マレフィセント2 / 「眠れる森の美女」の悪役を主人公にアンジェリーナ・ジョリー主演で実写化した作品の続編。オーロラとフィリップの結婚が決まる中、魔の手が忍び寄り……。

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「眠れる森の美女」でオーロラに呪いをかけた悪女マレフィセント を主人公にして実写化したファンタジー作品の続編。愛する人間に裏切られ、怒りと悲しみのあまり一度は呪いをかけるもののいつしか本当の娘のような関係になっていたオーロラ。彼女はフィリップ王子からプロポーズされ、お祝いムードになるのだが、それを快く思わないものもいた。同じ頃森では妖精たちの危機が迫っており、結婚式の準備と並行し、恐ろしい計画がたてられていて……。
アンジェリーナジョリー 、エルファニングが前作同様に主演する他、フィリップの母イングレス王妃にミシェルファイファー、マレフィセントと同じ種族のキャラとしてエド・スクラインら新キャストも参加。
あらすじ
呪いの眠りから覚めたオーロラ姫(エル・ファニング)は、フィリップ王子(ハリス・ディキンソン)のプロポーズを受ける。一方、妖精界を滅ぼすために動き出す者たちがいた。そして結婚式当日、オーロラ姫に魔の手が忍び寄る。(シネマ・トゥデイより)


参考リンク前作の紹介はこちら
マレフィセント / 僕らの知る眠れる森の美女とはちょっと違う、真実の愛の物語。彼女に恐ろしい呪いをかけた悪のツンデレ(誤用)妖精をアンジェリーナジョリーが好演。
http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/427824418.html

ディズニーのアニメ実写化作品もかなりの数になってきましたが、このシリーズが他と違うのはスポットを当てるキャラを変えて、独自のストーリーが展開するっていうところ。まあタイトルも「眠れる森の美女」じゃなくて「マレフィセント」でしたからね。前作も悪女として有名な人物に悲しげな物語があり、さらには呪いをかけた相手をずっと見守っていた、彼女の女性、そして母親としての姿に誰もが感情移入できるドラマとして面白かったのですが、今回は特にアクションファンタジーとしてパワーアップ。

彼女が悪役じゃないのはわかりきってるのでじゃあ誰が今作の敵かというと、それはフィリップの母イングリス。せっかく人間も森の他の種族も仲良くしようって考えてる中で、彼女は逆に対立を煽り、さらには根絶やしにしようと考えています。人知れず拉致されたり、消滅させてしまうオレンジの粉を研究してたりと、本格的な戦争の準備してるのでドン引きします。下手に血が出ないから映像自体はそこまでグロくないんですが、文字通り「妖精を消す」効果は恐ろしく、個人的には逆に残酷さが際立ってた気がします。

フィリップたち家族にマレフィセントが招かれ、そこで罠にはめられて彼の父「ジョン王に呪いをかけた」という濡れ衣を着せられてしまいます。かなりの傷をおい、逃げ延びた先で彼女は自分と同じ種族「ダークフェイ」の生き残りに出会い、そこで人間に虐げられてきた現状と不満を知ります。新キャラ・ボーラが中心となって「人間たちと戦うべき」ってのが多数派ですが、マレフィセント とオーロラとの絆を知り、「種を超えた架け橋になれる」と信じてくれてる者もいたのがグッときました。ちなみにその仲間として日本人MIYAVIさんも出演してます。白いダークフェイなので結構目立つかも。実写版ブリーチで 朽木白哉とかやってた本業は世界的なギタリストさんです。

いつもの気を張ってる「魔女」モードじゃなくて髪の毛普通にして弱々しくなってるマレフィセントがガラッと雰囲気変わって、元々アンジー美人だとは思うんだけど独特の美しさが出てたように思います。せっかく娘の結婚を祝って、これからさらに人間と仲良くなっていけると思ったのにそれがまた裏切られたわけですから傷心なのは当たり前ですし、自分のルーツを知ることにもなった。そして過去と同じように怒りに任せて報復するのか、それとも……という揺れ。今回はまた別の意味で彼女に共感しやすい作りだったなぁと。

もちろん設定だけじゃなくて出てくるものもファンタジー要素はたくさんあって、当たり前のように受け入れてますけど妖精たちは多種多様。植物に似た姿のもいれば、小さい人間のようなタイプも。前もインパクトがあった赤緑青の3人ももちろん再登場しましたし、終盤のあの展開は……。そうそう、マレフィセントの子分的ポジションであの烏(ほとんど人間の姿で登場)も出番多めでしたし、やはり1作目あってこの映画だと思います。じゃないとオーロラのあの「だってあなたは……」に対する感動が全然違うと思う。あれほんと泣けます。

映画が終わりに向かうにつれてついに戦闘がはじまると、カメラワークも相まってものすごい迫力でした。特にダークフェイは翼を持ってるので、見栄えがあるんですよね。かたや人間もすごく本気ですから、過激。命令系統というか指揮をピアノ演奏というのがユニーク。あの赤髪の女性兵士もキャラが立ってましたよね。最後まで見ると一応救いはあるんですけど、そのピアノを無力化する手段が結構ショッキングでした。両陣営共に犠牲が多い。やっぱりいがみ合っていいことなんかないんだって実感します。

もちろんマレフィセントもアクション面でもさすがってパワーを見せてくれますし、特に力が解放された姿はとてもカッコ良かった。でもそれでねじ伏せるんじゃなくて、ちゃんとハッピーエンドを目指す解決をしてくれる。多くを巻き込んだ罪人なんで個人的にはもっとイングレスにバチが当たってもいいのでは?とも考えちゃうんですが、それだとまた憎しみの繰り返しになっちゃいますしね。何よりディズニーだし。ここから改めて種を超えて手を取り合って平和を目指していく。結婚という意味でも新しい一歩というイメージで、爽やかなラストでした。

ディズニー+にて吹き替え版で視聴。
前述の通り1作目を見てからの方がより入り込めますので、2作合わせてぜひぜひ。もちろんアニメ映画もあります。







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