妻役にローズ・バーン、サポート役としてオクタヴィア・スペンサーのほか、マーゴ・マーティンデイル、イザベラモナーら共演。
あらすじ
順風に不動産業を営む一方で、どこか物足りなさを感じていたワグナー夫妻。ある日、親を失った子どもたちのサイトを目にし、激しく心を動かされた2人は養護施設へと赴く。そこで、聡明な15歳の少女リジーに惹かれ、夫妻はその弟のフアンと妹リタと一緒に、3人をまとめて引き取ることに。やんちゃ盛りの子どもたちに振り回されながらも、子育てに生きがいを感じ始める2人。だが、刑期を終えたリジーたちの実母が現れ…。(スターチャンネル番組詳細より)
予告動画だけでもいかに面白いか伝わると思うんですが、新米里親の奮闘記として笑いあり涙ありに見せてくれるんでめちゃくちゃ楽しかったです。冒頭で触れた通り自身が里親になった際のことを基にしてるので(予告でも「実話に基づく」って出てますよね)、単純に制度的な面でプロセスによって家族になっていくのかと勉強にもなりますし、その中で出てくる「良かった面」と「辛い面」を両方とも描いてるからこそ心にグッとくるんですよ。
かなりの割合で「里親どうしの集まり」のシーンがあるですけどおかしくて。引き取り開始直後のすっごい嬉しそうな主人公夫婦に対して「最初はいいんだけどね」って対応してるのとか、実際にだんだん手に負えなくて愚痴りまくるのとかを含めて「里親あるある」なんだなぁって。でもそこで誰もが投げ出さない。ちゃんと子供たちと向き合って、本気でぶつかっていくと、最終的には通じ合える。この手のお話では王道ですけど、主人公たち自身が子供に教わって、共に成長していくんですよね。
ギャグ担当として、黒人でスポーツに強そうな里子を希望してなかなかいい子に巡り会えなかった女性が最終的に引き取った子供のエピソードとも通じるんですけど、「理想を押しつける」ことじゃない。映画の構成的に親たちにスポットを当てていますが、里子は里子なりにいろんな思いを抱えて、歩み寄ろうとしてる。大事なのは一緒になって焦らずちょっとずつ距離を縮めていくこと。初めて「パパ」「ママ」っていうシーンは分かってても泣けます。
その一方で一番年上のリジーは大人になりかけだし実際の母との記憶も濃いので、少し複雑で。主人公夫妻と親しくなることと、実母を忘れることとは別物ですからね。髪をとかしてあげるシーンで泣きそうになって、このままハッピーエンドに向かうかなと思ったところでまた一悶着。確かにいくらいい人でも、母親への思いには勝てないですよ。後半にかけて彼女の行動についに限界がきて、親としてきちんと叱り、また守ために必死になってくれたことが一気に気持ちに傾いたんだと思います。あそこ「ほんとにいい親だなぁ」って思いましたもの。
もちろんお話自体はこの上ないハッピーエンドなんですが、誰もが期待した「正式に家族になるんだろうな」という予想を大幅に超えてくるといいうか、あんなに幸せな気持ちになるラストある??ってくらい素晴らしくて。裁判官の「時には辛い仕事のなかで一番嬉しい」というようなコメントが物語ってます。他の里親仲間たちもいいキャラしてて、正しく大団円という言葉がぴったりの終わり方でしたね。劇中でも言われてますけど、あの音楽はずるい。
「映画ラストにタイトルがバーンときてクレジット」の作品にハズレなしっていう持論があるんですが、これも例外じゃなかった。実際の里親里子家族の写真がいっぱい出てきて、こういう紆余曲折を経てどこも家族になったのかな、それぞれのドラマがあるのかなって感じられたのが良かったです。中盤あたりに「美談として語られた」家族を訪ねていって、そこで実際のところを知ったのも大きいです。あの構成はうまいなぁと。
笑って泣ける作品として期待してたのですが、それを裏切らないほんとに素晴らしい作品でした。どんな方にもオススメですが、特に子育て世代、経験者はよりグッとくると思います。血の繋がりあるなし関係なく大変さはあるでしょうし。僕も自分の親のこと考えちゃいました。
昨年末のスカパー!で録画しましたが、2020年現在Amazonプライムに会員無料対象ですのでそちらで視聴。ぜひぜひ。
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