていて、副作用というか薬の怖さを身を持って知った結果として当然ながら開発に対する情熱はなくなっています。最後に弟に使用して、どうなったか。映画序盤の彼女ならば、次はこうして、ああして、ってなったと思うんですけど、全然違った。
だからこそ共同開発者サムとも尚更意見は割れてしまい、一度危険は去ったはずなのにものすごいピリついたムードに。実際あの展開はめっちゃびっくりしました。ただあそこでいき過ぎた復讐をしなかったことがとてもよくて、後味悪くならずにすんだのも良かったなあって。スカッとしたかもしれないけど、ジョジョのディアボロみたいになったかもしれないと考えると他人ながらゾッとしちゃうので……。

点眼したときの瞳の動き、そこから万華鏡のような世界になって気がつけば仮想空間にいる描写の感じとかすごく引き込まれたし、スノーボードを体験っていう部分もVRゲームでありそうだからこそ「もしかしてあり得るかも」という絶妙なリアリティがあって面白かったです。そして散々書いてますがヒヤヒヤ、ハラハラは何度もさせられましたし、SFスリラーとしてとても楽しめました。

Netflixにて字幕版を視聴。2017年から配信されていたようです。




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