母を失った悲しみを抱えたまま、シカゴから田舎町に越してきたナンシー。からかわれた友達の仕返しをしたり、好奇心や正義感からか行き過ぎた行動を起こして問題児扱いされていた。そんな時、とある屋敷で不可解な現象が起きていることを知り、事件解明に名乗りを上げる。かつてそこでは女性を巡っての殺人が起きたという逸話が残されているのだが……。
ゾーイ・レネー、マッケンジー・グレアム、アンドレア・アンダース、ローラ・ウィギンスら共演。
あらすじ
母を亡くし、父とともにシカゴから田舎町リバーハイツへ引っ越してきた16歳のナンシー・ドリュー。小さな町での暮らしに退屈する彼女は、何かと騒ぎや問題を起こしてばかり。そんなある日、ナンシーは学校で対立するヘレンとともに、ヘレンの叔母が暮らすツインエルム屋敷で起きた怪奇現象の調査を行なうことに。そこは19世紀、ひとりの女性をめぐって兄弟が対立、殺人と自殺で3人全員が死んだといういわく付きの屋敷だった。(WOWOW番組案内より)
記憶がたしかなら僕自身「ナンシードリュー」関連作品はまだ一つも縁がなくて、それでもドラマ映画などで原作小説や過去のテレビについて言及されることを多々見てきたのでそれとなくどんな物語かは想像できていたんですが、実際見てみるとやっぱり「少年少女の探偵モノ」ってめちゃくちゃ面白なぁと、改めて世界で愛される理由がわかりました。ちなみに近年the CWも新しいドラマシリーズを製作していて、そちらは日本だとU-NEXTで配信されているようなのでいずれ見るつもりでいます。
原作こそ歴史あるシリーズですが、出てくる内容はかなり現代風にアップデートされていて、スマホやノートパソコンを駆使したり、学校の化学室で秀才が「成分分析」しちゃうなど、ほんとプロの探偵顔負け。世の中に便利な機械が当たり前のようにあるのがすごいですし、使いこなしちゃうからなー。監視カメラの映像を見ながら写真撮って、それをスマホ上で拡大とか面白かったです。
一方で昔ながらの「探偵的なひらめき、洞察」のシーンもあって、例えば棚からお酒の瓶が見えてた、とか、注意深く観察してそこから導き出していくのがカッコ良かった。大筋としてなんとなくのストーリーは予想がついちゃうものの、細かい犯行の方法とか誰が絡んでるかはちょっとずつわかっていくので、推理ものとして一緒になって核心に迫っていくのも面白かった。
そもそもナンシーがひとことで言うと「悪ガキ」っぽいのもまた魅力的なんですよね。序盤、友達の復讐としてすごい悪戯を仕掛けるし、色んな人に軽口叩くし、およそ優等生とは違う。でも優しいし、困ってる人はほっとけない。だからこそ問題児でも彼女の周りには人が集まって、それぞれが活躍する。屋敷の謎を追う中で「陽キャグループ」に属してるヘレンと知りあい、少しずつ友情が芽生えていくのが良かった。ただヘレンの彼氏が友達を傷つけた張本人だったため、いきなり仲良くなれるはずもなく。ナンシーの共通の友達だけど、直接はまだピリついてるという絶妙な空気がリアルでしたね。見た目に気を遣うこと、賢いことを馬鹿にする風潮。同年代だと特に共感する部分だと思いますが、最終的にこれまでの高行動を悔やんだり、秀才ちゃんが逆に明るくなるなど変化が起きてくのが優しい世界でほっこりしました。
怪奇現象の裏にある思惑を思えば当然かもしれませんが、後半からは車での威や、ついには銃が登場して普通に命の危険が出てくるのもスリリングでした。家の持ち主のお婆さんとてもいいキャラしてたんですが、この時まで肝が据わっててめっちゃカッコいいです。そういうピンチに対してもこれまでの事件を逆手に取ったようなナンシーの機転によって見事解決しちゃうところを含めて、スカッとしました。
時間も1時間半ですし、サクッと見られて良かった。ハッピーエンドだし、古き良きワクワク感を味わえた気がします。夏休みにぴったりという作品。ヒロインのいたずらっぽい笑顔も可愛らしかったです。
Netflixにて吹き替え版で視聴。
DVDは未発売のようです。
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