【Netflix映画】ケイト / 舞台は日本。ヤクザの暗殺に失敗した殺し屋は逆に毒を盛られ、余命24時間となってしまう。タイムリミットまでに陥れた人間に復讐をもくろむ彼女だが、かつての標的の娘アニと出会い……。ノンストップアクション。

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セドリック・ニコラス=トロイアン(『スノーホワイト/氷の王国』ほか)がメガホンを取った、東京を舞台にしたアクションサスペンス。主演はメアリー・エリザベス・ウィンステッド。『ジョン・ウィック』『アトミック・ブロンド』を監督したデヴィッド・リーチが製作総指揮に名を連ねる。
大阪での任務に続き、東京での暗殺にやってきた女殺し屋のケイト。なにものかに毒を盛られて失敗、さらにはそのせいで余命が24時間だと判明する。症状が悪化してボロボロの状態の中自分をはめた人間に復讐を決意する彼女だったが、かつて標的だった男の娘アニと知り合い行動を共にすることに。二人は奇妙な絆が生まれていくが、ヤクザの内輪揉めなど様々な思惑が重なって……。東京の夜で、ハイテンションで送るノンストップアクションが炸裂する。
共演は國村隼、ウディ・ハレルソン、浅野忠信、MIYAVIほか。
あらすじ
あるヤクザを暗殺するため東京にやって来た殺し屋ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は任務に失敗し、逆に自分が毒を盛られたことに気付く。犯人への復讐(ふくしゅう)を誓うが、残された余命は24時間ほどしかなかった。死が迫りくる中、自分の殺害を命じた黒幕を捜す彼女は、かつて自らの手で殺害した標的の娘と出会う。黒幕を追ってヤクザたちと闘う一方で、ケイトは少女との間に奇妙な絆を築いていく。(シネマ・トゥデイより)


メイン舞台となる舞台は夜の東京ですが、事件の発端としては大阪でのアニの父親暗殺が発端となっていて、ヤクザとの因縁が始まります。その事件から10ヶ月経った大阪で、毒を盛られてしまうケイト。視聴する前はあまりきちんと調べなかったのもあって「なんとか解毒薬を手に入れなくては」ってことかと思ってたんですが、被曝とかそっち方面なので治療方法はなく、ケイトの死は確定。そのタイムリミットまでにいかにして自分をこんな目に合わせたやつに復讐できるかという物語になっています。
そこにアニという少女が登場させることで、限界ギリギリの中でのほっとする瞬間、絆めいたものも描かれる。それこそ「レオン」とか、王道ジャンルでしょうけど、自分の望む望まない関係なく闇の世界に置かれてしまって、ただ足掻くしかなかったという二人の共通点が心を打ちますし、擬似的な母と娘っぽくて良かったんですよね。ケイトはひたすら任務をこなす日々だし、アニは組長の姪。自由というものがほとんどなかった。親の敵だと知らなかったとはいえ心を開いてく様子はとても和みました。

日本が出てくるということも期待していたポイントなんですが、例によって極端にデフォルメされている部分も多くて日本人が見ると違和感覚えるところもあるにはあります。例えば銭湯でみんなフンドシ姿とか(これは裸を出せない)、やけにネオン類が多いとか。でも求人広告車としてお馴染みの「バニラカー」が走っていたり、コンビニに色々売ってたりとリアル日本っぽさが出てるところもありますので、全体的にはおかしいところ含めて楽しめました。ブンブンレモン、という謎のドリンクをずっと飲みたがってたのもツボ。

ただ発音がね……。僕は吹き替え版で見たので、英語シーンも日本語で聴けるわけですが、「役者さんが日本語喋っている」シーンでどうしてもイントネーションがおかしかったりするんですよね。当然國村さんや浅野さんは流暢なわけで、それ以外の(おそらく)アジア人キャストが喋るとろこは正直吹き替えてくれた方が嬉しかったり。ちなみにアニちゃんはハーフということが劇中で語られますので、カタコトでもしょうがないかな、と納得することはできます。
浅野さんも立場的にはめちゃくちゃ重要な役どころなんですが、思ってた以上にMIYAVIさんのアクションが多くて嬉しいサプライズでしたね。ブリーチ実写版とか、ハリウッドで言うとマレフィセント2なども出てて結構俳優としても活躍が広がってますよね。最近はアマプラの「マスクドシンガー」のパネラーとして毎週見てる気がする。タトゥーがとてもインパクトあると思います。ドンパチシーンは多数あるんですが、ケイトがサシで泥臭いバトルをするのはこのキジマ戦が一番激しいので、ご注目を。めっちゃ痛そうだけどね。

歴戦の殺し屋っていう設定だからそんなケイトもマジで強くて、さすがアトミックブロンドのスタッフだと痛感するほど、キレッキレ。かっこよかったですね。障子で囲まれた、料亭?っぽいところのバトルとかほんとジョン・ウィックぽかったし、基本的にいつ倒れてもおかしくないボロボロの中で必死に食らいついてるから余計に応援したくなる。気付け薬みたいなのを打って無理やり動いてるだけだからね。ほんと執念。

ほんんどの人が本当の黒幕は察することができると思うんですけど、組長役の國村さんも凄みがあってよかった。四谷怪談を引き合いに出したりとか、あとはあのキャラとのバトル。一瞬で決着がつくのが痺れましたね。ここも現実とは違うだろうけど、日本刀使うシーンは無条件でかっこよくなっちゃう。最終的に彼の部下との共闘みたいになります。

光の演出が結構凝ってて、既に触れたネオンの街並みもそうなんですが、痛車っぽいスポーツカーが夜を疾走するところとか車体全体が光を放っててめっちゃエモかったですし、ドンパチシーンでは銃についてるレーザーが大量に光ってそれだけが浮いてたりとか綺麗でしたね。クラブのシーンもあって、これは実在のバンドBAND-MAIDが出演してたりします。メイド姿って印象に残りますよね。日本っぽいからてのもあると思いますが、曲も普通によかったと思います。

残念ながらケイトが助かることはないんですが、復讐という意味ではきっちりと落とし前つけてキリよく終わっているので後味はそこまで悪くなかったですし、その命が尽きるまで足掻こうとした、しかもアニを守るためでもあるっていう点が感動的で、改めてカッコいい生き様を見せてくれたなぁと。主演のメアリー・エリザベス・ウィンステッドさんは直近だとハーレイクインの映画(華麗なる覚醒)で出てましたが、今回のアクションもとても良かったです。

なんちゃって日本を見てみたい方、殺し屋と少女の絆という言葉でピンときた人には特にお勧めしたい1本。

Netflixで吹き替え版で視聴。

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