響-HIBIKI- / 2017年のマンガ大賞に輝いたコミックを平手友梨奈主演で実写化。圧倒的な才能がありながらも、その素行に難ありの作家・鮎喰響。常識外れの彼女の行動が周囲の人間に変化をもたらしていく……。

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柳本光晴のコミック「響~小説家になる方法~」を平手友梨奈主演で実写化。出版社の新人賞向けに送られてきたとある原稿。本来なら電子データのみが対象のため捨てられるが、たまたま目にした編集者がその文章に惚れ込み、自らタイピングしなおして特別に応募。本人は賞レースの結果にはそこまで熱意はないものの、編集者は彼女の才能を世に知らしめようと奔走する。同じ学校に通う有名作家の孫娘や、作家仲間や先輩作家。デビュー後彼女をつけ狙う記者など彼女の周りの人間たちも、常識外れの行動によって影響を受け……。
北川景子、アヤカ・ウィルソン、高嶋政伸、柳楽優弥、小栗旬ら豪華共演。
あらすじ
突如として文学界に現れた、鮎喰響(平手友梨奈)という15歳の少女。彼女から作品を送られた出版社の文芸編集部の編集者・花井ふみ(北川景子)は、彼女の名を知らしめようと奔走する。やがて響の作品や言動が、有名作家を父に持ち自身も小説家を目指す高校生の祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)、栄光にすがる作家、スクープ獲得に固執する記者に、自身を見つめ直すきっかけを与えていくようになる。(シネマ・トゥデイより)


原作は未読なんですが、公開当時予告映像を見てすごいインパクトある作品だなとびっくりしたのを覚えています。ストーリー全体としてはおよそ現実味があるとは思えないのですが、これ以上ないっていうくらいキャラの立ちまくった主人公「響」のカッコよさ、ブレなさ、ヤバさによってねじ伏せられてしまうというかその魅力だけで最後まで釘付けになってしまう面白さがありました。こんな人が実在してたら怖すぎる。

彼女本人にとっての目線としては文芸部に入り高校生活を送りつつ、応募していた作品が話題になり新人賞の候補へ、さらに大きな賞の対象になって〜と、ほとんどとんとん拍子に進んでいき、ましてや本人がものすごく淡々としてるのもあってこうやって書くと普通のサクセスストーリーぽく見えてくるのですが、その合間の行動が普通じゃないんです。
たまり場が欲しかっただけの先輩とやりあって骨折させたり屋上から落ちたり、舐めてきた同期作家をパイプ椅子で殴りつけたり。基本的に武闘派なキャラなんで担当編集のふみもかなり手をやいていて、単純に15歳の天才作家という面だけじゃなく危なかかしさでも話題になってしまうという。もちろん暴力という手段は消して褒められれる行為じゃないんだけど、例えば蹴飛ばされる大御所作家(北村有起哉)はセクハラ発言して友達を守るためだし、予告動画の飛び蹴りは編集者を守ため。全部彼女なりの意味があっての行動なんですよ。
それは入部したタイミングで友達が並べた本の順番が気に食わなくて本棚ごと倒すという暴挙を真顔でやってのけるところから始まってるんですけど、こういうブレなさが最終的に相手の心に響いていく(これ、ダジャレじゃないです。)

「昔は良かったのにある時から同じことの繰り返し」「だから私にとっては(芥川賞作家ではなくて)たまにテレビ出るおじさん(でしかない)」と言うセリフとかとても印象的ですし、そこで激昂せずに素直に認めて、「いつかお前もそうなる」って絞り出す、大御所の哀愁みたいなのも良かったです。2時間映画でぎゅっと凝縮されちゃってるので原作では脇役ももっと掘り下げられてたんだろうな、ドラマがあるんだろうな。見たいなーって思わされる要素が多々ありました。特に小栗旬さん。先に言っとくとかなり出番少ないです。序盤だともっとガッツリ絡んでくるものだと予想したんですけどね。あとは柳楽優弥くん演じる同期の作家。最初こそ口喧嘩がリアルな暴力に発展して、ホームのシーンではこっちまで縮み上がる思いをしましたが、終盤で出てきた時の「読まずに批判するなよ、俺は(読んで)心が震えたね」っていう、心から才能を認めてる描写がめちゃくちゃ好きでした。新人賞くらいでしか絡まないんですけど、ライバルが主人公を褒めてるような嬉しさ。

劇中でライバル的にいて一番スポットが当たるのはやはり友達のリカで、ファンが多いベストセラー作家(吉田栄作)の娘という設定。もっとこうドロドロした、盗作だとか嫉妬に狂った悪意ある行動しちゃうのかと不安でしたが、そこはやはりプライドとか自分の文才を信じて正々堂々と戦ってて好印象でした。もちろん思うところもあるし、今まで通りというわけには行かなかったようですけど。「1ヶ月絶好ね」って言って本当に1ヶ月後に普通に遊びにくる響の素直さに救われたなぁと。悔しさをバネに書き続けて、話題先行じゃなくて本当に切磋琢磨してく存在になれるのか。続きが気になります。

ラストシーンもとても印象的で、全体を通して一番まともじゃない行動。なのにかなり心を揺さぶられて、あの相手じゃなくても頑張ろうって思わされました。何よりも自分というものを持ってるからこそブレないし、強いし、そして優しい。友達(というか気に入られたら?)にしたら嬉しいけど、敵にしたくない主人公の最たる例だったと思います。
そうそう、動物園とかの日常でちょっとだけ年相応の表情を見せるのがニクイというかより魅力的に見えましたね。アイドルグループで一人奇抜な(?)ポジションのダンスが多かった平手さんでしたが、かなりぴったりの配役だったと思います。

Netflixにて視聴。

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