【Netflix映画】スーパーヒーローへの道 / 超能力者がいる世界。一匹オオカミの警官は新たなバディと共に能力を悪用した事件を追うが、そこには能力を奪う者の存在が。そして彼は悲しい過去があった。

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Gérald Bronneによる同名小説をNetflixが実写化した、超能力&捜査もののアクションサスペンス。超能力者が普通に存在している世界で、その能力を悪用した事件を追う警官やそのバディ、そして正義のヒーローチームらの戦いを描く。
過去にトラウマのある一匹オオカミの警官モロー。新たに女性刑事とバディを組んで、炎を操る能力者の事件を捜査するが、どうやらドラッグのように薬を使うことで普通の人間が能力を得ているようだった。かつての仲間たちを頼り、どうやら能力を奪う者の存在が明らかになる。さらにはモローもトラウマを抱ええていて。
ピオ・マルマイ(おかえり、ブルゴーニュ)が主演を務めたほか、ヴィマーラ・ポンズ、ブノワ・ポールヴールド、レイラ・ベクティ、スワン・アルロー、ジル・コーエンら共演。
あらすじ
人間とスーパーヒーローが共存する世界。コンビを組むことになった一匹オオカミの警官と凄腕女性刑事が超人能力を奪い取る悪の計画を阻止すべく捜査に動き出す。(Netflix作品紹介より)

(日本向けの予告は見つかりませんでした。)

上記予告動画のコメント欄にて「プロジェクトパワーでは?」というもの、それに対して「薬を使うことで能力を得るなんてそれこそ色んな作品でやってる」って反論があって笑いましたが、同じネトフリ作品なんでどうしても思い出しちゃいますよね。

参考
【Netflix映画】プロジェクト・パワー / ニューオーリンズで秘密裏に出回る薬。それを飲むと5分間だけスーパーパワーを得るといい、効果はその人によって違う。悪用する犯人を追うため薬を使う警官、密売人の少女、そして復讐に燃える男。運命が交錯し……。
http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/Project-Power.html

記事タイトルにも書いてあるとおり「プロジェクトパワー」の場合、能力は何が出るか笑かないって一方で、この回の「スーパーヒーローへの道」でははじめから能力が決まっていて、同じ薬を使うことで同じ能力を何人もが同時に扱うことできます。不安定さもあるので試作品を使えば最悪死にいたるっていう点は共通していますが……。さらに映画中盤あたりでどうやら『薬の元になる超能力者がいる』ことが分かってくるのでだいぶ違いがあります。そのせいもあってなんだかんだ出てくる超能力は少し少なめ。手から火を出す、とか目からビームなんていうのは割と見応えある描写ではあるんですけど、【能力者同士の激アツバトル】とはまた違うジャンルです。

タイトルが示してるように、主人公はモロー。ものすごいやる気なさそうで「ほんとに大丈夫かよ」てガッカリさせたかと思えば、急に能力を得て混乱している高校生をうまくなだめたり、ツテを使って核心に迫っていったりとなかなかのキレ者オーラも持っていて、不思議な魅力ある男でしたね。最初から全部を明かさずに、少しずつ彼に何があったのか、そしてスーパーヒーローチームとはどういう関係性なのかが見えてくる作りだったのでとても引き込まれていきましたし、影のあるキャラがシリアスな物語にピッタリだった。

対照的にヒーローチームのおじいちゃんは明るい性格で、パーキンソン病になったり、コントロールが難しくなってきたものの「瞬間移動」というこれまたロマンあるスーパーパワーの持ち主としてお気にりのキャラだった。悪の組織に近づくために潜入して盗聴器をしかけたり、バトルでも翻弄したり仲間を救ったりと普通に大活躍してたのもカッコいい。彼の仲間である女性ヒーローも予知能力というあまり戦闘には向かないものの、本人が強いので、格闘アクションで見せてくれましたし、どこか父と娘みたいな、ふざけ合いながらも信頼しあってるコンビで良かった。

警察の男女コンビも面白くて、女性刑事シャルツマンも僕ら視聴者同様にモローへの評価が変わってくのがシンクロしてて面白いし、正義感の強い、THE刑事って感じで良かった。こう書くとネタバレになっちゃいますが、一人能力がない人が混じってる設定もいいですよね。劇中では終盤までそこまで描かれないものの、惹かれあってるなという要素もありました。展開的にとてもヒロインでしたし。

能力のバリエーションは少ないと書きましたが、能力者専門のカウンセラーの件で結構さまざまな能力について言及されて、なんていうか「ごく当たり前に超能力者がいる世界」っていうのも面白いなーって改めて思います。全部が全部どんぱちというか、争いに直結しないという。まあ持ってるが故の苦労みたいなのも多々ありそうで、その不自由さはあるでしょうけど。さらに能力をコントロールできない故の悲劇というものあるし。それがまあモローのトラウマに関わってくるんですけど……。

ヒーローってタイトルについてる時点で出てくる悪役はちゃんと成敗できて、ハッピーエンドに向かうわけですが、それ以上に「トラウマと向き合い」モロー自身が「ヒーローになると決意する」物語だったんだな、と、成長記としての魅力あふれる作品でした。ものすごい勇気が行ったと思うし、すごい力を持っていても「生かすも殺すも己次第」ってメッセージが胸を打ちます。

これからも彼らは能力を使って人のために頑張るんだな、という更なる希望を感じて爽やかな終わり方でしたが、それすなわち続編も作れそうってことで。Netflixなのでちょっと期待してしまいます。基本が刑事、犯罪捜査ものですが、スリリングで面白かった。

吹き替え版で視聴。主人公はルシファー主役の遠藤大智さんでした。

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