マザーレス・ブルックリン / 恩人を殺された事件の真相を追え。障害と戦いながらも並外れた記憶力をもつ私立探偵が暴く、闇。エドワード・ノートンが監督・脚本、製作、主演をつとめたノワール。

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影のある男が似合う(個人の感想です)エドワード・ノートンが、監督、脚本、製作、主演をつとめたノワール作品。恩人を殺され、犯人やその裏に隠れた真相を追う私立探偵の描く。脳に浮かんだことを口走ったりこだわりが強い障害に振り回されながらも、卓越した記憶力で推理していく主人公を好演。
探偵業をするライオネルは、ある日の任務中に恩人でもある上司フランクが殺されてしまう。悲しみにくれながらも、最後に調べていたのはなんだったのか、そしてなぜ殺されたのか一つ一つを追っていく中で、大きな闇の存在にぶち当たる。
すぐに殺される恩人役でブルース・ウィリスの他、ググ・ンバータ=ロー、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォーら共演。
あらすじ
1957年のニューヨーク。障害を抱えながらも並外れた記憶力を持つ私立探偵ライオネル・エスログ(エドワード・ノートン)の恩人で友人のフランク・ミナ(ブルース・ウィリス)が殺される。事件の真相を探るため、ライオネルはハーレムのジャズクラブからブルックリンのスラム街まで、わずかな手掛かりを頼りに調査を進め、街を牛耳る黒幕にたどり着く。(シネマ・トゥデイより)


障害とはわかっていても「もし!(if)」とかかなりの頻度で叫んだり、下品なワード含め耳にした言葉から連想される単語を口走っちゃう様子は奇抜で、慣れるまではこれはすごい主人公だなって思いました。最近だと芸人のプラスマイナス岩橋さんがそういう病気抱えてるってだいぶ浸透してますよね。笑うのは不謹慎かなと思いつつも、バーで女性にマッチをする→音が気に入らないのですぐ消してやり直す、を繰り返したり、ヒロインといい感じになったら「キスしろよ!」て第3者視点で言い出したりするなど、明らかに笑わせるの前提で作ってるシーンもあったりして、とにかくインパクトありました。吹き替えがデッドプールと同じ加瀬さんだったのも余計におかしみ。

でもライオネル本人としてはそんな自分にうんざりしてて、いつも物憂げな表情。でもその瞳の奥に絶対に恩人の敵をとる(真相を探る)っていう強い意思を感じて、改めてエドワードノートンにぴったりの役柄だったなぁと。まあ自信があるからこそ自分で作ったんでしょうけどね。ジャンル的にフィルムノワールってことで、古き良き犯罪調査モノの王道って展開を見せますし、全体的に淡々と進んでいくのでハラハラドキドキっていうよりはどんどん前のめりになってしまうタイプの映画。144分と長めなんですけどね。一体どんな真相があるのか?と気になってしまう。

真相に近づいたかな、と思うとライオネルがボコボコにされたり、違う要素が出てきたりしてなかなか掴みきれない。なんとなくアレックボールドウィンのモーゼフが悪そうなのは確定してるとはいえ、中盤あたりでウィレム・デフォー扮するポールと知り合ったあたりから、再開発やそれに抗議する団体。フランクはどう絡んでいたのか?ってまた煙に巻かれるのが焦ったくて、そこが面白かった。一度「ああ、そういうことね」と思わせておいて、実はもう一捻りあるとか、かなりやられました。

ヒロインとの関係性もよくて。彼女の「みんな誰しも毎日戦ってるのよ」ってセリフがとても印象的。障害について特別視しないキャラクターって見てるこっちまでジーンときますが、彼女もまた黒人であることで戦っているんだなとか感じさせる言葉でもあります。原作は90年代だったのを、映画化にあたって50年代に変更してますからね。ジャズ奏者を含め、劇中の黒人キャラは主人公に対してみんな好意的だったのは、同じように言われなき差別に虐げられてるからもあるのかな、なんて思って見てました。

フランクの「俺の帽子」になかなか思い至らないところは若干お話の都合かな?と感じてしまいましたが、そこに示された手がかりの場所と、見つけたライオネルが導き出した"真実"など、割と地味な映像が続く中で最後の最後で一気に繋がっていく感じは特に気持ちよかったですし、主人公が「君を甘く見てた」的な評価をされるところもスカッとしましたね。見事辿り着いたぞ!どうだ!みたいな。それも主人公が一貫していいやつだからこそなんですけどね。すごく応援したくなるタイプでした。

犯罪を扱ったサスペンス的物語なものの、ド派手アクションとかも少なめ、画面も常にどよーんとしてるんですが、逆にいえば物語の面白さや演技だけでぐいぐいのめり込めちゃうってことでこういう映画も面白いよなぁって改めて感じました。前述の通りちょいちょい笑いもありますから、退屈にも感じなかったし。おすすめ。

ちなみにタイトルの意味はフランクがライオネルにつけたあだ名。母親なしでブルックリン出身だから。病気についての偏見で修道女にお仕置きされる日々から救ってくれた、とか単に上司以上の存在だったのがわかって泣けるし、だからこそ真相解明にここまで頑張れたんだと思うとグッと来ます。

Netflixにて吹き替え版で視聴。




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