ジョジョの奇妙な冒険part9「ジョジョランズ」第13話 (2024/3/19) ネタバレを含む感想。/ 一度は敵対していた相手を仲間に引き入れ、共にハワイ島を後にする一向。彼の弟と、火山の謎。

前回までは……。
景色の中から突然攻撃してくるスタイルでジョディオたちを翻弄したチャーミングマン。溶岩という共通項を理由に、彼を仲間に入れることを決める。露伴が調査していた火山ではチャーミングマンの弟が行方不明になっており、なんとしても探し出したいという悲痛な願いも明らかになるのだった。きた時より一人増え、ハワイ島を後にする一向。当然ボスにも溶岩のパワーを説明する必要が出てきて。
本編のネタバレを含んだ感想です。
先月の感想はこちら



ジョジョの奇妙な冒険part9「ジョジョランズ」第12話 (2024/2/19) ネタバレを含む感想。/ 敵にやらられながらも溶岩を奪い返すことを決意したジョディオたち。対決は海にもつれ込むも、仲間に引き入れようと提案し……。
http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/JOJOLands012.html



#013 その年 わたしに起こった不条理な出来事

ドラゴナの辛い日々
いきなり4年前の回想からスタート。黒くて髪の長めな男、あ、ドラゴナか。って認識するのにちょっと時間かかりました。僕の中でピンクちゃんであり姉であり女性みたいな感じになってるから。彼の今のスタイルの理由にもよりますけど、そういう人が体育の授業とはいえ上半身裸でスポーツするのすごく抵抗あったろうな、って考えてたらそこからは辛いイジメの描写が続くのでさらにキツかった。日本のフィクションでもよく「一軍女子」などの概念をナチュラルに見かけるようになりましたが、この手のスクールカーストという過酷な現実は洋画や海外ドラマで何度も見てきた光景。大抵いじめられっ子はその後覚醒したり世界を救う大活躍するするわけですが、だとしても、やられたことが消えるわけじゃない。個人的には娯楽作品でまでそういう嫌なシーン見たくないってのが正直なところ。それにしても今のドラゴナからじゃ想像できないです。

鬼になる、兄を救うために
目を背けたくなるいじめから救ってくれるジョディオのカッコ良さ。4年前だと11歳なんですね。やっぱり子供、等身が少なくて可愛らしさもあります。この時点でどの程度能力をコントロールしていたのかはわかりませんが、兄を苦しめる存在をピンポイントに攻撃してる。「長いの?」って普通だと年上が弟に聞くパターンの方が圧倒的に多いのだと思いますが、兄という立場だからこそ誰にも相談できなかったのかなって思います。そしておそらく毎晩のことでしょうがうなされるドラゴナの声によって、決意するジョディオの顔がまたいい。彼がやったことは明らかに悪ですが、そこにある「兄を救う」っていうたった一つの信念のようなものは褒められていいと思っちゃうんですよね。過去作でも「漆黒の意思」って評されたものに近いというか。そして起こるバスの出火事件。
すぐそばで見てるって部分だけはちょっと共感できなくて、そういう診断されたってのに納得しましたね。


スタンド=不条理に立ち向かう精神の力
「昨晩はよく眠れたんだ」ここウルっと来ちゃった。火をつけるという暴力での解決方法だったことを諌めつつも、きちんと弟に感謝するシーン。やり方は不器用でもそれはジョディオなりの兄への行動だしここで「怖いよ」とか引かれてたらとんでもない犯罪者になっていたと思います。そしてドラゴナにもスタンドが発現する。精神力の強さがスタンドのパワーに、能力の内容も本人の想いに呼応するパターンが多々ありますが、受けた傷を自分から移すっていうのがなんとも象徴的ですよね。「痛いの痛いの飛んでいけ」理不尽によってつけられた傷、そんなものは跳ね除けていく強さ。現実世界ではスタンドなんてものはないけど、必死に理不尽/不条理と戦ってる人いっぱいいますよね。それを応援してるメッセージに思えてここも特にジーンときました。こういうのが僕がジョジョ好きなところなんだよなぁ。
しかも「マイクロビキニ」ってビューラーで挟んで皮膚に跡をつけるってことだったのか!酷すぎる。

めぐる因果と、もたらした出会い
しかし残念ながら良いことばかりでもなくて。火傷ですんでるし、子供とはいえなんのお咎めなしかって思ったけどやっぱり過去は襲ってくる。巡り巡って父親がクビになって家出。母親も苦労に。無事に兄の問題を解決できたって喜んでたジョディオにとってかなりの衝撃だったと思う。間違っていたのか?って。そして一気に変わる家庭環境。「なぜ」って思いたくもなりますよそりゃ。ここでもまた金持ちが思い通りに動いてるし。こういう出来事からしても彼が富豪になりたいと思うのも理解できる。食い物にしようとよってくるギャングたちを「殺るか?」みたいな目で見てるのは11歳の顔じゃなくてビビるけど。
ここでメイル・メイと出会うんですね。この人まだよく見えてこなかったんですが、言葉では「儲からない話はしない」と言いつつも二人を助けてくれてるわけで。伊達に校長先生やってないな。と思いました。"ずっと「そんな道」を歩くのか" 比喩表現好き。

権力、すなわち富
舞台は現実に戻り、チャーミングマンの経緯と溶岩の持つ力のルールを説明。序盤は成り上がるために邪魔だし倒すのかと思ってたのメリルに謝りたい(笑) 携帯切って、ってのコールが飲み会の「飲んで」みたいでめっちゃシュールだった。残りのメンバーが合いの手までしてるし。
過去オマージュ「良し(グッド)」まで飛び出し、仕事モードの彼女はボスとしても有能ですぐに次のターゲットが決定。山まるごとと来たか〜これは予想外。権利という概念。まあこの場合は権利書って物理的なものもあるだろうしね。てことは島とか企業とかもいけるなこれは……。
500億ドルの4%。大きな数字が出てくると「オーシャンズ」シリーズみたいでめちゃくちゃワクワクする。そういえば彼女もスタンド使いかな?

回想挟んで新章突入とか、予想よりもグッと進んで今回もとても満足感ありました。しばらくは5人で行動する感じなのか、5部みたいでそこも楽しいしキャラ同士の掛け合いにも期待していきたいです。

ジョジョランズ最新話13話掲載のウルトラジャンプ4月号は3/19<本日>発売

コミックス最新刊・3巻は来月発売予定だそうです。

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ウルトラジャンプ 2024年 04 月号 [雑誌]

今回も電子書籍で購入

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