ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~ / 二宮和也主演。一度食べればどんな料理も作れるという才能を使って報酬を得ている青年にきた、中国人からの依頼。かつて天皇の料理番が作ったという究極のレシピを再現することだった。

food_katsu_sandwich.png
テレビ番組『料理の鉄人』を手掛けた田中経一小説を原作に、「おくりびと」「天地明察」などの滝田洋二郎監督がメガホンをとった感動作。主演は二宮和也。
一度口にした物はどんな料理も再現できるという才能を生まれ持った佐々木充は、余命わずかな人間の「最期の料理」として思い出の味と引き換えに収入を得ていた。そんな折に中国人から300万という大金で舞い込んだ依頼は、かつて日本人が世界最高のコース料理を目指して作った「大日本帝国食菜全席」を再現して欲しいというものだった。レシピのありかさえわからない状況で、製作にあたった元・天皇の料理番である山形直太郎の足跡を辿る中で彼らの隠された物語が明らかになり……。
当時の登場人物として西島秀俊、宮崎あおい、西畑大吾、兼松若人の他、綾野剛、大地康雄ら共演。
あらすじ
佐々木充(二宮和也)は、「最期の料理人」として顧客の「人生最後に食べたい料理」を創作して収入を得ていた。絶対味覚を持つ天才でありながらも、彼は料理への熱い思いを忘れかけていた。そんな折、彼のもとにかつて天皇陛下の料理番だった山形直太朗(西島秀俊)が作り上げたという、“大日本帝国食菜全席”のレシピを再現する仕事が舞い込む。(シネマ・トゥデイより)


二宮くん主演というということになってますが、半分くらい回想シーンで構成されてるために山形直太郎も主役の印象ありますし、実質的には西島秀俊さんのダブル主演という感じ。あまり詳しく書くとネタバレになっちゃいますけど、今現在レシピがないってことでじゃあどうやって出来たのかということを充自身が探し出すことになり、宮内庁へ行き、一緒に満洲へ行った人の店に行き、当時親交があった外国人に会い……と色々とたらい回しにされていきます。で、そのつど回想というか当時何があったのかが描写されるんで視聴者と充が一緒になって事実を少しずつ知っていくというパターン。

出てくる料理はどちらかというと目で楽しませたり、他にない独創的な発想のものが多かったのであまり見ててめちゃくちゃお腹減るっていう飯テロ感は少なかったですが、そこはやはり究極のレシピなんでどれもみんな美味しそうでした。しかもみんな生き生きと料理してるんで見てるこっちまで幸せな気持ちになります。山形さんが口にした、理想とも思える願い。食の前ではどんな人間も平等ですからね。美味しいという気持ちは人類共通のもの。昨年のキムタク主演ドラマでもレシピ考案の難しさと楽しさみたいなものを味わいましたが、ほんと日本が世界に恥じないものを作るっていう事以上に彼が大事にしてた想いにグッときちゃいます。

対照的に充はずっと冷めていて、そういう話を聞いても「才能がない人が逃げるためにいう言葉だ」なんて捨て台詞吐いちゃう始末。彼は施設育ちで、かつ父親同然の延長に「料理人の夢」を否定されたりしてました。そして挫折。だから二宮くんはずっと険しい表情をしてたんで、正直きつかっただろうなって思います。『検察側の罪人』の取り調べシーンの豹変も難しかったでしょうが、こっちもまた大変な役です。もちろん西島さんも同じような才能があったが故に彼同様「究極を求めるあまり周りに完璧を強いてしまう」という誤った道を進みかけたんですけど、あることをきっかけに正しい道を見つけられて、正直ほっとしました。

そう、かなり順調に行ってたんですよ、レシピ作りは。予告動画で結構なところまでネタバレしちゃっててご注意なんですが、ここに当時の満洲と日本との関係や世界情勢が関わってきまして。序盤で楊さんを「満人なんで自由に使ってください」なんてセリフが出てきてあまりいいおもいしなかったのですが、もっと胸糞悪い方向に進みます。この映画というか原作小説自体はフィクションでしょうけど、これに近い感覚があったのは確かでしょうしね。つい最近「台湾新幹線」のドラマ見てた時も同じ気持ちになりましたけど、こういう描写を見るのは日本人として複雑な想いです。

同じ才能、という部分でなんとなくピンとくるひとも少なくないと思いますが、だんだん回想が現代に追いつくに連れてどんどん真相が明らかになって、そことそこがこう繋がるのね、と最後に一気にすっきりするのは気持ちよかったですし、確かに充の旅を客観的に言えば「たらい回し」なんですえけど、ちゃーんと意味があったんだなぁと。そしてその意図が通じて、彼も最後には大事なことに気がつけたんだなぁと。山形さんの物語としても切なくて胸が熱くなるんですが、充の成長という部分でもラストはまとまっていて、なるほど爽やかに見終わることができました。

二宮くんが料理をするシーンがほとんど無かったり想像とは違った展開でしたけど、レシピにかけた人々の思いを感じられ、主人公と一緒になって「何があったんだ」とどんどん引き込まれていく面白さのある作品でした。

余談ですが、回想の鎌田役の西畑大吾くん、この作品では時代が違うんで共演こそしませんでしたが、二宮くんとコンビで日清のCM出てますよね。(軽くwikipedeia調べたら尊敬する先輩として挙げてるようで、そういう縁なんでしょうね笑)


Netflixにて視聴。







この記事へのコメント