リミットレス / 脳を活性化させる非合法のドラッグによって別人に生まれ変わった主人公。作家をやめ、投資の世界に飛び込むも、命を狙われるようになり・・・・。: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2017年04月10日 19:00

リミットレス / 脳を活性化させる非合法のドラッグによって別人に生まれ変わった主人公。作家をやめ、投資の世界に飛び込むも、命を狙われるようになり・・・・。

ベストセラーとなった「ブレイン・ドラッグ」という小説をブラッドリークーパー主演で実写化したアクションサスペンス。小説家の主人公が偶然再会した別れた妻の弟からもらった新薬。それは脳を100％活性化させるというもので、過去に１度でも見聞きした情報をすぐに引き出したり、一目見ただけであらゆることがわかってしまうように。スランプ気味だったはずがあっという間に大作を書き上げてしまう。薬の素晴らしさに感動するのも束の間、弟は強盗にあって命を落とし・・・。
斬新な設定でヒットしのちに続編となるTVドラマシリーズも作られたほど。共演はロバートデニーロ他。
あらすじ
スランプに陥り恋人も去ってしまった作家のエディ（ブラッドリー・クーパー）は、元妻の弟から脳が100パーセント活性化するという新薬「NZT48」を手に入れる。薬を服用するや一晩で傑作小説を書き上げた彼は、さらにビジネス界にも進出して株取引や投資で大成功を収める。瞬く間に財界の頂点へと駆け上がっていくエディだったが、やがて薬の副作用に苦しめられ……。(シネマ・トゥデイより)

設定からして非常にワクワクするお話で、これは小説がヒットするのもうなづけます。しかもその世界観を工夫して映像で表現しているので、本当にこういう薬があったらなぁって妄想が捗ります。例えばそれまで暗かったのに飲んだ瞬間に「主人公が見えている世界」がより明るい色に見えたり、探偵ドラマみたいに話してる相手の持ち物の一部にフォーカスして関連情報が勝手にひらめいたり。
本を書き上げるシーンでは大量のアルファベット、投資をしてるシーンでは大量の数字がそれぞれ画面いっぱいに出てきて、ありがちではあるもののウヒョーってなりました。一番ユニークだったのは、テキパキ動ける、という見せ方なのか、一つの場面に主人公が分身して高速で色々やっちゃうっていう描き方が面白いなーって思いました。「一呼吸置いて、まず何から始めればいいか頭の中で整理する」ってのは僕もよくやりますが、それをこの映画ではもう一人の自分が見ているように描写してる感じ。

一方で題材が題材だけに、強烈なしっぺ返しがくるのではっていうヒヤヒヤがすごい。「世にも奇妙な物語」に通じるものがあると思うんですが、これお国柄関係なしに「うますぎる話はない」訳で、主人公が痛い目を見る結末だろうなっていう先入観があったのです。
結論から言うと、ハッピーエンドです。主人公の勝ち。最終的にかなり成功して、いよいよ上院議員に立候補ってとこまで行っちゃう。おまけに今後の破滅を予感させる描写すらなし。これはあっけに取られました。残念ながらシーズン１全22話のみで打ち切りになってしまったドラマシリーズはこの映画の続きで、ブラッドリークーパーも議員エディ役で登場するらしいので、「死なない」ことは分かっていたんですが、まさかここまでとはね。

ただそこに到るまでのハラハラはすごかったです。序盤からいきなり薬をもらった元義弟が殺されるし、薬の副作用では？って言う症状が出てくるし。一躍有名人になって、デニーロ扮する大物から仕事をもらえるチャンスなのに薬が切れて元のダメ人間になっちゃたり、借金取りに薬のことがバレてそいつも交わさないといけなくなるし、で複数の方面でも命の危険が迫っていて、大丈夫なのこれって。映画冒頭で自殺しようとしてたし、どこで繋がるんだって気にもなりますし。
でもそんな状況ですら「薬の力で賢くなれば何かしらの打開策がひらめくはず！」で押し切ろうとするからすごい。なんと言うかエディの度胸だけは元から人並み外れたものがあったんだと思います。

前述の通り、「いくらすごくてもドラッグはドラッグ。身を滅ぼす」って話かと思ったら「使い方を守れば人生バラ色だよ。危険もあるけど、切り抜けられる！」って流れになるのは予想外でしたが、映像表現とか無双っぷりとかサスペンス的にも楽しめて面白かったです。この薬はないですが、飲んだような気分になって、部屋の掃除とか、アイディア出したりとかしたくなりました。

午後のロードショーでも録画してあるのですが、Netflixにて吹き替え版を視聴。