劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん / ドラマ化もされた累計1000万アクセスのブログを、坂口健太郎・吉田鋼太郎 W主演で映画化。いつの間にか距離のできていた父のことをもっと知りたいとオンラインゲームに誘うが……。

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いつの間にか親子の会話がなくなって何を考えているのかわからない父との距離を縮めようと、オンラインゲームを薦め、自分の素性を隠した上でネット上で一緒に遊ぶことに。その様子を書いていたブログが大ヒットし、累計1000万アクセス。そのエピソードを元に大杉漣&千葉雄大でドラマ化され話題となり、今回はさらにオリジナル要素を加え坂口健太郎と吉田剛太郎で再び実写化。
単身赴任中の父が会社を辞めて家にいるようになったものの、口数も少なくその考えが読めない。かつて一緒にゲームを遊んだこともあり、現在自分がプレイしているオンラインゲーム「ファイナルファンタジー14」に誘い、自分だと明かさないまま仲間になって共に冒険するという「光のお父さん計画」を思いつくが……。
主演の他、財前直見、山本舞香、佐久間由衣、佐藤隆太ほか共演。
あらすじ
単身赴任中だったアキオ(坂口健太郎)の父・暁(吉田鋼太郎)が、突然会社を辞めて家に戻ってきた。アキオは、何を考えているのかわからない父のことを知りたいと思い、ある計画を思いつく。それは「ファイナルファンタジーXIV」に父を誘導し、自分は正体を偽り一緒に冒険に出るというものだった。こうして「光のお父さん計画」が始まる。(シネマ・トゥデイより)


最初に触れた通り数年前に一度ドラマ化されており、そちらも大いに感動しましてある意味ストーリーはだいたい分かってる状態。主演だった大杉漣さんがこの世を去ったこともあって今回の劇場版はキャストを一新。本来いないはずの妹の存在などオリジナル要素も含んでさらに魅力的なものがたりになっていました。

予告動画でも映ってますが、劇中では実際のFF14のゲーム画面が使われており、本来は文字として表示されているチャットの内容も音声として聞こえてくるためものすごくわかりやすくなっています。アキオがゲームでは女性キャラを使ってるため女性声優・南條愛乃さんが担当してますが、父親のキャラ・インディは吉田剛太郎さん本人の声で喋っています。現実世界で無口なのにゲームだとめっちゃ喋るの笑えます。この辺はドラマの時もとてもツボでした。いかついおっさんだからこそ余計に笑えます。

ゲーム中に加えてもちろん現実パートもあるわけで、二つのバランスがとても面白かった。序盤こそ、息子本人だってばれないようにゲームしてることすら隠すというくだりをコミカルに描いてますけど、それ意外にも現実のいろんな要素がゲームにも関わってきて面白かった。例えば仕事が立て込んでるとプレイする時間が取れないだとか、妹の彼氏を紹介された苛立ちを敵キャラにぶつけるだとか、オンラインゲームに関わらずそういうのって「あるある」だし、共感しました。いつの間にか父親めっちゃゲームにハマってるし。

一方で名乗らないとは言え父と一緒に冒険し会話することがアキオにかなりプラスに働いていくのも良くて、仕事での相談を受けてのアドバイスが功を奏するのもいいし、そこにかつての父親との感動エピソードが関連してくのところも良かったです。この映画ははじめから知人というか家族ですけど、ネット上やゲーム上だけの付き合いの相手からでも、勇気もらったり悩み解決のヒントくれたりする場合って結構あるんですよね。フレンドって読んで字のごとく友達ですから、そういう部分は現実の仲間どうようにかけがえない存在ですよ。本筋からずれない範囲で恋愛要素として、アキオに好感をもった同僚ともFF14をやるっていう流れもありました。ゲーム上のアクセサリーとしての「指輪をあげたい」を別の同僚に聴かれて勘違いされるのは面白かった。

予告で不穏な空気で「父のある秘密」って言われるのでちょっとビビりますが、ドラマの結末を知ってる身としては安心して見ることができました(ある意味ネタバレになってすみません) 「強敵を一緒に倒す」というのと、「いつかは息子だって明かすのだろうか」が見どころだと思うんですが映画終盤のクライマックスとして期待を裏切らない盛り上げ方で描いてくれるんでほんと良かった。あれは涙なしには見れません。さらにその「秘密」に関連して挑戦するところにFFのテーマ「プレリュード」が流れるところも心憎い演出。

後日談としてもとても爽やかで、幸せな気持ちにさせられました。うちの父親ゲームは全くやらないんですが、何か一緒にできること探そうかな、そう思わされます。そうそう、本人もFF14プレイヤーだというGLAYさんの書き下ろし主題歌「colors」も父と息子の関係を歌っていて、映画のエンディングとしてぴったりでした。

触れた通りドラマ版にはなかった要素もたたありますので、見ていた方はもちろん、初めて知った人も楽しめる作品でしたし、一応「(RPG)ゲームというのは自分の分身的なキャラクターを操作して敵を倒す」(かなり乱暴な書き方をしてます)が分かっていればFFとか知らなくても十分ついていける内容ですし、家族の絆の物語としてどんな人にもオススメできる映画でした。

今回Netflixで試聴しましたが、ドラマ版(2017年)のスペシャルエピソードも限定で配信されてるようなので、会員の方は本編と合わせてどうぞ。僕も近いうちにみます。



ドラマ版はこちら

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