ヘレディタリー/継承 / アリ・アスター監督が送る、閲覧注意のホラー。家長であるエレンが死に、娘のアニーら家族は葬儀を行うが、そこから不可解な現象が起き始め、ついには事故で命を落とすものも。いったい何を受け継いだのか。

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この次に手がけた「ミッドサマー」も含め、その本格ホラーっぷりが話題の監督アリ・アスター。彼を一躍有名にしたのがこの「へレディタリー 継承」母方の祖母が死に、いとせず「受け継いでしまった」家族たちの想像を超える運命を描く。主演はトニ・コレット。
ミニチュア作家のアニーは、あまり良好な関係とは言えなかった母エレンを亡くし家族とともに葬儀をとり行う。そのあたりから不可解なことが起きはじめ、家族に動揺が走る。さらに悲劇は重なり、事故によって長女チャーリーもまた死んでしまうのだが、落ち込んだアニーの前に「降霊術」ができると言う女性があらわれ……。
アレックス・ウォルフ、ミリー・シャピロら共演。

あらすじ
ある日、グラハム家の家長エレンがこの世を去る。娘のアニーは、母に複雑な感情を抱きつつも、残された家族と一緒に葬儀を行う。エレンが亡くなった悲しみを乗り越えようとするグラハム家では、不思議な光が部屋を走ったり、暗闇に誰かの気配がしたりするなど不可解な現象が起こる。(シネマ・トゥデイより)


めちゃくちゃ怖いと聞いてたのでWOWOWで録画したものの正直見るの悩んでいたんですが、今回U-NEXTで吹き替え版が配信されているのを知り恐る恐る視聴。最悪途中でギブアップもありかな、と覚悟してました。結論からいうと最後までいけましたが、かなりトラウマになるレベル。なのである程度耐性がないときついかも。

もう初めからおどろおどろしいムード全開。主人公がミニチュア作家で、その時点で結構怖い。彼女たちの住む家をモデルにしてるのもあるんでどこかこう「囚われてる」イメージとか、大きなものに「監視されてる」雰囲気がバリバリです。当然タイトルにはどんな意味が込められてるのかも意識しながら見るわけですが、一族はかなり精神疾患が多く、アニーもまた夢遊病なので「病んでる家族なのか」と思わせます。割とピーターは普通なのに対して、チャーリーがね……。行動もかなりぶっ飛んでますが、無表情というか心ここにあらずな状態がめちゃちゃ怖かった。なんなんだあれ、もしかして彼女が色々するのか?とマジでびくついてました。「コッ」って音ならすし。

しかし冒頭で触れた通り、チャーリーの身にもまた悲劇が起きるので、全然予想がつきません。あの事故自体もスピード感とともに衝撃なんですけど、母が発見することになるあれがね、トラウマ注意です。よくこんなの映像化できたなぁと。この一件でさらに家族がバラバラになっていくわけですが、降霊術が出てきてからの「なるほど母親の夢遊病ってのが伏線で実際はアニーが何かしてたのか?」「それとも得体の知れないことが本当に起きてるのか」という2択で揺らされるのもとてもハラハラさせられたし、ピーターに危険が迫ってきてからは自分で手汗がめっちゃ出てるのがわかるくらいでしたよ。

でも伏線というか後から考えると真相自体はもっと最初から示唆されてて、劇中でもアニー本人がそれに近づき出してからの加速はほんと凄かった。予告動画である人が燃えてると思うですが、そこだけでもショッキングなのにそこから怒涛の展開、映画史に残るレベルの激ヤバ映像があるんで、マジで覚悟して見て欲しいと思います。僕としてはあまりにもすごくてラインを超えてむしろ笑えるところまで(笑わないと正気を保てなそう)いっちゃいましたね。なんだよあれ。

継承ってそういうことなのか、と全部が腑に落ちるとともに、ピーターが授業でやってた内容まで暗示だったと気づかされる。怖い音響、衝撃的な展開でびびらされつつも、綿密に計算して作ってあるところもまたすごいと感じましたね。非現実的なことが起きてるんだけど、そういうことなんだろうな、って納得しちゃうし、聞かされていた一族の物語もつまりは……?という。

一応主人公としてはアニーなんだけど、前述のようにこの人こそがおかしいのか?と思わせる暗いオーラをずっとまとってるし、息子に向かって産むつもりはなかったとか言動がおよそ理解できない部分も多々あって誰を信じていいかわからない怖さがずっと取れなかった。あれじゃあ旦那さんも引いちゃうよなぁって。キレて作品ぶっ壊したりとか、なんて題材でミニチュア作ってるんだよ!とかね。そして予告で使われててるけど叫んでたと思ったらいきなり真顔になるやつ。あれも地味にインパクトあった。一気に空気が変わるのが怖すぎる。

そもそもホラーが平気じゃないと選ばない作品だと思うんですが、映像のショッキング度とか演出とか含めてかなり記憶に刻み込んでくる映画なのは間違いないし、ここから影響される作品もあるかも(真似できないか?)なので、文字通り「怖いもの見たさで」チャレンジしてみたいという方は、是非に。

U-NEXTにて吹き替え版で視聴。
2021年3月現在、アマプラでも会員見放題対象です。



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