舞台版同様に大平サブロー、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲、でんでん、有薗芳記が歌声を披露するほか、ヒロインとしてあまちゃんの、のんが再び東北訛りで好演。さらに戸田恵子、菅原大吉ら共演。
あらすじ
元レコード会社社員の山田修(小宮孝泰)がリーダーを務める、市村敏樹(ラサール石井)や天野真吾(大平サブロー)といったクセ者ばかりのコーラスグループ「山田修とハローナイツ」は、ベテラン歌手のキティ岩城(戸田恵子)らと地方巡業を続けていて、山田の故郷である東北の田舎町で公演を行う。ある日、山田の弟・英二(菅原大吉)の息子の幼なじみで、歌手を夢見る愛(のん)という女性がグループに入れてほしいと頼みにくる。(シネマ・トゥデイより)
10月頭よりhuluを再開して新規追加作品などを物色していたら発見。こんな作品あったの全然知りませんでした。
そもそも冒頭で触れた通り山田修とハローナイツっていうグループも長い歴史があり、舞台や今回の映画でも披露している「MISS YOU」や、ラサール石井繋がりでこち亀のOP曲なども現実世界でCD発売されてるなんて。だからまあおじさん達だけどそこそこ聴けちゃうというか、下手ではなかったですね。
温泉旅館の宴会場とか、どことなく懐かしいシチュエーションだし(今もあるのかもしれないけど)そういった歌唱シーンでは歌詞が出てくるのでそういう昭和の名曲を楽しむっていう魅力もあると思います。明らかに元ネタであろうクールファイブの曲までやりますからね。設定上売れてないってことなんで、自分たちの曲は映画内では上記「MISS YOU」くらい。コメディだし元々そっちに強い人たちなので曲の合間のトークも結構にやっとする感じでした。
何度もやってて世界観が安定しているのか、基本メンバーのキャラ付けがちゃんとしてて面白いんですよね。なんというかお互いをどう思ってるのかってのがありありと見えてくる。絶対見下してそうだな、って思ったあら案の定メインボーカルがソロデビューの話があるし、薬箱常備してて仲裁役になってる優しい人がそれ知ってても秘密にしてたとか。ラサールさんは女たらし的なポジションでしたが、その軽さのおかげでヒロインとの縁ができてグループに新しい風が吹くという。
あとはリーダーの山田修(小宮孝泰)がね、自分の故郷にきたけど、凱旋と表現できるほど売れてないっていう切なさ。さらには弟や家のことなどリアルな話も出てていて、メンバー内では一番共感しやすかったかも。
映画にありがちなんですが歌唱シーンと普通の会話シーンの音量の差が大きくて、大きくしないと一部なんていってるか分かりにくい箇所がありました。これは見てる方の聴力の問題なんでご参考までに。だから登場人物達の関係性が中盤くらいまで「ということでいいんだよな?」ってなかなか確信が持てなかった。例えば菅原大吉さん演じる修の弟が、スナックの女主人博美のことが好きなのに、一方で自分たちの子供同士(愛と啓太)が相思相愛になることも応援していてちょっと混乱しました。笑
そしてその愛ですが、最初から書いてる通りあまちゃん同様に東北訛り全開です。そして気が強いというか、方言だからそう聞こえるのかおじさん相手にすっごいズケズケと入ってくるので笑っちゃいます。劇中で回想されるやばい祖父の血が流れていたり、あるいは辛い経験から今度こそ本気で歌手になりたいという強い思いがあるからか絶対に退かないっていう意思。なんとかやり過ごそうとしてたメンバーも考えが変わっていきます。
オーディションや、舞台に飛び入り参加、そして……などなど歌唱シーンももちろんたくさんあります。これもあくまで僕の耳にはそう聞こえるってだけですが、おそらく口バク、別撮りしたのを映像に合わせてるんだろうなっていう感じでした。でも間違いなく本人が歌ってるって分かりますし、確かに若い女性の可愛らしくて元気な声が入ることでハローナイツの雰囲気がガラッと変わった気がしますね。
ただ先に言ってしまうと想像してたよりも短いというか、ある地点からはトントン拍子にいくのでドレスとかちゃんとした格好で歌うの自体は体感時間は短めでしたね。
そういう中での本職、というのか戸田恵子さんがベテラン歌手(だけどハローナイツと共に地方巡業)というポジションで歌唱力を披露してるのでそこも見所でしたね。最初プライドの高い面倒なタイプかな、と思ったらそこまでじゃないし。この世界での良き先輩ポジションで、愛との関係もよかった。メインキャラ達の控え室でのドタバタの裏で体育館で歌ってるのがなかなかシュールでした。
ヒロインのストーリーとしてももちろん面白いんですけど、僕個人的にはおじさん達の悲哀にリアリティを見ました。とりあえず地方巡業でなんとか生活できる程度にはやっていけてるという状態でズルズルきてしまってるメンバー達のなんともいえない感情。売れてきても大衆居酒屋での打ち上げとかそういうところに切なさがあって、その人間味に親しみを感じるんですよね。最後の最後にあの人が、っていうのも腹が立つ一方で受け入れちゃうのは度量があるというよりももう売れる売れないとかどうでも良くなってる感。あれはあれで楽しそうなんですよね。
最後といえばこれもまた「ずらし」があって、ちょっと予想してなかった方向なのでびっくりしました。これ読める人いるのかな。せいぜいイケメンに恋しちゃったとかだと思ったのに。ぜひ自分の目で確かめて欲しいです。
昭和の曲という要素だけでなく、どこか懐かしさを覚える映画でした。
huluにて視聴。
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