仮面病棟 / 知念実希人のミステリー小説を、坂口健太郎&永野芽郁主演で実写化。1日だけの当直として知り合いの病院に出向いた医師が、ピエロ姿の犯人による立てこもり事件に居合わせてしまうのだが……。

知念実希人によるミステリー小説を、木村ひさし監督が実写化。主演は坂口健太郎、永野芽郁。当直を担当した病院に武装したピエロ男が逃げ込み、医師らを人質として立て篭もり。その病院を舞台に、スリリングな一夜を描く。
知り合いが院長を務める病院にて、1日限りの当直として働くことになった医師の速水。寝たきり患者が多く入院し、あまり忙しくないという話だったが、近所のコンビニで発砲事件が発生。ピエロの仮面をつけた犯人が犠牲者の女性と共に現れ、立てこもりを宣言。なんとか怪我人を治療するも、朝までは警察を呼ぶことすらできない。こう着状態が続く中で脱出の機会を窺う中、この病院には知られてはならない秘密あることがわかり……。
内田理央、江口のりこ、高嶋政伸、大谷亮平、朝倉あき、笠松将ら共演。
あらすじ
医師の速水(坂口健太郎)は、一日だけの当直医として元精神科病院に出向く。だがピエロの仮面をかぶった凶悪犯が突然押し入り、傷を負った女子大生の瞳(永野芽郁)と院内に立てこもる。速水は、身元のわからない64人の入院患者や病院の職員らと一緒に監禁されてしまう。(シネマ・トゥデイより)


人間がいるとはいえ、夜の病院を舞台にしている時点で全体的に薄暗く、ひょっとするとホラーとも取れる雰囲気が漂ってました。見慣れていくとはいえ、立てこもり犯がずっとピエロの仮面しているので苦手な人はそこもきついかも。入院患者はほとんど寝たきりの状態だし、映画の登場人物としてカウントするのは当直している医師看護師と院長、そして立てこもり犯と共にやってきた、被害者の女性・瞳だけ。彼女は銃で撃たれていますが、治療の結果なんとか一命をとりとめ、さらには主人公速水の仲間として、基本的にはこの二人でなんとか脱出を目指すことになります。

そもそも同僚たちと協力すれば良いじゃないって話なんですが、どうも怪しいんですよね。犯人と内通してるってことじゃなくて、別のやばいことに関わってそう。部屋に鍵をかけていたり、手術室に近寄られたくないそぶりをしたり。警察に色々調べられてなくないってオーラがすごく出ている。高嶋さんこういう役ほんと似合いますよね。

正直その謎は映画が進んでいく中で明らかになっていくわけですが、そもそもそれと立てこもりは関係しているのかいないのか。あとは速水の恋人の死は何か関連しているのか。とか、不穏なムードや謎だけは漠然とあるけど、明確に答えが出ずに焦らされる感じが面白かった。加えて伏線回収がとてもうまかった印象。見てる時はあんまり気にしなかったけど、あれはああいうことだったのか、と後になってわかる気持ち良さ。ピエロの正体とかを含めて構造自体は王道パターンのうちの一つかも知れないけど、とてもハラハラしました。

全部が判明したあとももそのスリルは継続し、一線を超えてしまうかどうか怖かった。これだけはネタバレしてしまうと一応主人公が善人なのは間違いないことなんで、極力巻き込まないようにしてくれてるんですけどね。それでも危険なのは変わりない。動機もすごく共感できるポイントだった反面、やりすぎてるしね。悲しみや怒りが暴走させてしまったんだと思う。

さらに良かったのは立てこもり事件が一応の解決を見せた後の出来事で、速水があることに気がついた後の「あの行動」。アレは非常にカッコよかった。この映画で出てくる悪事は他のフィクションでもたまに目にするくらい、これまたありがちなものなんですが、ちゃんと成敗されるのは気持ちよかったし、それが結果として別の悲劇を防ぐことに繋がるっていう流れはジーンときちゃいます。

最後はちょっと良い話風で終わりますが、あのキャラがやったことを考えると若干モヤッと(笑) 前述の通り主人公は恋人の死という悲しみを抱えつつも、誠実で優しい男だったからこそああいう結末になったのかな(当直が別の人間ならもっと酷かった?) と思うと、少しは救いがあると思います。坂口健太郎さんにぴったりの役柄。
あんなんでピエロから隠れられてるのか、とかツッコミというか笑いそうになるシーンも多少あるんですが、閉鎖されたシチュエーションの中での謎解きっていう題材で面白かったです。

Netflixにて視聴。
22年3月現在、アマゾンプライムでも会員見放題対象です。

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