大学生のユウコは自分に魅力があると思っていたものの、友人と共に参加した合コンで出会ったセツコはスタイル、美貌、SNSのフォロワーなど全てにおいて負けており、彼女に対抗心を燃やす。しかしごくダサい格好でコンビニにいき、ごく普通に生活していることを知ったことで親近感が湧き、二人は少しずつ友情を育んでいく。それはお互いの道が離れて行っても変わらずに。
真魚、小野塚勇人、花沢将人、田中洋次ら共演。
あらすじ
おしゃれなイケイケ女を気取るも、実は地味で質素な生活を送る見栄っ張りな性格の杉山ユウコ(文音)は、ある日スタイル抜群の美女・澤野セツコ(石田ニコル)と出会う。SNSのアカウントフォロワーが1万人を超える彼女に対抗心を燃やすユウコだったが、ふとしたことでセツコの真の姿を知る。ユウコは自分と「同じ人種」であるセツコに親近感を抱き、二人の間に友情が芽生えていく。(シネマトゥデイより)
よくよく調べたところ、「音無可憐さん」ののちに放送された「可愛いだけじゃダメかしら」は漫画「いけいけ!バカオンナ」を大幅にアレンジして制作された模様です。複数回ドラマ化された「白鳥麗子でございます」を含めてなんとなく見た記憶はあるんですけどね。
この漫画は自伝的コミックということで、電子書籍のサンプルをちょっと見てきたら「わたしのかけがえのない友人・永野世津子さんに捧げます」って一言から始まっていて映画を見た後だとちょっとウルっときそうだった。そのくらい、タイトルの割には熱い友情の話です。
上記あらすじのように最初こそ圧倒的にスペックで負けてて(個人的にはどちらにも違う魅力があると思いますが)対抗心バリバリ。心で悪態ついてるところからして面白くて、一気に主人公ユウコに肩入れしちゃいます。全体を通して全力でコメディエンヌっぷりをはっきしてて、文音さんすごかったです。今回初めてちゃんと認識しました。長渕さんの娘さんだったのか。
でも少しずつセツコを知っていくうちに友情が芽生えて親友になっていく。バカオンナと表現されてますがユウコは結構生きるのが下手な感じで、実際は男性経験がないのにモテモテでいい女を装っていたり、見てていじらしい。なんというか取り繕ってるってのが自分自身でもわかっていて。そんな時に彼女のすごい気の緩んだ姿を見ちゃったものだから、華やかに見えるセツコだって、同じ人間だし、トイレの大きい方もする(下剤の効果で野糞しようとまでしてた)ってわかっていく。もがいてるの自分だけじゃないんだなぁって知っていくわけです。
まあナチュラルに違いを見せてくることもあるけど、基本的に優しいしね。特にユウコがフラれてしまった時のケアとかとてもいいひとで見てるこっちも泣けてきた。というかあれは男から見てもクズすぎるので胸糞ご注意ください。だからこそ逆にセツコが恋で悩んだ時は……。こっちもクズですが、スカッとします。
映画の流れの中で10年くらいを追うわけですが、大学生だった彼女たちも就職し、また違う悩みに。演技下手ながら役者として奮闘するセツコと対照的に、それなりの活躍を見せるユウコ。インフルエンサーってのがまた絶妙なリアリティですよね。そこまで劇的なシンデレラじゃないけど、かなりのステータス。
ただ今度の恋愛に関しては割と予想ができちゃって、幸せになるならあっちだよな、ってしみじみ。これはラブコメ好きだと100%読めちゃうと思う。でもそれがいい。
そして最後の山場は、映画冒頭の「この人と結婚するか、私と友達やめるか選んで」ってシーンに繋がる。キャスト欄に書いちゃったのでバレてしまいましたが、婚約者の出オチ感すごかった。でもこれもまた本人が幸せならいいじゃないか。最終的にハッピーエンドに繋がるんですが、ユウコの「セツコをとられるって思っちゃったのかな?」ってセリフがグッときた。そのくらいの存在、親友がいるって素晴らしいですよね。
タイトルで思った印象とは違って、バカというより人生の荒波に立ち向かっていく主人公をコミカルに描きつつ、かけがえのない友情をストレートに扱った胸が熱くなる作品で面白かったです。作者の自伝ということですが、これを含め作品が何個も実写化されてるだけあって異性ですが共感ポイントも多かったし、刺さる人も多いと思います。
Netflixにて視聴。
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