1977年のロンドン。内気ながらもパンクが大好きで、オリジナルキャラが活躍する漫画をかき同人誌を作ったりする少年エン。友達と共に偶然見つけた怪しげなパーティで一人の少女に出会い惹かれるも、彼は遠い星から来た異星人だった。48時間後に故郷に帰るという彼女だが、パンクな歌を一緒に歌ったり、様々な思い出を作っていく。しかし大人たちはルールで厳しく縛ろうとして……。
トニー賞を受賞など舞台で活躍していたアレックスシャープが主人公を演じ、ヒロイン役はエル・ファニング。パンクのカリスマ役でニコール・キッドマンも出演。
あらすじ
1977年のロンドン郊外。内気な少年エン(アレックス・シャープ)は偶然参加したパーティで美少女ザン(エル・ファニング)と出会い、音楽やパンクファッションの話で盛り上がり、恋に落ちる。しかし、遠い惑星に帰らなければならない彼女と過ごせる時間は48時間のみ。大人たちが押し付けるルールに反発した彼らは、一緒にいるために逃避行するが……。(シネマトゥデイより)
タイトルだけ聞くと、冴えない男子高校生、パーティ、ハメを外すという王道ネタな作品かと思ってしまいますが、パンクコンサートの打ち上げ参加に失敗し、偶然見つけた空き家で行われた儀式めいた謎の空間は見てるこっちも目が点になっちゃって、おいおいどういう映画なんだよとプチ衝撃でした。
予告だとちょっとしか映ってないけど、異星人たちみんなレザーというかエナメルというか、テカテカする変な服着てるんだもの。まさしく「理解を超えた何か」って世界でびっくりしましたし、面白かったです。足の裏で鼻をくすぐったり、脇をなぜさせたりとか愛情表現?も異文化ですし、生殖行為も独特っぽくて仲間で一番チャラい奴でもめっちゃビビって逃げ出しちゃったし。友達3人組の残り一人は結構適応してて、ノリノリで謎ダンスに混じってるのもそれはそれでシュールなんですけど、そんな状況で主人公だけはちゃっかり女子といい感じになってるから余計に面白いです。冒頭のパンクコンサートでは「隠キャ」って感じの対応しかできなかったのに。
そもそも同名短編小説の実写化なのですが、誰にも話しかけられずにキッチンに退散して、例えば家のママさんと話して時間つぶすことしかできない、という冴えない男が主人公なのは間違いなかったのですが、パンク愛だけはかなり強くて。それが「反抗したい」と思っていたヒロイン・ザンの心境とすごくシンクロしていったから良かったんですよね。もともとエンはいい奴だし。犯罪とかに手を染めるわけじゃなく、パンク思想を具現化したようなキャラの漫画を描いてるって、なんか微笑ましいじゃないですか。
かなりファンタジーなので、異星人たちの抱える問題とか、その解決方法、決めているルール自体はなかなかぶっ飛んだ内容なんですが、保護者や社会が決めた決まりに縛られることなく、自由になりたい!っていう強い意思という部分は誰しもが心に抱いてるものだと思うので、とても感情移入しやすいと思います。
だから異星人のPT(保護者)に向けてエンが演説したところは胸が熱くなりました。単純に彼女と一緒にいたいってだけじゃなくて、俺たちは自分の意思で生きたいんだ!っていう強いメッセージ。彼らが命に対してどういう選択をしてるかという部分と合わせると、特にそう感じました。
そういう流れなので、当然ああいうオチになるのかと思ったのですが、ちょっと予想外の展開で裏切られましたね。なぜ77年が舞台なのか。もちろんパンクの流行りって部分もあるのでしょうが、なるほどね、って感じ。爽やかな気持ちで見終われて満足です。
難解な部分もありますが、ベースはピュアなボーイミーツガールものなのでオススメできる作品です。
WOWOWにて字幕版を録画、視聴。
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