時代の変化とともに揺らぐ価値観。現代の戦いと並行して能力を得た経緯(回想)も描かれる大人向けヒーロー作品。
ベン・ダニエルズ、レスリー・ビブ、アンドリュー・ホートン、エレナ・カンプーリスら共演。
予告動画
どんな伝説にも、終わりがある。
100年近くもの間、世界の平和を守ってきたスーパーヒーロー第1世代。彼らに続く2世たちは、先代が築き上げた理想の世界を守り抜くことができるのか。(概要欄より)
最初にあまり多くを説明せずに、いきなり大量のキャラクター・ヒーローたちが出てくるので圧倒されますが基本的にはヒーローチーム「ユニオン」のリーダー・ユートピアン(ジョシュ・デュアメル/白髪の長髪)と、その娘クロエ息子ブランドンという家族がメインとなってますのでそこが分かってしまうと入り込みやすいです。エピソードが進む中で【なぜ彼らは特殊能力を得たのか】が回想という形で判明するのですが、「第一世代の子供たちが遺伝してそれぞれ能力を持っている」ということ、さらに親世代がめちゃくちゃ重要視している「悪人であろうと殺さない」などの掟を守ることにそこまで価値を持てずにいることがこのドラマの肝。レガシー=輝かしい遺産という肯定的な意味合いと、時代遅れっていう否定的な意味合い両方含んでることでイメージしやすいかも。
まず1話目からして最強のヒーローである父親とやる気はあってもいまいちうまく立ち回れない息子、というこれまたベタな展開を見せ、姉妹クロエにも劇中にて「あんな態度とられてて、どうしてまだ良い子であろうとするんだ」って言われちゃう始末。ブランドンに感情移入して『偉大すぎる背中を追うのは辛すぎるよね』って可哀想になってきちゃいます。戦いぶり見てても、別段弱いわけでもなさそうなんですけどね。
そんな悩みの中、予告でも出てる強敵の登場。色んなヒーローが協力してもなかなか勝てないという超ピンチの中で【あー、これは認めてもらえないまま父親死んじゃうのかな、きついな】なんて恐れてたんですけど、ブランドンがまさかのワンパンK.O。できること証明できたじゃないか、褒められるのかと思いきや「なんで殺してしまったんだ!」って逆に怒られるっていう。これ視聴者含めて『なぜそこまでして不殺にこだわるんだよ!』ってイライラしちゃうと思います。まあこれで多くの人が第二世代目線に肩入れする効果がありますよね。ネタバレになるので伏せますが、その後もその「不殺」ルールを守ろうとした結果悲劇が起きて、さらに「守らなくても良くないか?」って空気が大きくなっていきます。
それと並行して前述の通り第一世代が能力を得た流れが描かれるんですが、ラブクラフト系にも通じるような「未知との遭遇」っぽくて引き込まれます。シェルドン(=ユートピアン)のトラウマとなってしまう衝撃的な展開から、彼の頭にこびりついた幻覚幻聴。少しずつ初代たちが集っていく流れは面白かったですし、金持ち風に見えて実は破産してたとかのエピソードが(30年という時代も含めて)絶妙でしたし、父との関わりにおける兄弟の関係性だとか、予知夢的な映像。この回想にかなりの時間を割いてますが、それでも不満はないくらい十分メインになるような話でした。ヒーロー連合みたいなの作ってても、それぞれの事情があるし、正直不仲だってある。
クロエもすごい怪力など受け継いでるもののヒーローとしては活動せずモデルやったりセレブ的な立場で結構やりたい放題。同じように街には能力を悪用してる輩もいて、ちょいちょい出てきます。その中で重要キャラなのがハッチ。彼もまたとある人物の血縁者なのですが、持っている武器がすごい。声に反応して、どんな場所へも瞬間移動する謎の棒です。どうやら彼の命令しか反応しないようで、奪われた瞬間に「サメの泳ぐ海」と命令して相手だけ餌食に。などなど、かなりエグい使い方をしてます。もちろん持ったまま言えば自分ごとワープ。なんとクロエと恋仲になってしまうという。こっちはこっちで何か企んでそうで先が非常に気になります。
現代で1番のメインはすでに触れた「強敵」のことで、その正体や背後にいる存在がずっと謎のまま。解析に特化したヒーローが複数登場して少しずつ深層に近づいてくのも見応えありますが、ここで予告動画1番の注目キャラ「ライコウ」が絡んできます。どう見ても日本ぽいよなーと思ってましたけど、やはり東京で活動してるという設定。相手の精神に働きかける系の能力者ですが戦闘面でも日本人ならワクワクするアクションを見せてくれます。まあ他のキャラに比べたら出番は少なめですけど、それでもカッコ良かった。そもそも色んな能力あっても一部のメインキャラたちだけで、そこまでフューチャーされないから若干勿体無い気もするんですよね。あくまで「その他大勢」みたいな扱い。
シーズン1ラストにやっとその黒幕っぽいのが明らかになって、さらに不穏なムードが漂ってるところで終わってしまうのでここもまた消化不良であはあるんですが、バトル描写含め毎回見どころはたくさんなのと少しずつ明らかになる謎(それがさらに謎を呼ぶんですが)でダークなヒーローものとして楽しめました(The BOYSみたいなコミカル・グロとはまた違う方向)
あの人はどこにいるんだろうとか、第一世代内での関係性の変化、さらにはシェルドンら親子の溝。過去編もまだ掘り下げるところあるでしょうしシーズン2が待たれる状態なもののの、21年5月末現在「多分制作されるでしょうね」レベルで止まってるので、ぜひ正式にアナウンスしてほしい。
とりあえずネタバレは極力避けてシーズン1全話見た上での紹介でした。
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