他人だろうと家族だろうとズバズバ言いたい放題のおばあさん、マルスン。しかし、嫁の病気が発覚し、少なからずストレスも関係しているのではと冷たい視線が。遺影のつもりで立ち寄った写真館で不思議なことが起きる。気がつくと自分が20歳に若返っているのだ。憧れの女優から名前を借り、オ・ドゥリとして別人の人生を歩み始める彼女だったが・・。
若返りモノの王道をなぞりつつも、憎まれ口叩いている彼女の過去、母としての苦労などを描き最後には胸を打たれるヒューマンコメディ。おばあちゃんにナ・ムニ、若返った姿をシム・ウンギョンが好演。
あらすじ
70歳のマルスン(ナ・ムニ)は、向かうところ敵なしの口の悪さと頑固さで近所でも有名なおばあさんだった。国立大教授に出世した一人息子(ソン・ドンイル)を女手一つで育て上げたものの、アクの強い性格が災いし最近は嫁にも煙たがられる始末。ある日、彼女が写真館で遺影のつもりで写真を撮ると、不思議なことに20歳のころの自分(シム・ウンギョン)に戻っていた。(シネマ・トィデイより)
ガッキー&舘ひろし主演でやった「パパとムスメの7日間」あれで言う「中身はおじさんの女子高生」をイメージしてもらえばわかりやすいんですが、見た目は若い女性なのに、中身がおばあさんなので、振る舞いや言動がかなりガサツなんです。これが本当に面白くて、赤ちゃん抱いてる女性に人生の先輩面してアドバイスしてドン引きされたり、古い言い回しを使って「変わってるね(汗」って反応されたり。主演のシムウンギョンは韓国版のだめカンタービレでのだめ(ネイル)をやっていて、コミカルな演技は知っていたんですが、今回もとてもうまくて。おばあちゃん役ナ・ムニさんが若返ったらこうなんだろうなっていう説得力があります。ちなみにこの女優さんも韓国ドラマでよく見ますね。
別人になり、子育てなどで自分には縁のなかった青春というものを改めて体験し楽しんでいるという描写が続いていく中で、少しずつ見えていく彼女の過去。序盤の方で「裏切った」と罵られるシーンがありますが、そうまでしないと息子を守ってやれなかった。劇中のドラマをなぞるように、正体を知ったその息子が、そんな彼女の苦労をちゃんと理解していたのもまた、涙を誘いました。「苦労せず、息子のために鬼にならなくていいんです。僕とは関係ない、第二の人生を生きてください」って。そこで母親が返したセリフにはそれ以上に泣かされましたけど。
もう一人、主人公を「お嬢さん」としたうお爺さんの存在が素敵でした。家族に打ち分けるわけにも行かず、最初に頼ったのが、彼が経営してる下宿。おばあさんの持ち物を持っているので、彼女を誘拐したのか!と問い詰められ、仕方なくほんとのことを話してしまったことで正体については二人だけの秘密(前述の通り、最終的には息子も知りますが)となり、中よさそうに話す、おじいさん+若い女性というコンビに、周りは不審がるっていうベタな展開も笑えましたし、最後の最後で・・。これは出てきた俳優さんも含めてビックリでした。
ありえない展開で、かなりのファンタジーなんですけど、一見するとただの口うるさいおばあさんにも色々な苦労があって、強くたくましく生きてきたんだ。人生の先輩を、なぜ敬うべきなのか、そういうことをもう一度考えさせられる映画でした。
忘れちゃいけないは音楽で、今時のものとは違う、日本でいう懐メロ?を歌い、どんどん売れていくオドゥリたち。その歌声もなんだか癒されて、この作品の魅力の一つだと思います。
笑って泣けて、っていうヒューマンコメディの王道って感じ。多部未華子さん主演で、日本でリメイクされるのも納得。そちらも是非見たいと思います。
ずっと前にスカパーで字幕版を録画したのですが、ネットフリックスにあったので吹き替え版で視聴。歌唱シーンのみオリジナル音声です。(歌詞も字幕で出ました)
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