ジョン・ウィック:パラベラム / キアヌ・リーブス主演で伝説の殺し屋の復讐劇を描くバイオレンスアクション3作目。「聖域」でおきてを破ったことで一転して厳粛の対象となったジョン。賞金をかけられ多数のエージェントから命を狙われることに。

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キアヌ・リーブスが切れ味鋭いアクションを見せるバイオレンスアクションの3作目。前回、見事復讐を遂げたものの、一切の殺しを禁じている「聖域」コンチネンタルホテルでの行いいだったため、「主席連合」たちはジョンを厳粛の対象として設定。その首に1400万ドルという大金をかけられ、世界中から集まってる殺し屋たちから命を狙われることに。頼れるものも少ない中、次々と返り討ちにしていくが……。
イアン・マクシェーン、ランス・レディック、ローレンス・フィッシュバーンなど前作キャラに加え、ハル・ベリー、エイジア・ケイト・ディロンら新キャラも多数登場。
あらすじ
裏社会の聖域コンチネンタルホテルでの不殺のおきてを破ってしまった殺し屋のジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、裏社会を束ねる組織の粛清の対象になる。1,400万ドルの賞金を懸けられ、刺客たちと壮絶な死闘を繰り広げて満身創痍のジョンは、以前“血の誓印”を交わしたソフィア(ハル・ベリー)の協力を得ようとモロッコへ向かう。(シネマ・トゥデイより)


ジョンが一転して命を狙われる、しかも助けは少ない超ピンチ、という状況は2作目と似ているようでもありますが、組織から完全に敵として見做されてるので今回はヤバさの次元が違います。例のコインを使ってサポートを頼むこともできないし様々な戦闘スタイルの殺し屋たちが次々にやってくるので休む暇さえない状況。ボロボロになった彼は「使えるものはなんだって使う」と、半ばやけくそのように進んでいきます。

予告でチラッと映ってますが、コンチネンタルホテルのコンシェルジュの黒人と共闘してるシーンもありますよね。あれ?結局……その辺を含めてストーリー展開はちょっと意外な部分もありましたけど、とにかくアクションシーンがてんこ盛りなので大満足。追放処分まであと○分ってところから始まる序盤からもうかなり飛ばしていて、図書館で分厚い本活用しながら戦いだすなど面白かったです。

今回はカッコいいというよりも色んなことやってるなーっていう印象が強くて、制作側の視点的にも3番煎じにならないようにしてるのかな、なんて思っちゃいました。馬でバイクと並走するシーンも公開前に話題でしたが、そこに至るまでも馬の使い方がすごくて、馬のお尻を叩いて敵を蹴り飛ばしてもらうとか、西部劇よろしく敵にロープを巻きつけて引きずるなど、目の前のものでいかに大量の敵を捌けるか、的な戦い方になってます。ナイフをこれでもかこれでもかって投げつけるし。逆にジョンもやられるときはすごくやられるんですが、大量のガラスのショーケースが並ぶ場所では予想通りバンバン割れていくので、最終的に笑えましたよ。シュールな映像。

ただ大前提となるはやはりガンフーなので、キレのある戦闘は見ててとても盛り上がります。あと僕が意識しすぎただけかも知れませんが、骨が折れる音(?)が他の作品よりも強調されてるような気がしました。前述の通り、いかに「戦闘力をそぐか」みたいなところがあるのでほんと容赦無くボコボコにしていきます。こんなピンチなのに「生存確率は五分五分」なんて言われちゃうくらいの伝説の殺し屋なので当然強い、だけど5年のブランクがあるっていうのが絶妙なバランスだと思います。

映画の1/4くらいはハルベリー演じるソフィアと行動をともにしますが、このシリーズの重要なテーマ「犬」がまたしても大活躍。ゲーム「メタルギアソリッドV」のDDを思い出しましたが、彼女の命令に的確に反応して人間と遜色ない働きしてくれてめちゃくちゃカッコ良かったし、犬を大事に扱わない奴は……天罰くだってスカッとしました。

もう一人の新キャラの裁定人は戦闘力というよりも権力で彼らの前に立ちはだかることになり、ジョンを手助けした者たちが次々に処分されていくのはかなり怖い反面、次回作の復讐相手ってことか??という期待が今からワクワク。先にネタバレしちゃうと今回一応の「ラスボス」的存在、襲ってくる資格で一番強い殺し屋としては終盤でガッツリ戦って決着がつくのですが、「パラベラム」という言葉の意味も含めて『さあ心からだ』って部分で終わってしまうんでね。早くも4作目がとっても気になってしまいます。

そのラスボスはおそらく日本人の設定。きゃりーぱみゅぱみゅの歌が流れる寿司屋(!)での登場シーン含め、あまりにも「ハリウッドの中の日本」で若干笑ってしまいますが、強さは本物ですし、そんなキャラでも日本刀使ってくれると否応なしに燃えちゃう。演じてるマーク・ダカスコスは祖母が日本人。おそらく劇中で日本語も話してるっぽい字幕が出ますが、僕が見た吹き替え版だと全て三宅健太が声を当ててますので聴けずじまい。

2時間ちょっとのハイテンションバイオレンスで、これでもかってほどやりすぎなアクション、しかも今回は奇想天外な戦い方を見せてくれて楽しかったですし、主席連合や血の誓印、背中のタトゥーといったロマンあふれる設定や、ちょいちょい入るコミカル要素などシリーズの良さは相変わらずで、キアヌの戦いっぷりを堪能できる娯楽作としてとても良かったです。

もちろんこの1本でも独立していますが、前作の直後から始まるのでストーリー的にもそうですし、アクションの進化という意味でもぜひ1作目から見て欲しい作品。
完結したらセットでソフト買おうと思っています。


Amazonビデオにて、HD画質吹き替え版を動画レンタル。
プライムデー100円レンタルの対象でした。14日<本日>まで。映画公開、ソフト発売時期的に、そろそろどこかの動画見放題サービスにきそうなのでそちらをチェックするのも一つかも。




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