マスカレード・ナイト / 東野圭吾作品を木村拓哉・長澤まさみ主演で実写化したシリーズ2作目。高級ホテルで大晦日に開かれる仮装パーティ。殺人犯がくるという密告FAXが届く。誰もが怪しくうつる傑作サスペンスエンタメ。

大ヒットした東野圭吾による同名小説を、シリーズ1作目「マスカレードホテル」同様に木村拓哉、長澤まさみ主演で実写化。大晦日、全員が仮装するカウントダウンパーティが開かれる高級ホテルを舞台に、いるかもしれない殺人犯と密告者の正体を見つけ出そうとする警察とホテルマンらの奮闘を描く。監督は『HERO』シリーズなどの鈴木雅之。
数日前に起きた感電死事件。その殺人犯が現れるかもしれないという匿名の密告によってまたしても警察が張り込むことになったホテルコルテシア東京。例によって刑事新田はホテルマン山岸とともに怪しい人物を探るのだが、23時からのカウントダウンパーティーは全員が仮装での参加になりますます正体がわからない。容疑者が複数、さらに無理難題を出す客に翻弄されながら時刻は近づき……。
小日向文世、梶原善、石橋凌、渡部篤郎ら前作キャストが最集結した他、中村アン、田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、麻生久美子、高岡早紀らが参加。
あらすじ
ある日、警察に匿名の密告状が届く。それはホテル・コルテシア東京で大みそかに開催されるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に、数日前に起きた殺人事件の犯人が現れるというものだった。パーティー当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した刑事・新田浩介(木村拓哉)は、優秀なホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て任務に当たる。しかし、500人の招待客は全員仮装し顔を仮面で隠しており、二人は殺人犯の特定に苦戦する。(シネマ・トゥデイより)


いやー今回もかなり揺さぶられました。こういうサスペンスでよく「全員怪しい」って煽られ方はよくすると思うんですが、マジで出てくる人みんなが犯人に思えてきて。あーでもないこうでもないって言いながら予想しつつ見るのめちゃくちゃ楽しいですね。僕は家族と共に見たので、逐一考えを共有しながらでしたが、結論からいうと犯人は当たりませんでした。かなり終盤になって消去法でやっとわかった感じ。
時間が重要なファクターってことに関連する展開は当たったんですけど、多分あれバレバレの釣り針っていうか予想できる前提で作られてますよね悔しいな〜。

続編ということで続投のキャラについて既に知ってるのは強い。それこそ小日向さん演じる能勢さんも前作では怪しく思ってたくらいですが、違うのわかってるから。お客様のためならできる限りのことをするし、疑いたくはないっていう山岸と、刑事だから全てを疑う新田という相反する価値観はそれぞれの職業の意味を含めて今回もすごく強調されますが、一方で一度バディを組んだからこそ影響し合ってる部分もあって。ぶつかりながらも終始喧嘩腰ってわけでもないのが良かった。当然警察側、ホテル側で折れなくてこう着状態みたいなギャグもあるんですけど。

少し具体的に書くと、数日前に起きた事件の【殺人犯】と、そしてその人物が来るかもと匿名の通報している【密告者】がいます。それがどう絡むかはだんだん見えてくるんですが、ホテル側との目配せなどを活用してパーティ参加の顔を全員撮影。さらに身元をチェックしていくという気の遠くなる作業で行くしかないのが辛い。地道に被害者との接点がないかを考えていく。

一方で嘘をついている人が2人いて、夫と2人で来てる風に装っている女性と、プロポーズするから上手くやれって無理難題出してくるいけすかない男。それぞれ麻生さん、沢村さんが演じてますが、単純に「ただの迷惑な客」なのか、それともそう見せて実際は事件に関わっているのか、裏の裏みたいな読み合いが発生してくるのが心地良かった。他にも浮気に使ってるホテルに家族で来ちゃって、しかもその浮気相手も同じ日に予約してあるとかいうドロドロはいるし、なんかいつも荷物抱えてるオドオドおじさんいるしでカオス。

雑踏のイメージ、とでもいうのか、フォーカスが当たらない部分で超たくさんお客さんが行き来しまくる演出は今回も共通してますが、パーティ前も仮装OKってことになってるためいろんな姿の人がいて謎解きに集中しつつもそういう背景一個一個見るのも面白かった。怖いピエロとか、メイクしてたらわからないよ!っていう焦りとか。「ここに来てる時は仮面をつけてる」が物理的にもさようしてくのがいい。その仮面に対してホテルマンは極力そのまま楽しませたいと考えるし、警察は素顔=腹の中を探ろうとする。性善説と性悪説ともまた違いますが、自分だったらどっちに近いかな?と考えちゃう。殺人犯が相手だから、疑ってかかるのが正解でしょうけど。

僕なんか縁がない高級ホテルっていうこともあるけど、それは劇中のお客も同じで「非日常」なんですよね。『無理とは言わない』なんて、要望をなんでも聞いてくれたり、豪華な設備、美味しい食事、洗練されたサービス。アトラクションみたい。そういう舞台でのさらにあり得ない事件という設定は例によって興味をそそられたし、例によって見ているだけでも満足感がありました。

そうそう、文鎮に触るシーンがあったのはニヤッとしましたね。一応1作目見てなくても分かるようにできてますけど、主演2人の関係性っていう意味でも絶対見ることをお勧めします。これと含めて「またか」みたいな天丼ギャグっぽいシチュエーションも多々あるし。あと今回は看板っていう形であの人が友情出演してます。

少しずつ事実が明らかになってもどの人物も怪しく見えてきて、謎解きしがら見るのがとても楽しい王道のサスペンス。一方で高級ホテルならではの苦労という裏側が垣間見えたり、客の抱える様々な事情それぞれのドラマが感じられて時間以上のボリュームを感じさせる作品でした。ほんと「豪華」って言葉が似合うタイプの映画。
どうやら原作小説はまた同じホテルを舞台にした続きがあるみたいなので、そちらの実写化もぜひやってほしいと心から願ってますし、読みたいと思います。


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