マイ・スパイ / 任務で暴走した結果、危険な任務から外されて犯罪者の血縁である母娘の監視をさせられたCIAエージェント。デイヴ・バウティスタ主演のハートフルアクションコメディ。

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屈強なCIAエージェントが監視対象の少女に翻弄され、いやいや付き合ううちにその母親ともども大切な存在になっていく様子を描いたハートフルなスパイアクションコメディ。主演は元プロレスラーのデイヴ・バウティスタ。
危機を防ぐために任務に当たっていたCIAエージェントのJJだったが、情報を引き出す前に敵のほとんどを倒してしまい、仕事を外される。現場経験のない女性技術者と共にとある母娘の監視につくもその正体をあっさり看破され、しゃべらない代わりにスケートや授業参観などお願いを聞くことに。しぶしぶ付き合いながらも少しずつ絆ができ、しかも母親とも親密になるが、彼らの元に危険が迫り……。
クロエ・コールマン、クリステン・シャール、 パリサ・フィッツ=ヘンリー、ケン・チョンら共演。
あらすじ
ある任務で暴れすぎてしまい、経験の浅い同僚のボビィと組まされ監視任務をすることになったCIAのエージェントJJ(デイヴ・バウティスタ)は、監視対象でテロリストのマルケスの義姉ケイトとその9歳になる娘ソフィ(クロエ・コールマン)が暮らすアパートにカメラを仕掛ける。しかしソフィはカメラも監視部屋も発見し、それを秘密にすることを条件に、スパイのレッスンや学校のイベントへの参加をJJに迫る。(シネマ・トゥデイより)


古くは「レオン」をはじめ、冷徹なプロだったり、あるいは屈強な男だったりと少女という組み合わせでアクションやりつつも心を通わせる様子を描いた王道映画。ネトフリ「アーミーオブザデッド」やMCUの「ガーディアンズオブギャラクシー」などなど、デイヴ・バウティスタの出演作は色々見てきてますが、この人もよくみると優しそうな顔しているのでこういうテーマもピッタリ。逆にいうと大まかな展開が予想しやすい作品でした。

とは言え、冒頭は完全に普通のCIAエージェントとしてガッツリ仕事を見せてくれるわけですが、この時点でかなりコメディ全開。無茶苦茶強いんだけどやりすぎちゃったり、「ピンチ?全員倒せばいいんだろ」って単純すぎるから結果として大失態。そしてメインストーリーである、シカゴの監視任務をやらさせることに。この辺りの激しいドンパチと格闘、さらにBGMの使い方が結構凝ってて楽しかったです。

そういうちょっと間抜けなエージェントなのに加えて(相棒の女性技術者もいいキャラしてます) ソフィがとても賢いという要素が加わったことで即効正体をつきとめられます。そこからは暴露するよっていう脅しと引き換えにいくつものお願い事をさせられるんですが、そこから最後の30分に急展開するまではずっと微笑ましい時間が続いてかなり癒されます。

「スパイとしての作法を教えて」という願いもすごいし、レクチャーするのもなかなかすごい(笑) とどめをさす時の決め台詞だとか、爆発をバックにゆっくり歩くところ。これは映画終盤に伏線回収されます。さらには嘘発見器の攻略法などなど。それについていくソフィがさすがで「あのマンションのどこかのベランダに侵入しろ」って指示に対しての余裕のクリアとか、予告動画でもある唯一の宝物の魚を使ったテクなど、子供とは思えない場面もしばしば。完全にJJを手玉にとってて笑っちゃう。
その魚の流れにも関連して、「傷ついた鳥を救ったら……」や「悪人とはいえやられ方が酷い」など、若干ブラックな笑いもありますのでご注意を。

学校でちょっと浮いてるソフィが彼と過ごすことで元気になるのも良かったし、スケートや授業参観の結果としてソフィ自身も人気者になるのも優しい世界でこっちまで嬉しくなりました。冗談のふりしてCIAだって明かすのとかめっちゃカッコいい。彼も孤独だったから、なんとなくわかるんですよね。寂しさとか。
そういう姿によって母とも親密になっていく。アパートの隣人としてゲイのカップルも登場するんですが、二人の恋を応援して服をコーディネートしてくれるのもベタだけど好き。片方が超無口で、必ず代弁するのも妙にツボに入るんだよな〜。

半分を過ぎたあたりからスパイものとしての割合が大きくなってきて、別チームが動いていたガチ犯罪者たちとの攻防に変化が起きて、JJの任務自体も影響を受ける。わかってたとは言え「任務で近づいた」ってバレてしまうのが切ない。この映画の場合はソフィは初めから知ってるからまだ傷つくのも少ないけど、結局離れることになっちゃうからな……。

そんなところに畳み掛けるように彼らに危険が迫り、予想外の人物も巻き込んでドタバタに。ここから一気にシリアス&アクション映画として盛り上がっていきます。カーチェイスや飛行場。序盤と同じくらいガッツリ戦いますし、カッコ良かった。子供が出てくる以上最後に正義は勝つだろうしハッピーエンドなのはわかってるんですけど、適度な緊迫感で面白かったです。
決着がついた時、そしてその後の「今それやるのか」って流れも好き。

CIAの人も最終的には優しくて、みんなが幸せになる選択肢を選べてほんと温かい気持ちになりましたし、最後はスケート場でコミカルに終わるところも非常に爽やかでした。期待した通りの面白さ。

本国ではAmazonがお金出してプライムビデオのみだったらしいのですが、日本だと劇場公開したようで。たしかに「こういうのでいいんだよ」をちゃんとやってるいい映画ですからね。どんな人にも安心して薦められる作品です。

U-NEXTにて吹き替え版で視聴。

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