モンスタートラック / 車いじりが好きな高校生と、地中から出てきた謎の生物の友情を描くアクション感動作。モンスターのエネルギーで動かせるようトラックを改造。ハンター達から逃れ、住処へ戻してやろうと奮闘するが……。

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リメイク版ドラマ『マクガイバー』主役などのルーカル・ティル主演。『アイス・エイジ』シリーズのクリス・ウェッジがメガホンをとり、『ジュラシック・ワールド』のデレク・コノリーが脚本。原案に『カンフー・パンダ』のジョナサン・エイベルと、豪華スタッフが集結し、家族でみられる傑作エンターテイメントになっている。
高校生トリップは生まれ育った町をあまり好きになれず、友人関係もそこそこにいつも車をいじっていた。ある日、巨大企業が進めていた掘削作業によって地中に棲んでいた謎の生物が地上へ飛び出してしまう。いくつもの触手を持った、タコやイルカのようなそのモンスターは彼のトラックに潜り込んだことで大騒ぎ。不思議なエネルギーでトラックが動かせることに気がつき、偽装を兼ねてモンスタートラックとして改造するが……。
ジェーン・レヴィ 、ロブ・ロウ、ダニー・グローヴァー、トーマス・レノン ら共演。
あらすじ
高校生のトリップは壊れたトラックを修理して生まれ育った町から逃げ出したいといつも思っていた。ある日、町で得体の知れないモンスターが車を破壊する事件が起きる。その生物はトリップのトラックにもぐりこみ騒動の原因に。しかしいつしかモンスターとトリップに友情がめばえる。しかし、モンスター捕獲を狙うハンターたちが彼らを追っていた・・・。(Amazon商品ページより)


ジャケット画像こそB級モンスターパニックぽいものの、実際は「主人公と未知の生物の友情もの」という古き良き王道ストーリーで、最終的に元の住処へと届けてやる=別れって言うちょい切ないけど爽やかっていう終わりも含めてとても感動的な作品でした。主人公が高校生なだけで、家族、小さい子供でも見られると思います。
ただこの映画の1番の特色として、やはりトラックだということが大きく、かなりのシーンでの爆走、暴走シーンがあります。そこが思ってた以上にクオリティ高くて、結構な見応えがありました。予告動画で分かる通り、クリーチのエネルギーによって走行できるように、そして外からはあまりバレないようにと言う改造が施させれた「モンスタートラック」は凄まじい性能を見せ、性能テストでの馬との併走と言うほのぼのから、ハンター達や警察らとのカーチェイスなど色々見せてくれます。さらに触手を持っていることを利用した「技」もいくつか披露してくれて、どことなくトランスフォーマーを思い出しました。走行しつつ運転手と会話したり(意思疎通)色々やるって部分が似てます。

そうそう、クリーチは残念ながら喋らないのですが、触手でじゃれついてきたり、最初はお互い警戒してたのにどんどん絆が深まっていくのが良かった。彼にとってはたまたま餌である石油があったのも幸運ですし、トリップの技能が彼を守るることにかなり役立ってました。もちろんバレないことが一番なんですけど、クリーチ自身が運転するのを楽しんでるのが伝わってきてこっちまで楽しくなりますよね。しかも顔が可愛んだ。教育テレビの「ガンコちゃん」とか、某・大ベテランの棋士的な愛らしさがあると思います。

もちろんトリップの物語としての側面もあって、離婚?別居している父親とか、あまりいい関係とは言えない母親の恋人の警官とか。あとはヒロインである彼の同級生とか。微妙に壁を作ってるような、反抗期とも違う思春期独特の不貞腐れてる感じが「クリーチを無事に助ける」って言う目的を持って生き生きしだしていくのが良かったです。冒頭で触れましたが、個人的にはDlifeで録画してた『マクガイバー』のイメージが強いので、ここでもまたメカいじりしてる笑ってなんか微笑ましかったです。警官ともギクシャクしてたのに、真の悪者が見えてくるとトリップに協力してくれるし、なんだかんだ頼れる男でそこも良かった。お互い喧嘩腰になっちゃうだけで大事に思ってたのは間違いないですしね。「ママをとるなー」って年齢でもないし。

いい奴といえば途中から仲間入りする研究者もいいキャラしてましたね。悪徳企業と実験生物の作品だと、たいていこう言う風に生物そのものの味方をして悪を裏切ってくれるキャラ出てきますが、主人公がガンガン行こうぜタイプなだけに巻き込まれ型お笑い担当としての役割も果たしてていい味だしていました。ヒロインと3人合わせていいチームワークでした。

その3人をのせた3台のモンスタートラックでのカーチェイスが終盤に展開してくわけですが、かなりの迫力があり、ここだけ違う映画のような感覚にさえなります。かなりのスピード感もありますし、邪魔しようと敵も複数の車で追いかけてくるので、ずっとハラハラ。トランシーバーで意思疎通しあいながらの逃走劇は見ものです。さらには敵も本気で倒そうとしてきて、崖からあわや転落、開いたドアにつかまってギリギリ、なんてシーンもあります。そこはクリーチの触手があるのでなんとかなるんですけど、人間が死んでも構わないってのは想像以上の悪でびっくり。

最初にネタバレしちゃった通り、最後には無事に住処に返すことができるんですが、そこでトリップが見た景色がこれまた幻想的で好きでした。クリーチはもういないけど、この冒険でできた縁やトリップ自身の変化は間違いなく残っていて。後日談的なエピソードで爽やかに終わっていくところも大満足。彼のトラックの新しいデザインもグッとくるものなのでぜひお楽しみに。

数年前にスターチャンネルにて録画したのを今更見ましたが、想像以上の面白さ。B級モンスターパニックと勘違いしそうですが、ファミリー向けの冒険カークションファンタジーでとても癒されました。
余談ですが悪徳企業の社長役ロブ・ロウの吹き替えが志賀麻登佳さんで、最近やっているPS4のゲーム「アベンジャーズ」のアイアンマンの人と同じなのでちょっと嬉しくなりました。



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