SP 国家情報局:Mr.ZOO / 動物が苦手だったエリートSPが突如生き物と話せるようになり、相棒の犬と共に拉致されたパンダを救い出そうと奔走する韓国産ドタバタアクションコメディ。

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イ・ソンミン主演、動物と喋れるようになってしまったエリートSPが、犬と協力して誘拐されたパンダ奪還に挑むハートフルアクションコメディ。動物が嫌いだったはずの男が、まるで天罰のように彼らの声が聞こえるように。最初こそ嫌がっていた彼は次第に動物たちと心を通わせていく。
国家情報局に務めるチュ・テジュは、友好の証として送られたパンダのお披露目イベントの警備を担当していたが、そこにテロリストが現れパンダを誘拐。追いかける途中でバギーに轢かれ目を覚ますと、なぜか動物の声が聞こえるように。自分がおかしくなったと戸惑う彼だが、パンダを救う手がかりを掴もうと奮闘するうち、軍用犬のアリと協力することに。共に過ごす中で少しずつ絆が芽生え始め……。
キム・ソヒョン、カル・ソウォン、ペ・チョンナム共演のほか、アリの声をシン・ハギュンが担当。

あらすじ
国家情報局エリートSPのチュ・テジュ。昇進を控えたある日、韓中友好の証として来韓するVIP、メスのパンダ・ミンミンの護衛を任される。動物の護衛なんて、と事態を軽く見ていたテジュ。しかし、ある組織にミンミンを連れ去られてしまい、攻防の際に頭を打ち動物の声が聞こえるようになってしまう。ミンミン護衛の任務に失敗して以来明らかに言動のおかしいテジュに、上司や仲間は休職を勧めるが、このままでは終われない!ミンミン誘拐現場に偶然居合わせた軍犬アリと、ミンミン捜索・奪還の捜査を独自に始めることに。しかし思いもよらぬ壁の連続が彼らを待ち受ける…。(amazon商品ページより)



前述の通り主人公が動物と話せるようになるので、「生き物が人語を喋る」タイプの動物映画です。当然CGで、特にパンダがわかりやすいんですがお話にのめり込んじゃうと気にならないし、メインキャラの犬アリは目とかも含めてなんともいえない表情で無茶苦茶可愛かったです。動物ネタというとゴリラが野球選手になる映画も面白かったな〜。

タイプとしては【嘘つきが嘘をつけなくなる】に似ていて、冒頭は野良猫をゴミ箱に入れるくらい結構ひどい扱いだった主人公のチュでしたが、パンダを救うという目的のためにアリと協力していく中で動物全般に対しての思いやりが出ていく構成はグッときます。自他ともに認めるエリートだから冷たいところもあるし、一人娘との接し方もうまくいってない中で「いい人」へと成長していく。面白いのが第三者目線だと「ワンワン」とか泣き声を喋ってるように見えて、単純にペットと会話してる人よりも異様に見えちゃうんですよね。よって組織からも腫れ物に触るような扱いに。 ドクタードリトルタイプ。予想してたことだけど、可哀想だったな。一方で娘は優しくなった今の父親の姿の方が絶対いいだろうし、ほとんどが好転してる。当然パンダも救えるし……。

ただ再序盤人間と距離をおいた動物たちのテリトリーに入った時に、ネズミや蛇なんかも出てくるのであらかじめご注意を。女性の後輩SPなんかヘビを見て卒倒してたけど、なかなかに閲覧注意だと思う。CGってわかっててもきついよ。それを自分のマンションの部屋に入れちゃうからね。変化したとはいえ、極端すぎる気もする(笑) シカのフンを手で拾い集めてた。

メインとなるのはアリとの「ヒトと犬との絆」なわけですが、この子にも悲しい過去があって、しかも今回の反抗グループと繋がっている設定も良かった。かつての相棒の仇を取るって意味合いも出てくるし、最初こそ問題児扱いされていた彼の「火薬の匂いが苦手」なども真相を知るとジーンときちゃいますし、それでも人間に尽くそうと頑張る姿が良かった。そう訓練されるとか、会話できて嬉しいからってあそこまで一生懸命になれないよね。軍用犬のほまれだと思う。

チュと動物チームが少しずつ犯人を追い詰める中で、全編を通じてギャグ担当だった仲間が一人いて。先日紹介した「ノンストップ」でも勘ぐりすぎる客室乗務員やってたペ・チョンナムさん。今回もいい感じのバカで笑わせてもらいましたよ。パンダの着ぐるみに入ったり、敵のアジトのそばで偶然迷子になってたり。ふざけてんのかと思わせてちょいちょいアシストするからすごい。最後の最後は彼のあることがらが鍵になってましたしね。

中盤ぐらいでパンダ救出は解決するものの、倒しきれなかった犯人の次の犯行が計画されてというふうに大きく分けて2つの山場がありましたが、後半戦は功績でSPに復帰して組織として動くっていうのもストレスがなくて良かった。いつまでもバカにされるのはキツい。さらにシリアスさがエスカレートしていて、ほんと命の危機まで行っちゃうからとてもハラハラしました。アリにとっては刺し違えても勝ちたい相手だろうし、チュはそんな彼を守ろうとして……。

子供も見れる作品だから切なすぎる終わりはないだろうな、とか、声が聞こえなくなっても動物を大事にするエンドかな?なんて予想を立ててましたが、やっぱりハッピーエンドで良かったです。少し時間を遡って、動物大集合のダンスシーンで終わるのもなかなか良かった。(ここでもヘビでますから注意) 後日談的に、「今度はあの人が〜」ってのもニヤッとさせられた。

自分のお父さんなのに心の距離が離れている意味もあって娘はMr.チュと呼んでるんですが、それをもじってMr.ZOO。原題だとVIPと書いてベリーインポータント"パンダ"なんて遊び心があったり。岡田准一さんがチラつくような、ちょっとかっこいい邦題なのは実際の内容とのギャップが面白いかもしれないですね。

基本的には子供と安心して見られる内容になってますし、改めて動物を大事にしたい。あるいは喋れたらいいなぁって思わされる映画。爽やかに笑えて泣けて、おすすめです。

U-NEXTにて吹き替え版で視聴。
22年6月現在見放題対象です。

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