モービウス / 頭脳明晰ながら難病と闘ってきた一人の医師。コウモリの血清を投与したことで回復し超能力を得るも、引き換えに血の渇望に苦しむことに。マーベル原作をジャレッドレトーで実写化した、バンパイアアクション。

「ヴェノム」シリーズはじめ、スパイダーマン映像化の権利を持つソニーが展開しているソニー・スパイダーマン・ユニバース(SSU)に属するアメコミアクション映画。コウモリの力を得たマーベルコミック登場キャラをジャレット・レトー主演で実写化。
血液の難病と戦いながらもその頭脳を生かし研究してきたマイケルモービウスはノーベル賞を受賞するほどだったが、その生涯をかけても自身の病気の治療法は編み出せずにいた。最終的に特殊なコウモリから血清を作り出すことに成功し自分で実験をすると回復するどころか驚くべき身体能力、聴覚などを手に入れる。しかし同時に血を欲するようになり、咄嗟に人を襲ってしまう。人工血液で抑えようとするも、有効な時間はどんどん狭まるばかりで……。
彼と同じ難病を患う親友にマット・スミス、ヒロインにアドリア・アルホナら共演。さらにはMCUからはあのキャラも。
日本語吹き替えを中村悠一、杉田智和のコンビが演じたことも話題。
あらすじ
ノーベル賞に輝くほどの頭脳を誇り、数多くの患者の命を救ってきた医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レトー)。しかし、治療法のない血液の難病を幼いころから患っており、身体はやせ細り、松葉杖を使わなくては歩くことさえ難しかった。病が命をむしばんでいくと感じた彼は、コウモリから採取した血清を投与するという治療に懸けてみることに。その結果、病気は回復するが、超音波を発して周囲の状況を感知する能力や飛行能力を手にすると同時に、血液を激しく欲するようになってしまう。(シネマ・トゥデイより)


本筋と関係ないことを先に説明しておくと、「アベンジャーズ」をはじめとする【MCU作品】はマーベルコミック原作でディズニーが作ってる映画たち、で、こちら【SSU】は同じようにマーベル原作だけどソニーの映画であってスパイダーマンの関係を今後どんどん作ってくってイメージです。「ヴェノム」「ヴェノム レットビーゼアカーネイジ」に続いて3作人目。
だから本来はMCUとは舞台が違う(別の次元)なんですけど、この映画のおまけシーンではあっち出てたとあるヴィランがこっちの世界に来ちゃったことが描写されています。(「スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホーム」での影響、という設定)

さて、予告動画からもそのテイストが感じられる通りかなりヴァンパイアホラーアクションという要素がガッツリ入っていて、明るいアメコミ映画
ってイメージすると怖く思うかもしれません。画面自体も結構暗いし、バンバン犠牲者出るしね。個人的には耳がかなり良くなって、物理的に変わるんですがその様子がなんとも言えない不気味さであんまり直視したくなかった。あとは大量のコウモリね。バットマンもそうだけど割ときつい。

でもそういう要素を除くと基本的にはヒーローもののテンプレの一つに忠実で、かなり乱暴に言うと「超能力を得る」「副作用に苦しみながらも受け入れていく」「同じ力を持つ敵が出る」「そいつを倒してハッピーエンド」という流れ。ただ咄嗟のこととはいえ血の渇望によって実験してた船の乗組員とか犠牲になっちゃうからね。どちらかといえば善の存在ではあるもののそれこそスパイダーマンみたいな純粋なヒーローではないのがミソ。ヴェノムもそうですよね。でも人間的に魅力がある。

そもそも難病に苦しんでてやっとできた治療薬ってだけで十分過ぎるほど同情するし、それが文字通りの吸血鬼になっちゃうのは可哀想すぎる。この手の作品でありがちな「大事な人を傷つけてしまわないか」ってのもありますし。昔からの親友を登場させたことで『同じ辛さを味わせたくないから薬は渡せない』ってなるのがすごく泣けました。彼を大事に思うからこそ。でも勝手に使っちゃうんだよな〜。

身に覚えのない殺人が増えて、夢遊病かと思わせてのその親友がやっていた。これが前述の「同じ力を持つ敵」理性や良心によって悩んでるモービウスと違って、こちらはノリノリで狩りを楽しんでるし挑発するからタチが悪い。能力を得た二人は元々難病のため序盤とかはすごく具合悪そうなんですが血清使ってからは別人のようになるのでどちらも演じ分けうまかったなーと。ジャレッドレトーは出番少なめとはいえDCEU(バットマンとかのアレ)でジョーカー役ですし、マイケルスミスはドクターフー。インパクトありすぎ。

メインとなるアクション、戦闘描写に関してはコウモリ特有の「音波が見える」(?)のと黒いオーラを纏ったような超高速移動がめちゃくちゃかっこよくて見入っちゃいます。時たまスローモーションでやるからその速さを実感できるし。能力者同士のバトルが展開するから力が強い同士でめっちゃ吹っ飛ぶし、どこかの感想で見たドラゴンボールてのもピッタリ。耳がいいから遠くにいても煽ってくるしね。あとは風に乗って飛ぶのもこれまでの飛行能力持ちのキャラとも違ってて面白かった。

ラストバトル直前にも切ないシーンがありますが、あの結果をモービウス本人がわかってないのが今後重要になってきそうで楽しみではあります。マイケルキートン含めモービウスもまた違う映画で再登場するでしょうから他の単独映画を見つつ待ちたいと思います。

アメコミ映画であると同時にいわゆるバンパイアものなのでホラーというか若干そういうシーンもあるものの特にR指定とかもないですのでスーパーパワーを持ったダークヒーローの葛藤とバトルを存分に堪能したい方に特におすすめ。ヴェノム同様、マーベル映画としては画面が暗いのが個人的にちょっと気になるけどね。

アマプラにて吹き替え版で視聴。主人公と親友をプライベートでも仲の良い中村悠一、杉田智和のコンビが担当しててそこも良かった。キャプテン・アメリカとはまた違う雰囲気で声を当てられてますのでご注目。
22年12月現在、プライム会員は字幕・吹き替えともに見放題対象ですのでぜひ。

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