映画賭ケグルイ / 学校の方針でギャンブルに興じる高校生たちを主人公にし熱い心理戦が繰り広げられる人気コミックの実写映画版。ドラマ2期とは違いオリジナルストーリーが展開。浜辺美波、高杉真宙、森川葵ら出演。: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2019年10月24日 19:00

映画賭ケグルイ / 学校の方針でギャンブルに興じる高校生たちを主人公にし熱い心理戦が繰り広げられる人気コミックの実写映画版。ドラマ2期とは違いオリジナルストーリーが展開。浜辺美波、高杉真宙、森川葵ら出演。

アニメ化、そして昨年より実写の連続ドラマが2期製作されてきた大ヒットコミックの、劇場版。ドラマのスタッフ、出演者が再集結しつつも、原作にないオリジナルキャラが多数登場し、独自の展開を見せる。
お金持ちが多く通う私立百花王学園。そこでは誰もがギャンブルをし、またその勝敗によって立場さえも変わってしまっていた。転校生としてやってきた主人公の蛇喰夢子はギャンブルの才に長けており、学園で絶大な力を持つ生徒会は彼女を警戒。平凡な男子・鈴井は夢子に助けてもらった恩もあり、巻き込まれる形で数々の勝負をすることになるが……。
浜辺美波、高杉真宙、森川葵、池田エライザ、中村ゆりか等ドラマシリーズの出演者も多く登場し、さらにオリキャラとして宮沢氷魚、福原遥、伊藤万理華ら共演。
あらすじ
政財界有力者の子女が通っている私立百花王学園では、ギャンブルの勝敗によって生徒たちの階級が決められていた。そんな学園に、蛇喰夢子(浜辺美波)という少女が転入してくる。学園を支配する生徒会は、リスクを負うことで至上の喜びを得るギャンブル狂の彼女を警戒し、腕に覚えのあるギャンブラーを刺客として送るが、ことごとく倒されてしまう。そこで生徒会は、百花王学園史上最大のギャンブルバトルを開催する。(シネマ・トゥデイより)

原作の再現度の高さに好評だった実写ドラマですが、ここにきてついに劇場版が製作。前述の通りキャストも続投ですし、もちろんシリーズに携わってきた英勉監督がメガホンをとっているので、完全に続編。でも内容はというとオリジナルキャラが登場しますので、原作ファンも新鮮に楽しめる内容になってて、面白かったです。(作者が原案を担当してますのでご安心を)

そのオリジナル部分が、第3勢力として登場する「ヴィレッジ」某映画じゃないですけど、宗教とその信者って感じの団体で、要は「ギャンブルを強いられる」ことに反発しているレジスタンスのようなもの。明確に生徒会と敵対していますし、被害者も多い模様。この作品では負け続けた生徒は最終的に「ポチ」「ミケ」と、人間以下の扱いをされてしまうのですが、そんなルール関係ない！というように、福原遥さん演じる歩火樹(あるきび)は首から家畜の名札を複数つけています。ヴィレッジのリーダー・村雨(宮沢氷魚)と共に、虐げられた者たちの救世主、的な扱い。

そんな彼らを含め、全校生徒を巻き込んだ一大イベントが開かれることで、物語がより予想外の方向に進んでいく。主人公である夢子・鈴井ペアに、ある意味仲間状態のメアリ(森川葵)と、復活した木渡(矢本悠馬)ペア。そこにヴィレッジからの代表者と、映画でメインとなるのは一部ですが、これまでのシリーズで登場した面々が色々出てくるのでそこも楽しかったですし、改めて実写版の世界観が大きなものになってることを実感できました。

顔芸、って言うと語弊がありますが、オーバーリアクションは今回もかなりのシーンで堪能できます。特に森川葵さん、矢本悠馬さんは見てるだけで楽しかったです。狡猾、ストレートにあくどい方法で勝ち上がっていくので、見てて気持ちがいいです。さらに拉致事件とか、ヴィレッジリーダーの過去、そして真意など少しずつ明らかになっていく部分もぐいぐい引き込まれました。
一方で主人公チームは順調に勝つもののの見てるこっちもそれは折込ずみですし、終盤あたりまでは鈴井が慌てふためいてる→すでに夢子の術中。という展開なので、ハラハラするかどうかで言えばそこまでではありません。しかし最終局面に差し掛かってからの心理戦はクライマックスにふさわしい緊迫感で、例の「賭け狂いましょう」って名台詞と人が変わったかのように生き生きとギャンブルに興じる姿はほんと最高でした。最後の最後まで読めない。予選でなんとか勝って借金を免れた瞬間だったり、夢子の行動が理解を超えていたり、映画を通じでずっと鈴井と同じ感覚を味わえるって意味ではかなり感情移入できました。

そうそう、今回はアクション要素がプラスされていて、ビレッジメンバーとそれを押さえ込もうとする人々の殴りあいとかガッツリやってましたね。急に違う映画っぽくなりました。スピンオフ漫画のヒロインまでやってる生志摩妄は今回はそのヴィレッジの対応に当たる立場だったので出番自体は少なめでしたが、生徒会メンバーは会長含めものすごいキャラが立ってるので、あの人物が動いてる！って感じで見てて楽しかったです。

登場ギャンブルは大きいのでは予選と決勝での2種類だったのですが、後者に関してはジョーカーの使い方癖があるなぁと思ってたら予想の斜め上の展開になり、実質別のゲームにすらなったのですごく面白かったです。お楽しみです。

期待してた通りのクオリティで、見応えありました。映画ラストに「またね」って言ってましたし、ドラマなり映画なり、続編があることを待ちたいと思います。原作やアニメ、ドラマが好きな人にもオススメ。

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