あらすじ
ある日、フランスの田舎でこじんまりとしたレストランを経営するオルタンス(カトリーヌ・フロ)のもとにフランス政府の公用車がやって来る。彼女はパリ中心部にあるエリゼ宮殿と呼ばれる大統領官邸へと招かれ、フランソワ・ミッテラン大統領のプライベートシェフに任命されたのだ。だが、これまで女性料理人がいなかった男社会の厨房ではオルタンスはよそ者でしかなく……。
あらすじにはフランスでの出来事しか書いてませんが、映画自体は南極探査に訪れたオーストラリアのクルーたちがそこで働く女性料理人に出会い、彼女について知りたがるという形式でスタート。もうすぐ任務を終えて南極を去る彼女がどれほど他のメンバーたちに慕われていたのかと言いう現代パートと、ここにくる前に2年間働いていた「大統領官邸」での日々を交互に描いていきます。もちろんメインはフランスなので比重もそっちの方が多いですけどね。
上記でも「よそ者」と書かれていますが、初っ端から「デュバリー夫人」などど揶揄されたり、基本的にオルタンスに好意的なのは助手一人だけ。プライベートシェフというのは大統領本人や彼が招いた人物との食事を担当する料理人で、官邸全部を司る「厨房」とは独立した存在。その厨房にいる男料理人たちからすれば、急に大抜擢された「田舎のおばさん」扱いなのは少し理解できますが、映画終わるまでほとんどその関係性が変わらないのが意外でした。他の作品だと実力を認めて協力し合うという流れとかありそうなんですけどね。
でもまあそこまでの意地悪されるわけではないので、そういった声をもろともせず自分が良いと思う料理を作り続ける姿をただただ応援するという感じですかねー。なんとなく朝ドラを見ている気分になりました。2時間じゃなくてもっと長い間見てたい。そんな作品です。助手がちょっと気弱で、彼が勇気を出せなかったことでオルタンスが勘違いしてさらに厨房を敵視、って流れはなんとも言えない気分になりましたけど。
もう一個の障害は大統領の体調を考えての、医療チームからの意見。栄養バランスなどを考えての作る必要があり、それによって彼女の独創的な料理が作れなくなってしまうのです。これはまあしょうがないと言えばしょうがないし、うまく折衷案を見つけながらってのもできそうなんですが、如何せんオルタンスも頑固な人なのでね。そう、怒るときはかなり怒るし、人間味があってそこも魅力的なんですよ。嫌味も言うし。
予告動画でも少し出てますが大統領自体も少しだけ登場します。エリゼ宮と言われる官邸の広さだったり、政治というかパワーバランスの事があってもなかなか本人と出会えない中での、彼女とのやりとり。料理を作る、というのは仕えてる人の事をどれだけ思えるかってのも大事ですし、グッときますね。あと辞める時の流れも涙を誘いました。
題材が題材なのでこれまたいわゆる飯テロのオンパレードで、見てるだけでお腹が空いてきます。南極でのワイワイもこっちまで楽しくなるし、期待値以上に面白い映画でした。
スターチャンネルで録画済みでしたが、Amazonプライムビデオにあったので吹き替え版を視聴。おすすめです。
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