NITRO ニトロ / 行方不明の恋人を探しに行くと、地下で監禁され全身ニトログリセリンが塗られていた。いかなる衝撃でも爆発する危険のある中、無事に彼女を救えるかのか。アルゼンチン産のホラー映画。

NITRO ニトロ [DVD]


タイトル通り、爆発物としてご存知の方も多い「ニトログリセリン」をメインにしたアルゼンチンのホラー作品。ニトロを使い、拷問、実験を繰り返している過激派組織。そこに監禁された恋人を救出に来た主人公の奮闘をスリリングに描いています。
「ザ・ヘル ネクストステージ」などのアドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督。
あらすじ
突然メールで別れを告げ、行方不明になった恋人のジャッキー。不審を感じたローマンはジャッキーを捜索、ある廃墟ビルにたどり着く。その地下で彼は監禁されていたジャッキーを発見するが、その全身には高粘度のニトログリセリンが塗りつけられていた。それは、元過激派の2人の老人が、被験者を拉致しては繰り返している狂気の実験ゲームだった。うかつに動かすとニトロが爆発してジャッキーは粉々になる。息詰まる緊張感の中、ゆっくりと這うように脱出ルートを探すが、その廃墟にはさらに恐ろしい秘密が隠されていた…。(アルバトロス・フィルム商品ページより)


我らがアルバトロスフィルムの作品なのですが、終盤まで一貫して「爆発してしまうかもしれない恐怖」で描き切っていて、とても好印象。イかれたおじいちゃん2人の住むアジトから、主人公、女友達、そして元恋人らが無事に脱出できるのかっていう緊迫感でハラハラしました。

冒頭で大量のニトロが忽然と消え、という過去の映像が流れ、そこから老人二人がやっている実験、犠牲となって爆発してしまう女性というコンボでインパクトはバッチリ。ニトロの恐怖を一気に理解します。若者特有のスラングを暗号か何かだと勘違いしてるところとか、老人が「時代に取り残された過激派」って感じがしてそこも怖かった。マッドサイエンティスト的な恐ろしさ。

中盤あたりでゾンビっぽくなってしまった「実験体の女性」たちも登場。男主人公と女友達という二手に別れて脱出を試みるのを並行して描き、ニトロの恐怖と、ゾンビ(?)との攻防どちらもあって面白かった。恋人ジャッキーを助けようとする中で物音を立てても老人が「どうせゾンビが騒いでるだけだろ」ってスルーしてくれるところとか、設定をうまく生かしてなーと。犯人たちが成人男性だったらあっという間にバレて主人公らも実験台になってしまったはず。

恋人の全身に付着したニトロの問題がなんとか解決しても、今度は注射器的な装置に入れたニトロで襲ってくる老人たち。イメージ的に塩酸?かかったら爆死しちゃうので必死で避けます。そうこうしてるうちに騒ぎを聞きつけた隣人たちも助けに加わり・・・。

老人たちのアジトになっている廃墟ビルの薄暗さとか、全体的な雰囲気もホラーとしてあっていましたし、前述の通り緊迫感もなかなかで、B級作品ながら楽しめました。ニトロまみれのジャッキーを救うために服を脱がすというくだりがあり、予告動画やDVDジャケットでも使われていますがある種のお色気要素にしたかったのかもしれません。

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