アイアムアヒーロー / 大泉洋主演。突如として感染が広がり、人々がゾンビ化。冴えない漫画アシスタントの英雄(ひでお)は、途中出会った少女とともに安全地帯を目指すが……。人気コミックの実写版。: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2019年06月05日 19:00

アイアムアヒーロー / 大泉洋主演。突如として感染が広がり、人々がゾンビ化。冴えない漫画アシスタントの英雄(ひでお)は、途中出会った少女とともに安全地帯を目指すが……。人気コミックの実写版。

花沢健吾の人気コミックを、「GANTZ」「いぬやしき」の佐藤信介監督が実写化。大泉洋、有村架純、長澤まさみら出演。
佳作を受賞したきり、芽が出ず、漫画アシスタントとして暮らす冴えない男英雄。ある日謎の感染症が流行り、感染した者ZQNはゾンビさながら人々を襲っていた。日本全国がパニックになる中、趣味のクレー射撃の銃を片手に逃げる英雄だったが、そこで一人の少女と出会い、安全だとされる富士山を目指すことに。
本格的なゾンビ・グロ描写、そしてだめ男な主人公が立ち上がる姿に胸熱くなる傑作アクションサスペンス。

あらすじ
漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄（大泉洋）。そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQNと呼ばれる感染者であふれていた。出会った女子高生・早狩比呂美（有村架純）と逃げるが、彼女は歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半分ZQN半分人間という状態に。比呂美を連れてショッピングモールに逃げ込んだ英雄は、そこで藪（長澤まさみ）という勝気な看護師と顔を合わせる。(シネマトゥデイより)

過去にも数回触れてますが、僕はガチなホラーは割と得意じゃないものの、どこか笑える系統、いわゆるB級ホラー作品はかなり好きな部類でして、当然ゾンビ作品なんかその最たるもの。なのでこの映画自体漫画は未読なんですがどのくらいゾンビ映画やってるのかと楽しみにしてました。
結果、めちゃくちゃ頑張ってましたよね。特殊メイクとCGと。このところブログで紹介してる映画は大抵「クオリティが高い」って書いてる気がしますが、映像そのものっていうよりも、ちゃんと描こうとしたことが嬉しかったです(どの立場から言ってるんだ) 劇中でもアメリカなら「銃で1発なのに」なんてセリフがありますが、終盤あたりで主人公がショットガンを活用するまでのゾンビとの攻防はかなりドロドロで、叩きまくる、殴りまくるでなんとか寄せ付けないようにするっていう感覚。当然血しぶきや部位欠損がかなりあります。

再序盤の主人公の恋人のシーンで一気に引き込まれるように作られてますが、ゾンビ特有の「リミッターが外れた動き」ってのいうのが怖い反面シュールで、そこにさらに生前の行動、癖を残したままゾンビ化するという設定が合間って絶妙な笑いになってるんですよ。背面跳びを延々繰り返す大学生アスリートとか、安全運転に努めてきたタクシードライバーとか。笑っちゃうし、一人ひとりの人生に思いを馳せられる。それはまあ言い過ぎかもも知れないですが、単純に服装が違うだけ、に留まっていないのが面白かったです。

ストーリー展開としても、パニックの町を抜ける、高速道路を進む、富士を目指して森を彷徨う、アウトレットへ、という風にある意味ステージ制みたいになっていて、それぞれのピンチを逃れたらまた次のピンチという構成で飽きなかったです。森のシーンは若干映像が地味めでしたが、いわゆるディストピア系、人の気配がない中で食料やらなんやらを探し出してなんとか生き延びるって要素があって良かった。

笑いというとヒロイン1人目の有村架純とのやりとりが面白くて、15才以上歳が離れてるのにかなりフランクに接してるのが微笑ましかったです。そのくらい舐められちゃうというか、パッとしない感じの英雄が、だんだん「僕が君を守る」って踏ん張って、最後の最後は怒涛の活躍を見せるからこそ熱いんですけどね。こういうダメ系が覚醒するお話は大好きだ。これも海外ゾンビものでも割とありますけどね。

あるあるといえば、アウトレット編は原作知らなくてもかなり予想しやすくて、大混乱の中での脅威はゾンビだけじゃなくて生き残った人間同士の諍いっていう黄金パターン。個人的に岡田義徳の元ニートキャラが好きでしたね。愛すべき小者って感じ。もちろんここで登場のヒロインその2長澤まさみもかなりカッコよくて、自分の無力さを嘆きながらもできることを精一杯やろうとしてる姿が魅力的でした。英雄のこと「行動が」カッコいいって言ったシーンは笑いました。

ちらっと目に入ったレビューによるとこちらも原作からある程度削ぎ落として映画化されてるようなので、いずれは漫画も読んでみたいと思ってます。
パニックもののハラハラと、冴えない主人公が仲間のために勇気を振り絞る姿、そして大量のゾンビとの戦いを楽しめるエンターテイメント作品なので、ある程度のグロ耐性ある方ならとても楽しめる映画だと思います。

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